半世紀前の旅
『五行歌』誌・8月号特集作品
半世紀前の旅(沖縄・台湾・香港) リプル
【神戸→沖縄】
神戸から
沖縄行きの船に乗る
ドラが鳴り
別れのテープが
ちぎれ飛ぶ
沖ノ島丸と
競争するように
イルカが泳ぐ
トビウオが飛ぶ
屋久島が遠ざかる
甲板で
三人の友達ができた
その一人が
那覇の家に
泊めてくれた
那覇の国際市場は
シェンシェンという
声が飛び交う
復帰前なので
銭でなくセントだった
こんなでっかいのが
空を飛ぶのかよ!
初めて乗る飛行機は
台北行き
ノースウエスト
【台湾】
台北では
親切な人に
トラックに乗せてもらう
竜眼という果物が
妙にうまかった
宿はYMCA
天井に吊るされた
蚊帳のでっかいこと
新聞は真っ黒
ぜんぶ漢字それも旧体字
台中では
留学生の世話になる
みんな日本語がうまい
床屋の洗髪は
常温の水だった
花蓮、台南、高尾
好日的な国だ
ただ映画が始まる前に
蒋介石と軍隊が映り
起立して国家を歌う
基隆(キールン)から香港へ
三等席は船底で熱い
甲板に出て眠る
星が降るようだった
翌朝ジャンクを見る
【香港】
香港もYMCA
三階の部屋なのに
どう見ても四階だ
そう、イギリスでは
一階はグランドフロア
適当にバスに乗り
終点まで行く
バスケットをしている
グループに加わる
繊維会社の人たちだった
船で知り合った学生が
香港島の家に招いてくれて
家庭料理をご馳走になる
おしっこは流しの脇
大きいのはお丸か公衆トイレ
中国国境付近までドライブ
牡蠣がうまいところだ
大きなジャンクが見える
ああ、あちらはもう中国なのか
深い感慨を覚える
慕情の丘に登ったり
市場を歩いたりもした
香港のお墓には
写真が焼き付けてあった
変な風習だ
犬が何匹か
檻に入れられている
一匹ずつ減っていき
料理になって出される
すごい国だ

アジア「3国」若かりし貴重な映像が頭の中で残されていたのですね。記帳も大切な物
半世紀と言えば「沖縄」はもう返還されていたのでしょうか?
沖縄の旅
歴史に耳を澄ます
ガイドの説明
米軍基地占領15%
未だ複雑にされたまま
戦争の悲劇も語る人が年々少なく「戦後」は思い出す人がいる限り終わりは無いと思つております。
投稿: E.A | 2023.08.05 08:42
★E.A.さん、
沖縄はまだ返還されていませんでした。米国領事館にトランジットビザをもらいに
行きました。もちろん車は右側通行。お金はドル・セントでした。那覇の人に観光
はどこがいいか聞くと、南はお墓参りばかりだから、北の海のほうがいいと言われ
ました。本当はひめゆりの塔とかの墓参をすべきでした。
今でも、戦争の影響を受けた人が大勢います。子々孫々に影響が及びます。
私も5歳以降は実の両親に育てられませんでした。戦後、家は没落しました。
どんな理由であれ、戦争だけはしてはいけませんね。
投稿: リプル | 2023.08.05 16:07