2018.02.10

物質は空間だらけ

原子模型を見ると
物質は空間だらけ
忍者が
壁を通り抜けても
不思議はない

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2018.02.08

おむつ

おむつから
おむつへ
という
だれもが
そのお世話になる

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2018.02.07

しんゆり五行歌会(2月)

                       大橋
浪の華は        
(日本海の荒波の泡)
純白ではない
岩をかみ
砂の底をかきむしった
地球の肌の色

                       浅井
「好きにさせてよ」
と小声で捨て台詞
「好きにしてるじゃん」 
だって
聞こえちゃったー

                       佳子
木琴が
日の目を見た
娘が使って
孫がまた使う
三十年ぶりの目覚めだ

                       冨樫
夜のしじま
シーンとした
音を伝って
遠いあの人と
話せる気がする

                       平田
十年ぶりに出版された
広辞苑第七版を買う
重い 四.八キロ
「舟を編む」を思い出しながら
眼鏡をかける

                       高岡
凛として咲く
水仙
紅き南天の実を添えて
わが家は
もう春

                       京子
オナガが
ギャーギャーと
鳴いている
ベレー帽が
かっこいいのに

                       リプル
ひとり分
空いているような
空いていないような
電車の座席
すこし離れて立つ

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2018.02.05

捨ててこい

『五行歌』12月号に載せた私の作品に、二人の方から作品評を書いていただき、それが2月号に掲載されていた。ありがたいと同時に嬉しかったので、対象となった作品と、その二人の文章を引用させていただく。

 捨ててこい        リプル
 と言われて
 橋から投げた
 紙袋
 子猫五匹

酒井映子さん
 今の世からみたら衝撃的なことだろうが、半世紀ほど前の日本では普通のことだった。飼い猫や飼い犬が仔を産む。一匹や二匹は引き取り手があっても、残りは捨てられたのである。その辺に捨てるのではない。水に沈めるのである。その仕事は子どもの役割であった。人が食べるにも必死な時代の、日本の、どこにでもある姿であった。
 今の時代に、あえてこの歌を発表された作者の気持ちが分かる気がする。

堀川士朗さん
 冷静に描かれている分ショックを受けました。他に解決方法はなかったのかと、五匹の子猫たちの落下・着水・沈没をコマ送りの映像として想像してしまった。行為を背負い込み歌に残すことで、リプル氏は幼き日の贖罪を果たしているのではないかと深読みも致しました。
 急にふと椎名林檎の「リモートコントローラー」という歌を思い出しました。どこにも持って行き場のない感情が激しく静かに沈潜して行くその歌を。

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2018.02.02

まだか、まだか

まだか
まだか
雪の降るなか
ただ
バスを待つ

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2018.02.01

『五行歌』誌投稿歌(2月号)

寒の朝
ビルの上に
薄紙を
貼り付けたような
月が残る

ベイブリッジの
向こうの
風力発電の羽根が
ほとんど止まりそう
おだやかな日だ

うつむいて
顔をみせようとしない
クリスマスローズ
君が何を考えているのか
気になるよ

絞め切りがないと
なんでも
先延ばしにする
人生にも
締め切りがあるのに

わたしが
肛門を締める体操を
していても
誰も
気がつかない

落ち葉が
コンクリートの上を
駆けまわっている
必死になって
土を探している

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2018.01.27

五行歌を書く

とろーっと
舌にあんぽ柿
はだしで悪ガキ追っかけてった
田舎の
おばあちゃんの味がする

       志村礼子(今朝の「よみうり五行歌」特選)

先日、関東合同新年五行歌会に参加したが、小歌会でこの歌の作者の志村礼子さんと同じテーブルになった。志村さんはいつも平易な、味わい深い歌を詠まれ、毎回のように入選されている。小歌会のときに聞いたのだが、五行歌を書き始めると3時間でも4時間でも書くそうだ。多作をされるである。

私も一日1首は書くが、多くても5首ぐらいだろう。『五行歌』誌への投稿も、締め切り間近にあわてて書くことが多い。それではいい歌ができるわけがない。やはり、たくさん書けば、その中にキラリと光る歌ができるの可能性がある。

そのためには、メモ帳を持ち歩き、気づいたこと、見つけたことを、まめにメモするぐらいでないと駄目だろう。パソコンの前に座って、あれこれ想像を巡らせていてもいい歌はできない。外を歩けば、一歩一歩に歌が浮かんでくるかもしれない。

小さい時から詩歌を書いていた三葉さんはこんな歌を詠んでいる。

墨を塗って                  
和紙をおしあてよ
心が傷だらけなのは
人生の版画を
刷るためなのだから

        三葉かなえ(五行歌集「プロジェクションマッピング」より)

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2018.01.19

あなたの手と

あなたの手と
わたしの手が
触れあって
ビリッと走る
静電気

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2018.01.17

しんゆり五行歌会(1月)

                                                 有水
元旦早々
電話鳴る
「生きとるよ」と長兄
全てに優る
挨拶

                                                 えんみ
トントントン
春の七草を刻む
いつもと同じ朝なのに
どこか清々しい
七草粥が光る朝

                         冨樫
赤い靴をはいた
女の子は
「ニンジンさん」に
連れていかれたのだと
思っていた

                         茗水
「あんたの夢見たんだ」
と郷土品が届く
「何回も夢見て?」
優しい故郷の人と
笑い合う

                         平田
家の中から
バードウオッチング
頭と頬の赤いアオゲラ
長い時間
遊んでもらった

                         京子
キャベツが
一個五百円
採れ過ぎた時に
次々とつぶしていた
あれは何だったのだ

                         リプル
笑うかもしれないが
ときどき
焼き芋の甘さにかなうものなんて
あるのだろうか
と思うことがある

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2018.01.15

小歌会の歌

きのうの新年歌会では10人ずつのテーブルに分かれて、小歌会を行った。私のテーブルで一席になった歌はパンジーの歌で、なかなか味わいがある。

二席の歌は私の作品だが、川柳みたいになってしまった。短くて分かりやすいと褒められたが、すこし軽い。ま、世相を反映しているといえば、いえなくもない。

値引きの札から           磯貝
更に50%引かれて
北風にふるえる
黄色のパンジー
つれて帰る

優先席                リプル
むかし
寝たふり
いま
スマホ

小歌会では2点しか入らなかったが、いい歌があった。私も1点入れている。それが表彰式では草壁賞に選ばれたのだから分からない。草壁賞というのは主宰が選んだベスト2首である。万人受けする歌が作れるのも才能だが、その歌が本当にいい歌とはかぎらないのも真理である。

波打つ海だ              たかし
フナムシのような命から
今のこの命に
たどりついたのか
海よ、命よ、ありがとう

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