歌人、斉藤斎藤の自由度
NHK短歌、第二日曜の選者は斉藤斎藤さん。苗字も名前も苗字のような名前であるが、そのわけは知らない。ただ、斉藤さんのつくる口語短歌がおもしろいので気に入っている。こうすれば入選するといったコーナーでも決して添削をしない。同じテーマで斉藤さんが改作をするのである。添削は作者の歌が大幅に変えられてどこかに行ってしまうことも少なくない。しかし、斉藤さんは作者の作品は作者の作品として置いておき、べつに自分なりに作者の意図するところを歌を作るのである。
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この歌は、五七五七七の定型からはかなりくずれている。しかし、このぐらいの字余りも許されると言うのである。たとえば、宮中歌会などでは和歌が朗々と詠みあげられるが、そのとき、特に五文字のところは長く伸ばされるというのだ。
百人一首の蝉丸の歌
こちらは百人一首に入っている蝉丸の歌だが、「これやこの~~であと伸ばして詠うというのである。それぞれの句の最後には一拍の間がはいる。つまり、短歌の五行は一行が8音節から成り立っていると考えていいというのだ。だから定型の5音のところも6、7音、あるいは8音ぐらいまでの字余りが許されるというのである。
イェーイと言うので
イェーイと言うと
あなたそういう
人じゃないでしょ
と、しかられる
これはもう短歌とはいえないくらいの破調である。いっそ、一行8音などという抑えを取り除いて自由に歌い上げればいい。それが五行歌の発想の減点なのだ。そして五行歌は、いま着実に広がりつつある。日常語で思ったままを表現する。それがいちばん自然なのである。文語は芸術的価値は認めるが、わたしたちの今の思いを伝えるにはよそいきすぎる。ふだん使わない言葉をつかってもウソっぽくなるだけだ。
カメラを
向けられると
ついVサインを出して
イェーイなんて
おどけてしまう
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イェーイと言うので
イェーイと言うと
あなたそういう
人じゃないでしょ
と、しかられる
これは面白い
腹から大笑いしましたよ
昨日だかラジオで俳句の先生が
季語がなくてもいい、575でなくてもいい
みんな俳句だよ
と、言ってましたね
投稿: ブル | 2013.07.16 21:17
ほんとうの
言葉には
ぬくもりがある
無理して飾らなくても
そのままがいい
投稿: tama | 2013.07.17 09:50
斉藤斉藤さんの歌もお人柄も
好きです。
投稿: kei | 2013.07.18 05:31
★ブルさん、
「あなたそう人じゃないでしょ」と叱られるが
おもしろいでしょ。ふだん生真面目な人が、
たまにおどけるとこうなるけれど、それもいい。
叱っている人の顔も浮かんできます。(^-^)
★tamaさん、
五七五に数合わせをすることも、文語をつかうのも、
季語の力を借りるのも、ちょっとウソっぽくなるのは
ふだんの自分のことばではないからですね。
やっぱり、五行歌で行きましょう。
★keiさん、
keiさんも、俳句と短歌は見ておられるのですね。
斉藤斎藤さんは、かぎりなく五行歌に近い人ですね。
投稿: ripple | 2013.07.18 11:54
記念写真に収まる時、仁王立ちもなんだかなぁ・・・・と、柄にもなくついピースサインをしてしまう自分を思い浮かべて笑ってしまいました。
投稿: エノコロ | 2013.07.18 15:13
★エノコロさん、
女性はちょっと足を前後に重ねて、
やや斜めに見るといい、のかな。
なんか変に緊張しちゃいますね。
投稿: ripple | 2013.07.18 15:20
斉藤さん
ぜひ五行歌にいらしてくださいな♪
趣味人倶楽部の「初めての五行歌」コミュでお待ちしています。
森になるか
枯れて朽ちるか
言葉にも
命がけの
戦いがある
投稿: neko | 2013.11.16 01:06
★nekoさん、
趣味人はシュミートと読むのでしたね。
歌人も文字の制約をはなれて歌いたい
人がすくなくないと思います。
言葉は
思いをのせる
船
ときに慎重に
ときに大胆に
投稿: ripple | 2013.11.16 08:55