2009.10.24

多摩病院

Tamabyohin
川崎市立多摩病院

知人が腹痛で入院したので、昼休みに多摩病院に見舞いに行った。登戸駅が橋上駅になってから南武線をまたげるようになったので便利である。多摩川側のエスカレータを降りると、病院へ続くアプローチが整備されている。屋根がついているので、雨でも平気だし、夏の暑い日には日よけにもなる。駅から病院までは150mだから近いのもいい。

病棟はみんな花の名前がついている。知人ははなみずきの棟にいた。軽い腸閉塞だったようだ。ときどき腹痛が起こり、数年に一回ひどいのが来るらしい。多摩病院は廊下も病室もかなり広い。民間の入院施設とくらべると天国だ。上の階なので景色もいい。多摩川も小田急の鉄橋だけでなく川面までよく見える。ま、いくら病院がきれいでもでも入院はしたくないけれど。

病院へ行くと
よく分かる
どれほど
健康が
ありがたいものか

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2009.10.23

坐骨神経痛

このところ季節の変わり目のせいか、坐骨神経痛の痛みを訴える人が多い。昼間は暖かくても朝晩はかなり冷えるので、持病のある人は注意したほうがいい。現代人の病気の大半は、①食べ過ぎと②運動不足である。

むかしは農作業などでからだを酷使したり、栄養不足などが原因で坐骨神経痛を患ったものだ。しかし、いまでは食べ過ぎ、太り過ぎで、足腰に負担がかかるようになったこと、運動不足で筋力が衰えたこと、などが原因となっている。だから、坐骨神経痛の予防と治療は、①体重を増やさないこと、②適度に運動をすること、それから③からだを冷やさないことだ。

うち(陽気堂はり治療室)ではまず、交流磁場治療器(ホットマグナー)で腰や臀部を温める。それから、からだを軽く優しく揺すってほぐし、血行をよくする。疼痛関連部位に細い針を打ち、温灸をする。さらにカウンターストレインという手技療法で、骨盤や腰椎の矯正する。これで相当痛みは軽くなる。それから必要に応じて、自宅でできる体操などを紹介している。整形外科でブロック注射を受けるよりずっといい治療法だ、といささか自負している。

坐骨神経痛のつらさは
患ったものでなくては
分からない
しかし永遠に続く痛み
などありえない

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2009.10.05

口絆創膏

寝ているあいだに口が渇くのを防ぐため、口にななめに絆創膏を貼るようになって、すでに20年ぐらいになる。その効用は大きいが、すすめてもやる人は意外に少ない。残念なことだ。うちのホームページの「健康メモ」欄に載せてある文章を引用しよう。

1.のどの弱い方に朗報です。のどを守る、安くて、手軽で、効果的な方法があります。それはちょっと変わった方法ですが、口を絆創膏でふさいで眠るのです。私たちも3年ぐらい続けていますが、のどがいがらっぽくなることは、ほとんどなくなりました。風邪の予防にもなりますので、ぜひ、お試しください

Kuchiban2.口をそっと閉じて、上唇の上と下唇の下をつなぐように絆創膏を貼ります。すこし斜めに貼ると、うまく貼れます。息苦しくはなりません。絆創膏といっても、ほんとの絆創膏では唇にくっついてしまうので、バンドエイドのようなものがよいでしょう。ガーゼの部分があるので唇につきません。口をあまり強く閉じないようにして貼るのがコツです。

3.口をふさぐと必然的に空気が鼻を通って温められ、適度にしめりけが与えられ、ほこりや雑菌が取り除かれます。すると、のどが冷えず、乾かず、ほこりや雑菌がつくことがないので、いがらっぽくなりません。

4.これは耳鼻咽喉科の医師で、同時にオペラ歌手でもあるという、前広島大学学長の原田康夫先生のアイデアです。学長はなんと25年あまり、一日も欠かさず、この方法を実践しているそうです。

Kuchibanここ一年ぐらいは、絆創膏の両端を切って短くし、それを口の真ん中に縦に貼っている。そうすると糊の部分が少ないのでらくに貼れる。最近ではイビキ防止に専用の絆創膏を売っているが、なに、こちらのやり方でじゅうぶんである。これからインフルエンザが流行するような気配があるが、この口絆創膏で粘膜を保護すれば、けっこう予防になるような気がする。

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2009.09.19

食道と気管

きのう、妻が「気管は食道の前にあるのよね」と言う。わたしが「そうだよ、喉に何かつまって息ができない時、ノドチンコの下の凹みに穴を開ければいい。気管切開っていうじゃないか」と言った。「新聞の図が反対になっていたのよ」と妻。へえ、それは明らかに間違いだ。

家に帰って新聞を見ると、たしかに逆になっている。それは読売新聞の健康欄「せきの見立て」という記事で、とても役に立つ情報が載っているところだ。ま、人間のやることだから間違いはあるだろう。はたして、けさ訂正文が載っていた。注意して見ると、新聞もけっこう間違う。とくに地域の事故や事件などはかなりいい加減なことがある。あまり疑ってもいけないが、新聞も間違えるということは知っておいたほうがいい。

Seki
右がきのう、左がけさの記事

新聞も
人間が作るものだから
間違いがある
盲信しないことが
肝心である

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2009.09.08

小学生もマスク

Mask1
マスク姿の小学生

JR南武線に乗ったら、小学生の団体に出くわした。それが、男の子も女の子もみんなマスクをしているので驚いた。新型インフルエンザが流行しつつあるので、うがいと手洗い励行、それから始業式は放送で行った、というニュースは聞いているが、先生も生徒もみんなマスクをしているとは。

Mask2
小学生がみんなマスクをしている

小学生の団体は登戸駅で降りた。生田緑地のプラネタリウムか自然科学館、あるいは日本民家園に行くのだろう。団体通用口から出てくる子供たちがみんなマスクをしている、というのはちょっと異様な光景だ。もっとも、新型インフルエンザは10代、20代といった若い人がかかりやすいというから、無理もないか。

小学生もみんな
マスク
マスク
インフルエンザ
やだもんね

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2009.08.26

大腸内視鏡検査

予約しておいた大腸の内視鏡検査を受けた。きのうの午後9時以降の食事をしないで、けさ8時から「ニフレック」という経口腸管洗浄剤を飲む。粉末を2リットルの水に溶かし、2時間かけて少しずつ飲むのだが、これがけっこう辛い。軽くレモン味がついているが、水を2リットル飲むのは楽ではない。飲み始めて1時間もすると便意を催し、それから頻繁にトイレに通う。10時を過ぎると、お腹が空っぽになった。余談だが、「ニフレック」の袋には味の素の製品と書いてある。

12時に病院に行き、まもなく検査室に呼ばれる。服を脱いで、後ろあきの紙の使い捨てトランクスをはいて、ベッドに横になる。左の人差し指に血流計のようなものをはめ、右手の静脈に鎮静剤の点滴を受ける。それから左を下にして横を向き、いよいよ検査が始まる。

肛門にファイバースコープが入ってくる。大腸の検査三度目だが、今回は非常によく内視鏡の動きを感じた。腸の内壁が過敏になっているようだ。10分ほどで盲腸あたりに到達し、それからあちこち丁寧に内視鏡が動いてゆく。わたしの視野にディスプレが二つあり、一つにはビデオの映像が、もう一つには途中で撮影した静止画が写っている。動画はボケて見にくいが、静止画はきれいだ。ピンク色の大腸がはっきり写っている。

→大腸内視鏡検査(動画)

盲腸の上の部分とS字結腸の部分にときどき違和感があるといったので、先生はその部分をていねいに検査してくれているようだ。内視鏡の位置によるのだろうが、かなり痛いところもある。ウッと声をあげてしまうほどで、まるで腸の中を蹂躙されているようだ。ファイバースコープがお尻から抜けたときは、さすがにホッとした。

着替えをして診察室に入ると、もう結果が出ている。先生はくわしく大腸のどこを見たか、どんな様子だったかを説明してくれた。一部、白っぽいものが付着していたが、「これはコンニャクでしょう」という。たしかに前夜、コンニャクを食べている。「コンニャクは腸の掃除にいいですね」と先生。けっきょく、わたしの大腸はとてもきれいで何の心配もない、とのことだった。ありがたい。

もう20年ぐらい玄米食を続けているが、それが効いているのかもしれない。免疫療法の権威・新潟大学の阿保徹先生が『壮快』に書いているが、大腸がんの予防には玄米食をすすめているという。ご自分も実践しておられるようだ。今回は検査が苦しかったので、大腸の内視鏡検査は1年置きにしようかな、などと考えている。しかし、鳥越俊太郎さん等が説いているように、早期発見が大切なのに変わりない。

ぐりぐりと
腸をまさぐる
内視鏡
少し痛いが
感謝いっぱい

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2009.08.25

マッケンジー体操

腰の激痛・しびれが消えたー91%に効いた革命的腰痛体操を新発見! 例によって、『壮快』は刺激的な見出しをつけて読者の心をくすぐる。それに引っかかって10月号を買ってきた。表題の記事は、マッケンジー体操のことだった。この体操は以前から紹介されており、革命的腰痛体操の新発見ではない。ゆっくり腰を反らす体操なのである。ゆっくり腕立て伏せの姿勢をとり、からだを反らしていく。10回やりそれを2セットほど行うと書いてある。

Mckenzie
マッケンジー体操→ こちら

一般に、ぎっくり腰は腰が前屈してしまった場合が多く、へっぴり腰になって、腰を伸ばすことができない。だから、腰を丸くして横になって安静にしているのが無難である。また強烈な痛みがあるときは、そういう姿勢しかとれない。腰を反らすなど、もってのほかなのだ。だから、たいがい医者も腰を反らせてはいけないと言う。

椎間板ヘルニアなどの場合、腰が前屈したために椎間板が後方に押し出され、それが神経を刺激して痛みを生じていると考えられる。だから軽いヘルニアなら、腰を後屈させる(反らせる)ことによって、後方に移動した椎間板がもとに戻る可能性がある。うまく戻れば神経刺激もなくなり、腰痛が治るというわけだ。

Kasetsu

ほんらい、腰は前屈しているよりやや後屈しているぐらいがいい。だから、この「腰反らし体操」は、正しい姿勢に戻そうという体操なのである。真向法の第四体操もこれと同じである。うちでは患者さんに、腰痛の予防体操として、仰向けになって腰に枕を入れ、腰を反らせる体操をすすめている。これも考え方は同じである。

ただ急性期には、痛みがひどくて腰を反らすことができない場合が多い。からだが反るのを嫌い、前屈したがっているからだ。そのときは、からだが望む通り、大きくゆっくり前屈させたほうがいい。痛みがらくになる方向に持っていく。これが、うちの治療の半分を占めるカウンターストレインという手技療法である。カウンターストレインについては、「陽気堂はり治療室」のホームページのメニュー欄「カウンターストレイン」に行けば、詳しい説明がしてある。

http://homepage2.nifty.com/yokido/

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2009.08.05

胃カメラ

朝食を抜いて病院に行き、内臓のエコー検査と胃カメラの検査を受けた。メタボ検査や夏かぜが流行っているせいか待合室は混んでいた。最初に超音波検査を受けたが、ゼリーが温かくて気持ちいい。エコーは小さな病変は分からないが1センチぐらいのものなら見つかるようだ。画像の解読能力にもよるだろうが。

次は胃カメラの検査。まず、ベッドの上に仰向けになって、氷を一かけらなめる。氷に麻酔剤が入っていて、それが溶けるころ咽喉に麻酔がかかる。今年で三度目だが、今回はこの氷がかなり苦い。気温が高いせいか、氷が溶けるのが早いようだ。それから、さらにスプレーのようなものをかけて咽の奥に麻酔をかける。先生がていねいにファイバースコープを挿入していくのが分かる。十二指腸の入り口まで持ってゆき、そこからバックしながら胃袋の内壁を検査してゆく。変なものはなさそうだ。

細いファイバーを差し込んで、胃の粘膜を二か所、数ミリ切り取る。この組織片からピロリ菌の有無を検査するのだ。胃カメラを呑むのはあまりいいものではないが、それほどわるいものでもない。なにしろ胃の中を直接見るのだから、これは頼りになる。ここの先生は都立の病院で内視鏡と消化器のがんを専門に診てきただけあって手際がいい。あとは再来週に大腸の内視鏡検査を予約してあるが、それで健康診断は終了だ。

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2009.07.29

抗生剤

風邪がいまいち治らないのと、先週の健康診断の結果を聞きに中野島の医院へ行った。健康診断はまったく悪いところがないということだった。あとは胃カメラと大腸の内視鏡、内臓エコーを受けるだけだ。風邪については聴診をしてくれて、気管に若干雑音があるとのこと。胸の奥深いところから咳が出るので、肺炎になるといけないということで抗生剤を処方された。最近の抗生剤は24時間もつそうだ。気管支拡張剤も皮膚に貼るパッチで、胃腸を傷めないように配慮されている。健康診断だけでは気づかないことがいくつかあった。

油断して
風邪をひいたが
ひいてみなければ
分からないことを
たくさん学んだ

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2009.07.27

異常気象

Kumo
帰り道、西の空がおかしい

北九州山口大雨
群馬館林竜巻
長引く梅雨空
わたし夏風邪
なにかおかしい

夏風邪の対処法は
胸と背中に糸状灸
蓮と生姜の絞り汁
オムロン吸入器
熱にみみずエキス剤

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2009.07.26

やっぱり風邪

Asagao_2
アサガオ

咳をすると
胸の真ん中が
焼けるように痛む
数十年ぶりに
夏風邪をひいた

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2009.07.22

メタボ検診

きょう、近くの個人病院にメタボ検診(特定健康診査)に行ってきた。ウェストは84cmで合格? ついでに、胃と大腸内視鏡、および内臓エコー検査の予約をしてきた。あまり好きじゃないが、病気は早期発見が鍵。背に腹はかえられない。

いま
食べ過ぎと
運動不足が
命の輝きを
曇らせている

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2009.06.27

左手のむくみ

4月に梨山で枝に頭をぶつけてから、左腕、とくに左手の指がむくむようになったといって治療に来ている60歳の男性がいる。首が胴体にめり込んだようだったという。初診が6月16日だから、事故から2ヶ月ちかく時間がたっている。病院には行かなかったらしい。検査をすると、首にはほとんど異常がみられない。しかし胸椎の3番と4番の左側に硬いシコリが触れる。頭を打ったときの衝撃がそこに集中したらしい。

胸椎と腰椎からは交感神経が出ている。上部胸椎からの交感神経は、頭や顔、上肢、上胸部などに分布している。交感神経が異常興奮すると、血管が収縮して血行がわるくなる。この患者さんも、左腕が冷えている。また静脈血やリンパ液のもどりが悪くなって、むくみを起こしている。

Mukumi

問題の胸椎のきわに鍼を刺し、低周波通電をして、筋肉や靭帯をゆるめる。とうぜん、脊柱起立筋の硬いところもほぐす。むくみのある左手にも鍼をして電気をかける。これで手のはばったい感じがらくになった、といって帰っていった。

3日後にまた来院し、同様の治療をおこなった。左腕がすこし温かくなってきている。こんどは鍼と半米粒大の直接灸をする。さらに胸椎3番と4番の後屈を、カウンターストレインの手技をつかって矯正した。治療姿勢が気持ちがいいのだろう、患者さんはスヤスヤと寝てしまった。カウンターストレインがうまく決まると、患者さんが眠ってしまうことがよくある。

それから6日後、おととい、3回目の治療に来た。左手のむくみはもう大体とれてしまった。手の甲のシワがよく見える。なによりも、本人がむくみの取れたことをはっきり自覚している。思った以上に治療が効いている。前回と同様の治療をおこなったが、あと2、3回の治療で完治するだろう。

上肢のしびれ、痛み、むくみなどは、首から来ることが多い。しかし、このように胸椎の異常から来ることも少なくない。重要な症例なので、ここに記録しておく。

腕の痛みが
首からくる
とはかぎらない
背中からくる
こともあるのだ

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2009.06.23

おすすめ体操

Taisou仕事の合間に「おすすめ体操」なるパンフレットを作った。日頃、患者さんにお話ししている体操をまとめたものだが、すべて家で一人ででき、効果も大きいので「おすすめ」というわけである。絵はわたしの手描きだが、ないよりいいだろうといった程度のものだ。こういうものは、やるかやらないか、続くか続かないかで差がでる。実際、立ち仕事をしている人が、これで腰痛がなくなり、この体操が欠かせなくなったと話している。

おすすめ体操

1.うつぶせ
  ①お尻転がし、布団の中でやるといい。(30回~100回)
   お尻の肉がオモリになってよく転がる。

2.あおむけ
  ①足指・足首の屈伸、足首の内旋・外旋(各10回)
  ②片ひざ立てツイスト(左右各10回×2セット)
  ③左右交互に下肢伸ばし(10回)
  ④片ひざ抱え、両ひざ抱え(各3回)

3.座る、または立つ
  ①腕を添えて、からだを左右にひねる。(各10回)
  ②肩まわし(前後各10回)
   シャツの両肩をつまんで、肘を大きく回す。
   腰に両手をあてて、肩甲骨を大きく回してもよい。
  ③からだの後ろで両手の指組み、腕を伸ばして、そる。
   このとき左右の肩甲骨を近づける。
  ④からだの横に手の甲を当て、背中を丸め、肘を前にしぼる。
   このとき左右の肩甲骨を引き離す。

 ※大きな動作を心がければ血行がよくなり、コリや緊張がとれる。

さっそく、夜みえた患者さんから配り始めた。
手元に書いたものがあると分かってもらえそうだ。

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2009.04.11

20年ぶりの正坐

ここ5年ほど、ほとんど毎週のように通ってくる女性がいる。現在、50代前半である。右の坐骨神経痛の治療が主だが、20年ほど前に左膝のじん帯を伸ばして正座ができない。左足首のねんざもある。長いあいだの痛みでからだも歪んでいた。

はり灸とカウンターストレインを使って根気よく治療をしてゆき、坐骨神経痛の痛みはだいぶ軽減し、膝もだんだん曲がるようになっていった。3年前には雪かきをして右ひじを痛めたり、その後も腰をひどく痛めてタクシーで出勤したときもあった。しかし、痛みや運動制限は徐々に軽くなっていった。

先週、左膝のぐあいを尋ねると、「おかげさまで正座ができるようになりました」という。「えっ、ぜんぜん座れなかったよねえ」と言うと、「そうです、二十何年ぶりかで座れるようになりました」と感慨深げに言う。疲労回復と右ふとももの後側の痛みを取ることに専念していたので、わたしは彼女の左膝のことはほとんど忘れかけていたのだ。二十年以上たって、曲がらなかった膝が曲がるようになり、ちゃんと正坐までできるようになった。これは患者の喜びであると同時に、わたしの大いなる喜びでもある。

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2009.01.06

武内クリニック

最近トイレが近くなり、残尿感を覚えることが多くなった。これは前立腺肥大の症状で、言ってみれば男性の宿命である。膀胱の弾力性がなくなって尿が溜められず、また、尿道の根元を囲む前立腺が肥大して、尿の出が悪くなるのである。

暮れにインターネットで泌尿器科を探し、新百合ヶ丘の「新ゆり武内クリニック」に行った。イトーヨーカドーの裏手、ビルの5階にある小奇麗な病院だった。尿を採り、超音波検査をする。やはり前立腺が少し肥大しており、尿が30ccほど残っているという。それから、尿に潜血があるのでガンの検査をすることになった。PSAというマーカー検査だ。そのための採血を行った。

とりあえず、尿の出をよくする薬を処方してもらった。おかげで、夜は1回以上トイレに起きることはなくなり、残尿感も半分ぐらいになった。しかし、まだすっきりしない。

一週間後の今日、検査結果を聞きに行った。エコー検査では残尿は10ccあまりで、だいぶ少なくなった。それでもイマイチだと先生に言うと、もう一段階つよめの薬を出しましょうとのこと。効果は新薬と同じだからと、ジェネリックの薬を処方してくれた。血液検査の結果、前立腺癌も膀胱癌もセーフだった。ひょっとしたら、なんて思っていたのでホッとした。相変わらず中性脂肪が高かったが、これは私の体質らしい。

きのう同業の友達から、年賀状のお礼の電話があった。そのとき、「自分で治療をすればいいじゃないか」と言われた。それで目がさめた。そうだ、鍼灸でも前立腺肥大の治療法がある。パニック障害だって重篤でなければ治療ができる。医者に行くのもいいが、自分のやってる鍼灸の治療法をもっと勉強して、自分にやってみよう。

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2008.12.27

冷えと疲労→保温と休養

腰痛や五十肩の人が何人か治療に来ている。直接的な原因はともかく、からだの痛みの間接的な原因は、「冷えと疲労」がベースになっていることが多い。

寒いとき、からだは血管からの放熱を避けようとして、筋肉が血管を奥のほうにしまう。すると筋肉は硬くなり、無理な力を入れると筋繊維が切れたりする。また、からだが冷えると血行が悪くなり、筋肉の動きが鈍くなり、ケガをしやすくなる。細菌に対する抵抗力も落ちる。だから、冷えは大敵なのである。風邪をひくというが、英語ではcold、「冷え」が入り込んだという。

疲労、筋肉の使いすぎである。筋肉を使いすぎれば、老廃物がたまり、やはり筋肉は硬くなる。そこに無理な力が加われば筋肉を傷つけてしまう。筋肉の疲労は、からだをあまり動かさない場合にも起こる。それは同じ姿勢を続けることだ。たとえば、椅子に座りっぱなしで長時間仕事をしたりすると、姿勢を保つ腰や背中の筋肉が収縮しっぱなしになる。見た目には大きな動きがなくても、筋肉は使いすぎの状態になっており、腰痛や肩こりを起こす。

筋肉は伸び縮みには強いが、縮みっぱなしには弱い。それが証拠に、いくら歩いても平気だが、一箇所に立ち続けるとなると数分と持たない。歩行は、足を伸ばすときは曲げる筋肉が休み、足を曲げるときは伸ばす筋肉が休めるからだ。ところが、立ちっぱなし、座りっぱなしの状態では、同じ筋肉が縮みっぱなしになり、すぐ疲労してしまうのである。心臓が生涯拍動を続けられるのは、ドッキンドッキンと血液を送りだすとき、「ドッ」のところで心筋が収縮し、「キン」のところで心筋が弛緩するからである。

冷えと疲労が多くの痛みの原因ならば、「保温と休養」が病気の予防、そしてまた治療になる。からだを温かくして、ゆっくり休養をとることが大事なのだ。その際、風呂に入るのもいいし、暖房を使うのもいいが、軽い運動や体操をしてからだを中から温めるのもいい。

とくに、硬くなった筋肉は息を吐きながらストレッチ体操をするとゆるんでくる。一日何度か、ゆっくり無理をせずストレッチをするといい。一回目より二回目、二回目より三回目と、だんだん筋肉がほぐれてゆく。そうすれば血行もよくなる。軽くラジオ体操のようなものをやってもいい。たた、その時あまり反動をつけないことが大切である。反動をつけると筋肉は危険を感じて硬くなり、かえって傷めてしまうことがある。

もう一つ、心の持ち方も大切である。前にも書いたが、「不満」は筋肉を緊張をさせ、血行を悪くする。「感謝」の思いは筋肉をゆるめ、血行をよくする。→不満と感謝

不満は
血管を収縮させ
感謝は
血管をひろげる
どちらがいいか決まってる

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2008.11.16

太らない糖尿病

NHKスペシャル「病の起源」では、糖尿病を取り上げていた。興味深い内容だったので、まとめてみよう。

肥満と糖尿病の関係は密接だと思われがちだが、日本人の場合は肥満でなくても糖尿病になる人が多いそうだ。日本人は欧米人にくらべてインスリンの分泌量が少ないため、肥満にならなくても血糖値が上がり、それが血行障害を起こし、壊疽、網膜症、腎臓病、心筋梗塞などを併発するというのである。

アフリカの大地溝帯に誕生した人類は、もともと狩猟民族であった。狩りをして獲物をとったり、木の実などを食べていたのである。その一部が北上してヨーロッパに向かった。ヨーロッパは寒いので、やがて牧畜をおこなうようになった。肉を食べ、乳製品を摂るようになったため、脂肪の摂取量は一日60gぐらいになった。ブドウ糖をエネルギーに変えたり、脂肪細胞に蓄積するため、それを促すインスリンの分泌量も増えた。

東進してアジアに向かったグループは、やがて農耕をおこうようになる。麦や米を栽培して、安定した食料を得るようになったのである。日本人はほとんど肉を食べなかったから、脂肪の摂取量が極端に少なく、平安時代では一日11g、江戸時代では一日19gほどだった。それが今日では一日54gと、三倍ちかく増えている。

ところが、インスリンの分泌量は急には増えない。そこで血糖値を抑えることができず、糖尿病を発症するようになってしまったのである。日本人の糖尿病患者のうち、肥満の人は23%にすぎないという。

糖尿病は、①栄養の摂りすぎ、②運動不足、この二つが最大の要因だから、食べ過ぎないこと、からだを動かすこと、を心がけなければならない。

最近、妊婦が太りすぎを気にしすぎて、低体重児を出産するケースが増えている。インスリンの分泌が少ない赤ちゃんだ。これに出産後、過度の栄養を与えると、糖尿病になる恐れがある。戦後のヨーロッパや、現代のインドなどでも、この現象がみられる。これでは将来、糖尿病の患者がますます増えることになろう。

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2008.11.05

大腸内視鏡検査

中野島の藤田クリニックで大腸の内視鏡検査を受けた。朝食を抜き、8時から10時まで2時間かけてニフレックという腸内洗浄剤を2リットル飲む。トイレに7、8回通って、お腹を空にする。昼ごろクリニックに行き、後ろ穴あきの使い捨てパンツを履く。腕に点滴を受けながら、左下横臥位になって、その時を待つ。

例の妙な感覚でカメラが肛門に挿入される。おととし初めて検査を受けたときに比べ、今回は何度かお腹が痛くなるところがあった。しかし、先生の腕はあざやかだ。軽々とカメラは回盲部(盲腸と小腸の境)に到り、そこからゆっくり戻りながら異常がないかチェックしてゆく。ときどき写真も撮る。お腹を掻き回された感じが残ったが、やがて検査は終了。トイレに行ってガスを出すと、スキッとした。先生の診断では、異常なしとのこと。安心した。しばらくお腹が痛かったが、これぐらいはがまんしよう。

内視鏡検査
まな板の鯉
お腹の中を
蹂躙されて
蘇生する

大腸の写真
きれいな襞
赤い毛細血管
少し痛かったが
感謝、感謝

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2008.10.25

腰の打撲

おとといから三日連続で治療に来ている70代の男性がいる。今年の5月にゴルフ場でカートに腰をぶつけれたそうだ。一ヶ月ほど整形外科に通ったが痛みがとれない。その後、整骨院に通ってマッサージを受けたが、あまり効果がなかった。半年近くたって、知人にうちを紹介されて来たのである。

初回は、左の臀部がいちばん痛むというので、患部に三寸の鍼を刺して、温灸をした。腰は前屈しているので、それをカウンターストレインで治療する。治療が終わると、嘘のように痛みが取れたといって喜んで帰った。

きのう来たときは、こんどは右の臀部が痛むという。からだが無意識に左側をかばうので、右側の臀筋も硬くなってしまったのだろう。そこで、コリコリするところを中心に、やはり三寸の鍼を刺し、温灸を加えた。鍼も灸も、拘縮した筋肉をゆるめ、血行をよくすることが狙いである。

きょうは、左右の臀部の痛みが取れたが、こんどはベルトの少し下が痛むという。仙骨から腰椎の4番、5番あたりの両脇だ。そのへんは脊柱起立筋という背中をそらせる筋肉が付着している。上体の重みを一気に受けるところで、いちばん腰痛を起こしやすいところだ。椎間板ヘルニアなども、ここが多い。そこで背骨の両脇に5㎝ぐらいの長さの鍼を打ち、低周波をかけて丁寧にゆるめた。

これで痛みはだいぶ軽減されるだろう。あるいは、いちばん打撲の傷が深かったところに痛みが限局されてくるだろう。そうしたら全身調整をして、患部を集中的に治療すればいい。半年近く経ってしまっているし、高齢者だから、少し時間はかかるだろうが、痛みは確実に軽くなっていくに違いない。治療するたびによくなっていくので張り合いがある。こういう痛みの治療は、鍼灸の独壇場にさえ感じる。

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2008.10.15

腹部エコーと胃カメラ

メタボ検診のついでに腹部エコー、胃カメラ、それに大腸カメラの検査を申し込んだ。きょうは、腹部のエコー検査を受け、胃カメラを呑んだ。連休後であることと明日が休診日なので待合室はいっぱいだった。午前10時ごろから、まず超音波診断を受けた。残尿と頻尿があるので前立腺を、あとS字結腸と膵臓をよくみてくださいとお願いした。むかしは冷たかったが今は温かいゼリーを塗ってくれるので気持ちがいい。女性の検査技師が15分ぐらいかけて丁寧に検査をしてくれた。暗いのであやうく眠ってしまいそうだった。

つぎに胃カメラの検査を受けた。おととし受けたときは何でもなかったが、今回は管が咽を通るとき少し苦しかった。しかし中に入ってしまえば無感覚である。わたしも一緒に画像が見られるので、一生懸命みていた。胃粘膜はきれいだし、襞も健康そうだ。白い液体が見えたが、あれは麻酔薬の氷が融けたものらしい。それにしても、先生の指さばきは鮮やかだ、なんて思いながら検査が終わった。

検査結果を聞くと、前立腺がやや肥大している他は異常なしだった。いちど泌尿器科で診断を受けるといいだろうとのこと。血液検査の数字も、尿酸と中性脂肪がやや高めだったが問題ないとのこと。ホッとした。来月は大腸内視鏡の検査を受けることになっている。検査技術は日進月歩で、ありがたい世の中だ。

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2008.10.06

SHINOの美腰体操

夕べは寝苦しかった。夜中に何度も目が覚めてしまった。思い当たることがある。NHKスペシャルを見たあと、12チャンネルの「ソロモン流」を見て、その体操をやりすぎたせいだ。夜の11時ごろにからだを動かしたので、からだが興奮して眠れなかったのだと思う。その体操というのが、SHINOさんの「美腰体操」というやつだった。

本屋に行くと、SHINOさんの骨盤体操、腰回しダイエットなどの本が平積みにされている。延べ150万部を売っているというからベストセラーである。なんでも産後太りを解消しようとしていろいろ勉強し、みずから腰回し体操を考えだしたそうだ。49歳というが驚くほど若くスマートに見える。顔もおっとりしており、話し方も優しく、いわゆる癒し系だ。だれかに似ているなと思っていたが、きょう、囲碁の小川誠子ともこさんに雰囲気が似ていることに気がついた。

美腰体操は、まず両手を上に伸ばして全身をストレッチさせてから始める。最初は、腰に手をあて、膝と股関節をすこしゆるめ、上体をあまり動かさないようにして前後に優しく骨盤をゆする。次に左右に優しく骨盤をゆする。そして、こんどは骨盤を好きな方向に回して行けばいい。おへそを中心にして重心を移動させてゆくのだが、顔や肩の位置を動かさないことがコツらしい。1回に10回ぐらい、好きな時間に好きな場所でやればいいという。この体操が、それこそ腰痛の予防と治療になることは疑う余地がない。


腰回しダイエット


美腰体操①


美腰体操②

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2008.10.05

二足歩行と腰痛

NHKスペシャル「病の起源」シリーズで、「腰痛ーそれは二足歩行の宿命か」という番組を見た。人類は600万年前に二足歩行を始め、体重がぜんぶ腰や下肢にかかるようになり、腰痛を患うようになった。また手が肩からぶらさがるようになったため、自由に動かせるが、肩こりも起こるようになった。これがほぼ定説である。しかし、番組はこのことに疑問を投げかけた。

人間が二足歩行をするようになってから、背骨をつくる椎骨のあいだのクッションである椎間板に大きな負担がかかるようになり、腰痛が起きるようになった。体重72kgの人の場合、椎間板にかかる負荷は66㎏ほどだそうだ。それが前傾姿勢をとると、いっぺんに235kgに増えるという。なんと3倍以上になる。それは前傾したからだを支えるために背筋群がつよく収縮し、その力で椎間板が圧迫されるからだ。

このような前傾姿勢を長く続けていると、椎骨が前方にすべったり、椎間板が後方にはみ出したりする。すると神経が締めつけられて腰背痛が起こる。番組ではメソポタミアの遺跡から出土した人骨に腰痛の形跡が見られることを示していた。一日2時間から4時間ぐらい粉を挽く作業をしていたためだろうという。農耕民族は腰を曲げて仕事をすることが多いので、腰痛が持病になってしまうのだ。

これに対して、アフリカの狩猟民族には腰痛がほとんどないという。一日20~30㎞ぐらい歩いて獲物を追いかけるが腰痛がない。腰痛があるのは、木から落ちたり、崖から落ちたりした者だけだった。研究者は、椎間板が適度に刺激されて水分を保ち、劣化しないからだろうと推測している。同じ姿勢を長時間つづける仕事がダメなのだ。

福島大学の先生によると、腰痛の原因が判明するものは全体の15パーセントほどで、あとの85パーセントは原因が特定できないという。最近では、心理的ストレスがからだを緊張させ、腰や背中への負荷を高めているという研究結果もある。心理的ストレスを加えた実験では、椎間板に70kgも余分な負荷がかかることが分かった。またスポーツをやっている子どもの腰痛を調べると、なんと30パーセントが脊椎分離症(疲労骨折)を起こしているというから驚きである。

最後に夏樹静子さんが出ていたが、ほとんど心理的ストレスだけで長いあいだ腰痛に悩まされていたことを話していた。ありとあらゆる治療をしたが腰痛が治らない。最後に心療内科を紹介されて、そこで断食療法などをやって治った。嘘みたいな話だが、小説家・夏樹静子が一人歩きをはじめてしまい、人間・夏樹静子のからだはそれを拒否していたのである。彼女には『椅子が怖い』という腰痛の体験記がある。

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2008.10.01

メタボ検診

数日前、川崎市から「特定健康診査・特定保健指導のごあんない」という手紙が来た。いわゆる、メタボ検診の通知だ。老人保健法が改正され、今年から40~70歳の人を対象にメタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)の検査をすることになったそうだ。身長、体重、腹囲、血圧、血液(コレステロール、中性脂肪、肝機能、血糖値)、尿などの検査をして、その検査結果に応じて保健指導をしてくれるという。費用は1200円。

期限は1月31日なので、きょうの定休日、さっそく中野島の「藤田クリニック」に行ってきた。身長は169㎝で5㎜ぐらい縮んだが、いろんな体操をやっているからこのぐらいですんでいるのだろう。体重は63㎏、腹囲は82㎝でメタボはセーフ。血圧は家で測るときより高めに出たが、いわゆる白衣高血圧だろう。ちょっと緊張していたようだ。ついでに胃と大腸の内視鏡検査も申し込んだ。二年ぶりだ。前回、初めて内視鏡の検査をしてもらったが、ここの先生はとても手際がよかった。

つぎに、となりの「くろかわ眼科」に行って目の検査をしてもらった。右目に軽い飛蚊症が出ているためだ。ふだんはほとんど気にならない程度だが、白い壁を見たときなど、小さな黒い点が入るのである。角膜や眼底の異常もなかったし、視力も1.2と1.5だから立派なものだ。ただ老眼が始まっているのは仕方ない。年をとると、それなりにいろんな症状が出てくるものだ。しかし、病院は待ち時間が多いのでくたびれる。

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2008.09.05

お尻転がし体操

このところ
坐骨神経痛の
患者さんが多い
原因の多くは
クーラーによる冷え

はり灸で
痛みをとり
血行をよくし
お尻転がし体操を
すすめている

お尻転がし体操は、朝起きるまえ、布団の中でうつぶせになり、お尻を左右にリズミカルに転がす体操である。うつぶせなので体重がかからないから軽くやればいい。30回から50回、100回ぐらいすぐできるようになる。これで、骨盤をとりまく関節、背骨などがゆるみ、血行がよくなる。坐骨神経痛や腰痛の治療、ギックリ腰の予防にいい。

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2008.08.21

瞑想で心が安定する

けさの読売新聞の健康欄に「瞑想で増す脳の厚み」という記事が載っていた。要訳すると、瞑想を続けていると心が安定するということだ。これは以前から言われていることだし、わたしも自分で体験しているのでよく分かる。ただ脳の画像診断で証明されたという点が面白い。以下に記事を転載しよう。

★          ★          ★          ★

座禅など瞑想(めいそう)の効用に関して、世界中で研究が行われている。瞑想に詳しい東大医学部准教授の熊野宏昭さん(48)(ストレス防御・心身医学)が特に注目するのは、2005年の米国の研究論文だ。

座禅と同種の瞑想を10~20年間続けている人と一般の健常者の脳の画像を、磁気共鳴画像(MRI)を使って比較した。画像処理をしたうえで大脳皮質の厚みを比べてみたところ、2か所で明らかに厚みが増していた。「脳が活性化した部分で、血流量やエネルギーの消費が多くなり、容量が増えたという証拠」と、熊野さんは解説する。

厚くなっていたのは、「(とう)」と呼ばれる部分。体の内部の変化を感じ取り、リラックスしている感覚や呼吸の状態などを受けて、快・不快などの「気分」をつくることにかかわる場所だ。

もう1か所は、「背内側前頭前野(はいないそくぜんとうぜんや)」。ここは、自分の思考や感覚を客観的に観察することに関係する。「自分が今、こう考えている」「こう感じている」と認識することで、初めて他人に共感することも可能になる。パニック障害などの患者はこの部分が逆に委縮しているという。このことから、何が言えるのか? 熊野さんはこんな可能性を考えている。

〈1〉前頭葉の老化に伴う脳の委縮を予防できる。 
〈2〉投薬が中心のパニック障害などの治療に利用できる。
〈3〉方法によっては、新たな能力が開発できる。

ただし、精神疾患を抱えている人は、試みる前に専門医に相談することが必要だ。たとえばうつ病の人は、座禅をしていて否定的な雑念につかまってしまう恐れもある。(2008年8月21日  読売新聞)

→こちらのメニューから「ヴィパッサナー瞑想法」へ

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2008.08.19

古傷が顔を出す

最近、坐骨神経痛の患者さんが多い。直接的には椎間板ヘルニアがあったり、腰椎の変位、古い事故などが原因になっていることが多い。間接的には、からだの疲労と冷えが原因となっていると考えられる。

夏の冷えといえば冷房である。今年のように暑いと、どうしても冷房を入れる機会が多くなる。汗をかいたあと急に冷やすと筋肉は硬くなる。夜通しクーラーをつけて寝たら冷えて血行が悪くなり、坐骨神経痛になったりする。また筋肉は暑さに弱く、疲労しやすい。

それから、古傷が顔を出すことも少なくない。打ち身や捻挫をしても、若いときはすぐ痛みが取れる。それは傷が早くなおる場合もあるが、周囲の軟部組織がその傷を補って働いてくれるからだ。ところが、年をとるにつれて、からだ全体の筋肉が弱ってくる。そのとき、まず古傷が顔を出すのである。

わたし自身、21歳のときに交通事故に遭って背中を強打した。1ヶ月ぐらいあちこち痛んだが、病院にも行かなかった。その後、長いあいだ痛みを忘れていた。それが45歳ぐらいになってからときどき疼くようになった。長時間、車の運転をしたりしていると背中が重苦しくなるのである。姿勢を注意したり、鍼や灸をしてもらって、だましだましやり過ごしているが、強い衝撃を受けたところはなかなか頑固である。

きょうみえた60代の男性も坐骨神経痛だった。先週の治療で足の痛みはほとんど取れたが、右足のスネと甲に違和感があるという。よく話を聞いてみると、若いときスキーで転んで右股関節を傷め、右足首を捻挫したことがあるという。何十年もたっているのに、古傷が顔を出したのだ。交通事故などは完治しにくいが、捻挫などは鍼灸とカウンターストレインでよく治る。次回はこの男性の捻挫を整復しよう。

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2008.08.18

ホースセラピー

日曜日の夕方やっているTBSの『夢の扉』も好きな番組のひとつだ。さまざまな分野の達人を探し出して紹介してくれる。きのうは「ホースセラピー」を行っている齋藤純子さん。ホースセラピーとは何かと思ったら、ホースは馬で、乗馬療法のことだった。

Uma2 馬に乗って歩くと、からだが上下に揺すられるだけでなく、前後左右にも揺れる。からだはバランスを保とうとして筋肉を微調整し、ひいては全身の神経が活性化される。それによって、マヒしていた筋肉が蘇ったり、それを補助する筋肉が強化されるのだそうだ。

番組では、10歳の脳性マヒの少女のホースセラピーを追っていた。この子は補助器具を使用しないと一人では歩けない。それが30分も馬に乗っていると、膝を伸ばして立てるようになった。そして、半年後には短い距離だが補助器具なしで歩くことが出来るようになったのである。

わたしも馬に乗ったことがあるが、馬の背中はやたらに上下するので乗り手はうまくバランスをとらなければならない。お尻は突き上げられて前後に揺れるし、内股で馬の胴を挟み付けなければならない。馬上はかなりの高さがあるので、落ちないように無意識にバランスをとるようになる。こういうことが脳を刺激し、マヒした部分も働き出すのだろう。そういう可能性はよく分かる。

うちでは、まず最初に患者さんの背中をていねいに揺すっている。これは他動的に患者さんのからだ緩め、神経の働きや血行をよくしようとするものである。一方、ホースセラピーの場合は、無意識ではあるが、かなり自動的にこれを行っていることになる。

ドイツではホースセラピーの国家資格があるそうだ。日本では乗馬マシンが市販されているが、そういう資格はない。マヒで苦しんでいる人のために、こうした施設を増やしてもらいたいものだ。

→サイトウ乗馬苑

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2008.08.03

あまのじゃく

けさ、藤の徒長した枝や蔓を切っていたら右手の甲にチクッと痛みが走った。これはアマノジャクに刺されたなと思って、すぐ手の甲の痛むところに口をつけて毒針を吸い、吐き捨てた。アマノジャクというのはイラガのことで、生田あたりではそう呼ぶ。左には軍手をしていたが、右手は素手だったのがいけなかった。よく見ると藤の葉がだいぶアマノジャクに喰われている。

チクチク、ヒリヒリ痛んだが、一センチ足らずの刺し傷ですんだ。家に戻って「ヘビイチゴの焼酎漬け」を塗り込むと、痛みもおさまった。お灸をしても効くが、この分ではお灸をするまでもない。子供のころ、柿の木に上っていて背中にアマノジャクが入ってしまったことがある。痛いのなんのって、毒針に刺されてチクチクひりひり大騒ぎをしたことを覚えている。背中はただれ、ひどい目にあった。あとで、ビニールの手袋をして、割り箸で一匹ずつ捕殺しよう。でなければ、藤の木が坊主になってしまう。

Iraga2
藤の葉を食い尽くさんとするイラガ

Iraga
拡大すると不気味だが、配色はなかなかのもの。右が頭。

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2008.07.29

チベット体操のすすめ

ブログを検索してみたら、ことしの3月21日に「チベット体操」について書いてある。みのもんたの番組で紹介されたのだ。妻は「オーラの泉」かなんかで美輪明宏がやっているのを聞いて、それ以前からやっている。わたしはこのとき内容を知り、翌日から「チベット体操」を始めた。以来、ほとんど毎朝欠かさずに続けている。もう4ヶ月以上になる。

わたしは今だに、最初の回転を5回やって、あとは3回ずつしかやっていないが、それでもかなり体調がよくなったように感じる。ホルモンの分泌が活発になり、自律神経のバランスもよくなったような気がする。たとえば、朝早く起きて草取りなどの庭仕事ができるし、鍬やシャベルのようなものも使えるようになった。以前は、庭仕事をすると、夜、胸が苦しくて眠れなくなったりしたものだ。食欲もあるし、お通じのぐあいもいい。自分でもかなり元気になった感じがする。なにごとも継続は力なりだ。そこで、以前に書いた「チベット体操」の記事をコピーして載せよう。

→チベット体操 (2008.3.21)

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2008.07.20

偏頭痛には灸

50代後半の女性が頭が痛いといって治療にみえている。右側の後頭部の表面がズキズキ痛む。病院では後頭神経痛と診断されたそうだ。交通事故などの後遺症でも、また脳の病気でもなさそうだ。帯状疱疹ならもう発疹が出ているはずだ。

初回は、つらそうなので、痛みのある部位に鍼を刺した。しばらく置鍼し、それから直接お灸をしていった。頭のお灸は圧痛点に印をつけて、髪の毛を掻き分けて、米粒の半分ぐらいの大きさの艾(もぐさ)を円錐形にして、底を少し湿らせて置く。そこに線香の火をつける。頭は表皮だけで真皮がない。だから、思ったほど熱くはない。むしろ、ツーンとして気持ちがいい。

翌日、2回目の治療を行った。前日の治療が効いて、頭痛は半減し、よく眠れたといって喜んでいた。きょうは首から背中の鍼を加えた。首と頭の境目が後頭神経の出てくるところだ。また背中は交感神経の異状興奮を鎮めるためである。さらに、頭痛のときに効く足のツボにも鍼をした。右後頭部には1回目と同様、鍼と灸をした。

一日あいだを置いて、きょうは3回目の治療だが、もうすっかり頭痛は消えたという。軽く首と背中に鍼をし、背中には温灸を加えた。ぐあいがよさそうなので、これで治療を終了し、ようすを見てもらうことにした。頭痛には灸がよく効く、じつによく効く。

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2008.07.12

エレパルス

Elepuls
低周波治療器、オムロン「エレパルス」

エレパルスの具合が悪くなったので、カニバサミのところを取り替えた。長いあいだ使っていると接触不良を起こすためだ。分配用のコードもあるので、カニバサミを7つ交換した。新しいのをつけて半田付けするだけだが、老眼が進んでいるので目がきつい。

パッドのほうも交換したが、予備がなったのでLAOXに電話をしたら、取り寄せになるという。そこで価格コムで安いところを探して注文した。変な話だが、交換用パッドは定価2100円(8個入り)で、これを三箱買うと新しいエレパルスが買えてしまう。オムロンは取り替え部品で儲けているんだな、なんて思う。

プリンタもけっこうインク代が高い。数回インク・カートリッジを買うとプリンタ本体が買えてしまう、なんて笑うに笑えない話がある。とくにhp(ヒューレット・パッカード)はひどい。以前、安いなと思ってhpのプリンタを買ったが、インクを2回買ったらプリンタ本体が買えるではないか。やられたと思った。

低周波治療器はパッドを皮膚にあて、カニバサミのほうを刺入した鍼の頭につけて治療する。とくに筋肉のがんこな凝りをほぐすのにいい。また、抹消神経マヒでだらんとした腕が数回で回復する、といったような経験もしている。低周波のデジタルな刺激で筋肉にポンプ作用を起こし、血液循環をよくすることができるのだ。

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2008.07.01

みんな生きていればいい

録画しておいた「課外授業・ようこそ先輩」を見た。タイトルは、「みんな生きていればいい」だ。先生は東大助教授の福島智さんである。福島さんは3才から9才にかけて視力を失い、さらに18才までに聴力を失った。全盲ろうという重複障害者である。

Fukushima 1983年、都立大に入学し、盲ろう者として日本で初めて大学進学を果たした。大学では教育学を専攻し、卒業後、都立大助手、金沢大学助教授を経て、2001年、東京大学助教授となった。現在、東京大学先端科学技術センターにおいて、バリアフリー研究に力を注いでおり、2008年5月、博士号を取得している。

目が見えないということだけでも大変なのに、そのうえ耳が聞こえないとなると、自分と自分以外のものの接点は、触覚、嗅覚、味覚しかない。お母さんが指点字という方法を開発し、点字を打つ指を福島さんの指に重ねて打つようにした。それに慣れると、かなりの速度で話を伝えることができるようになった。福島さんは他の人とコミュニケーションがとれないのが一番つらかったという。

Miyazaki01  Miyazaki02

小学生たちが耳にヘッドホンをつけ、さらにアイマスクをかけて、もう一人に先導されて飲み物を取りに行くシーンは感動的だった。目が見えないから思うように歩けない。耳が聞こえないから、言葉で注意しても伝わらない。先導する友達の手が離れたときの孤独感といったらない。

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全盲ろうの人は自殺を試みる人が少なくないそうだ。福島さんもどん底に陥ったが、「これは神が私にくれた苦悩なのだ。この苦悩を一生懸命乗り越えていこう」と決めたそうだ。そうしたら気がらくになったという。

最後に子供たちからの質問があった。「いちばん辛かったことは?」という質問には、「人間はひとりでは生きていけない。なのに、コミュニケーションが取れなかったことです」と答えた。「いちばん嬉しかったことは?」とい質問には、しばらく考えてから、「いま生きていることです」と言った。目頭にツンと来るものがあった。

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いちばん嬉しいことは何ですか
と小学生にたずねられ
いま生きていることです
と全盲ろうの東大助教授
生きていることは至福なのだ

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2008.06.30

一回きりの患者さん

はり治療にみえる人で、一度だけ来院して、つまり初回だけ治療して、その後の様子が分からない患者さんが少なくない。治療費が高かったためか、期待した治療法と違っていたためか、鍼が強すぎたのか、あるいは弱すぎたのか、一度の治療で楽になったのか、治ったのか、他の治療院に行ったのか、それとも時間がたって忘れてしまったのか、いろんなケースが考えられる。

今日きた人はミュージカル劇団に所属していて、一年半前に膝を痛めて治療に来たことがあるという。だから今日で二回目の治療だ。今回は左の股関節の上が痛いという。小殿筋という筋肉を傷めているようだ。背中と腰に鍼を打ち、温灸をし、カウンターストレインで骨盤と腰椎の矯正をして、すたすた歩けるようになった。前回の治療はどうでしたかと聞くと、嬉しいことに「あれ一回で、すごくよく効きました」という。カルテには、前回は右膝の前十字靭帯が強直していると書いてある。

このように期間があいてもまた来てくれる人はいいが、連絡のない人は、たった一回だが、その治療がどうだったか分からない。効いたのか、効かなかったのか、悪くなったのか、完治したのだろうか。ぜんぶの人にこちらから電話をかけるわけにもいかない。その後の消息が知りたいところだが。

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2008.06.20

柳川春巳さん

Yanagawa_2 きのうと今日のラジオ深夜便「こころの時代」は、「夢への挑戦~ある盲人ランナーの軌跡」という放送だった。話し手は佐賀県の鍼灸師で、全盲の柳川春巳さんである。柳川さんは1956年生まれで、小児緑内障のため7歳で視力を失ったそうだ。

運動が嫌いだったが、盲人でホノルルマラソンを走った人のことを知り、自分も挑戦してみることにした。学校のグランドに杭を打ち、そこから20mのロープを引き、自分の腰に巻いたチューブにつなげる。この杭は羊を遊ばせるためのもので、上端が自由に回るようになっている。そしてスタート地点にラジオを置き、何週したかの目安にする。直径40mだから、8周するとほぼ1㎞になるという寸法だ。

Yanagawa2

それから伴走者を見つけて、小さなレースに出る。やがて、ホノルルマラソンも出場する。このときはアメリカ人の選手が伴走してくれたそうだ。何時間で走りたいと言えば、そのペースを維持して伴走してくれるそうだ。言葉がわからないので、すべてOKで答えたら、何度もジュースを飲んだり、トイレに連れて行かれたという。

ホノルルマラソンを完走してから、バルセロナ・パラリンピックの予選があることを知り、それに出場したらトップの成績で文句なしに代表に決まった。そして、バルセロナでは6位に入賞した。余談だが、歌手の高石友也も誰かの伴走をしていたそうだ。高石友也といえば、マラソン完走100回以上の鉄人だ。

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柳川さんは、96年アトランタでは、2時間50分56秒で日本最高記録を出し、念願の金メダルを獲得した。 それからトライアスロンにも挑戦した。晴眼者がガイドするにしても、海を泳いで、自転車を漕いで、それからマラソンだ。どうやってやったのか想像を越える。しかも、ちゃんと完走したという。そして今は、なんと「十種競技」へ挑戦しているという。100m、1500m、幅跳び、円盤投げ、槍投げ、乗馬などだ。晴眼者でもやる人は少ない。

柳川さんは、円盤投げや槍投げといった競技を見たことがない。それを、福岡大学の十種競技の先生から、体の動きを伝えてもらって、見たことのない物体を投げる。「今の動きだと右に行きましたよ」「今のはまっすぐです」。そして3年経ったいま、からだが気持ちいいと感じたときが、うまく投げられているときなのだ、ということが分かってきた、という。

やりたいことがあるのなら、それをまず表明してみたら、と柳川さんは言う。そうすれば、まわりに自然とそれを手伝ってくれる人たちが集まってくる。本人の努力が大きいだろうが、それが人の輪をつくり、みんなで一緒に取り組む楽しさで、さらにがんばることができる。互いに助け合い、与え合い、大きなエネルギーが生まれるのだ。

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2008.06.12

分子標的治療薬 

きのうの「ためしてガッテン」は、「がん徹底予防スペシャル」というタイトルで、がんの新しい治療薬を取り上げていた。その名を分子標的治療薬という。分子レベルでがんの働きを止めてしまおうというものだ。

いままでの抗がん剤は、がん細胞を殺すことに重点がおかれていた。しかし、それは正常な細胞にも作用し、白血球が減少するなどといった強い副作用をともなう。

分子生物学の進歩により、がん細胞がもつ固有のタンパク質だけに作用する薬が開発された。これが分子標的治療薬である。がんの悪性化にかかわる血管増殖因子や転移関連因子など、ミクロの分子にターゲットを絞り、その働きを止めて、がんの進行をストップさせようというものである。がん細胞を殺すのではなく、それいじょう悪化させないという考え方である。

番組では、この分子標的治療薬を使っている人が紹介されていた。がんは消えないが、なんの症状もなく暮らしていけることをとても喜んでいたの印象的だった。

→ためしてガッテン「分子標的治療薬」

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2008.05.24

ササヘルス

Sasahealth

毎朝、豆乳のヨーグルトにササヘルスを加えて食べている。新谷弘実医師の講義を聞いてから、うちではあまり牛乳を飲まなくなった。豆乳にヨーグルト菌を入れて、もっぱら自家製豆乳ヨーグルトをつくっている。味は牛乳のものとほとんど変わらない。ササヘルスの効能については、大和生物研究所のHPにこんなふうに書いてある。

ササヘルスは、高原地帯に自生し、清浄な水と大地に育まれたクマ笹の有効成分を抽出した医薬品です。効能・効果としては、疲労回復、食欲不振、口臭・体臭除去、口内炎です。

体臭が減るのも事実だが、ササヘルスを飲むと、わたしははっきり食欲が増すのが分かる。整腸作用が強いようで、お腹がすき、通じもよくなる。効能書きには書けないようだが、抗がん作用などもあるようだ。がんの予防としては、キノコ類を積極的に食べている。

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2008.04.23

膝のお皿が痛い

きのうの朝、1時間ほど草取りをした。そのときは何でもなかったが、昼近くなって左ひざが痛みだした。下肢をまっすぐにしていれば体重をかけても痛くないが、膝を曲げようとするとズキンと痛む。ちょうど、膝のお皿のあたりだ。歩くときは膝を曲げるが、そのときズキッとくる。自然、びっこを引いてしまう。とくに階段を降りるとき痛む。左膝に体重を乗せたまま、30度以上曲げなければならないからだ。仕方なく、一段ずつ両足をそろえるようにして降りるしかない。

まっすぐの時は痛くないが、曲げると痛い。これは通常、膝関節が伸展しきっているため、つまり膝がまっすぐになりすぎているためだ。なにかのはずみで、伸展筋が異状収縮を起しているのだろう。これを直すには、足首の下に枕を置き、だれかに膝の上下をゆっくり押し込んでもらえばいい。そうすることによって、伸展筋がたるみ、脳が異状緊張をはずしていいことを学習すれば、膝は曲がるようになるはずである。京子にその治療をやってもらったが、いまいち痛みが軽減しない。

そこで、膝を屈伸させる筋肉や十字靭帯などを検査したが、圧痛点が見つからない。それと、ゆっくり曲げていくと、曲げ始めて30度ぐらいで激痛がくるが、さらにゆっくり曲げていくと痛みが消えてしまうのだ。正座するほどいっぱいに曲げても、それほど痛まない。これはどういうことだろう。いろいろ考えながら、もう一度ていねいに圧痛を調べてみた。そうしたら、膝のお皿の上縁のわずか内側に強い圧痛点が見つかった。軽く触れるだけでも飛び上がるように痛む。

Hizaこれは膝のお皿(膝蓋骨:knee cap)が位置異常を起している証拠である。膝のお皿は膝関節を保護するために、大腿四頭筋の腱の中をかなり自由に動くような状態でおさまっている。それでも正常な位置に戻るように靭帯である程度、固定されている。それが、なにかのショックでずれてしまったのだろう。

膝のお皿の位置異常をなおすには、圧痛点の正反対の側からお皿を圧痛点に向かって軽く押してやればいい。お皿の上縁のやや内側を時計の11時の位置とすれば、5時の方向から11時の方向にむかって、お皿を軽くおせばいいのだ。お皿は軽く押してやれば動くので、本当に200グラムぐらいの力で押せばいい。強く押しすぎると、お皿を固定している靭帯を逆に緊張させてしまう。3分ぐらいそのままにして、ゆっくりゆっくり戻していく。これが驚くほどよく効いた。左膝をまっすぐにして引きずるように歩いていたが、かなり痛みが取れて、少しぐらいなら曲げられるようになった。

けさは痛みが半減していた。また何度か、左膝のお皿を11時のほうに押す、という治療をていねいにやった。きょうは定休日なのに、これでは何もできないなと思っていたが、だんだん楽になってきたので、車で神代水生植物園に出かけた。左膝を上げるとまだ痛むのでパーキングブレーキは踏み込めないが、右足はなんでもない。

「多聞」で深大寺蕎麦を食べて、アオゲラ(きつつきの一種)を見に行った。ほとんどベンチに座ったままで、アオゲラが穴を開けたところで3時間ほど粘っ。しかし、とうとうアオゲラは現れなかった。ホーイホーイという鳴き声は聞こえるが、穴掘りには来なかったのだ。それから、野川にモズの子供がいるというので行ってみた。その報告は明日にしよう。

※膝の痛みは、半月板、側副靭帯、十字靭帯などが原因のことが多く、
 お皿の位置異常はあまり多くはないが、自分で体験したことなので、
 少し専門的になるがここに載せておく。

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2008.04.05

多摩病院

ゆうべ夜10時過ぎに電話があり、親戚の叔母が腹痛で苦しいから車で病院へ連れて行ってくれという。多摩病院にかかっているので電話をしたら受け容れてくれると言われたそうだ。息子達がいるが、みんな遠く、すでに酒を飲んでしまっているらしい。そこで正義の味方、陽ちゃんは颯爽と出かけた。さいわい、多摩病院の救急外来はあまり混んでなくて、すぐに診察を受けることができた。しかし、それからが長い。CT検査、血液検査などに手間取り、意外に時間がかかった。

叔母の腹痛は一進一退で、途中でお腹の内容物を吐いたりして本当に苦しそうだった。お腹がパンパンに張っているから腸閉塞ではないかと思ったが、毎年この時期に起こる発作だという。下行結腸に憩室があってそれがときどき炎症を起こすらしい。憩室というのは腸壁にできる小さな袋のようなものである。けっきょく、腸の緊張を緩める薬を点滴して、あるていど痛みはおさまった。

遠くから息子さんもかけつけてくれて、夜中の1時半ごろには治療が終わった。他の患者は、小さい子供さんが3人、おじいさんが1人、若い人が4人ぐらいだったろうか。交通事故の人が担架で運ばれていくのも見えた。患者もつらいが、お医者さんもたいへんだ。体力勝負だな、と思った。ひょんなことで多摩病院に初めて行ったが、ICUにも入れて、いろいろ勉強になった。

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2008.03.31

魚の目

行く春や鳥啼き魚の目は泪」、というのは、芭蕉の『奥の細道』の最初の句だ。行く春を惜しんで、鳥が悲しそうに啼き、魚の目にも泪が見えるようだ。そんな意味で、芭蕉は未踏の地への旅立ちの気持ちを重ねたのだろう。これは陰暦3月27日、陽暦5月16日だそうだから、もう初夏のことだ。おだやかな春の陽気が暑い夏に移ってゆく、それがもの悲しかったのだろうか。

話はまったく変わるが、去年の10月下旬に、魚の目が痛くてうちの治療室に来た人がいる。70歳の女性で、左足の親指の付け根の裏に分厚い魚の目ができていた。整形外科に行ったら「切る」といわれたが、なんとかならないかというのである。大きさは十円玉を楕円にしたような形で、カチンカチンに硬く、押すと痛がる。

魚の目は何度か治療したことがあるが、いちばんいいのは直接灸をすえることだ。時間はかかるが、艾で根気よく魚の目を焼き、その部分を炭化させてしまえば、だいたいポロリと取れてしまう。魚の目は仮死状態だから、お灸をすえても熱くない。小指の頭ぐらいの艾を富士山のように立てて、すこし熱さを感じ始めるぐらいまで焼く。一回の治療で、10壮から20壮ぐらいのお灸をすえる。

Uonome1    Uonome2    Uonome3
大きな魚の目          大きなお灸をすえる      炭化する

週2回のペースで1ヶ月ほど治療すると、魚の目の痛みが取れ、まわりが柔らかくなってきた。少し炭化した部分を削りとり、さらに1ヶ月ほどすえた。お灸の他には骨盤矯正や左下肢の坐骨神経の治療もしている。その後しばらく、来院しなくなった。

その患者さんが、5日前に首が痛いといってやってきた。最後に魚の目の治療をしてから3ヶ月がたっている。こちらから切り出す前に、向こうから「おかげさまで、魚の目はきれいに取れました」という。なんでも、少しずつ炭化した部分を剥ぎ取っていたら、1月の終わりにはきれいになったそうだ。わたしが触ってみると、ほんのすこし点状に硬いものがあるが、まあ完治したといってもいい。患者さんの喜びは、わたしの喜びでもある。

Uonome4
炭化した部分を少しずつ剥がしてゆくと、きれいな皮膚になる。

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2008.03.21

チベット体操

おととい、みのもんたの「思いっきりイイテレビ」でチベット体操をやっていた。「一日5分、魔法の体操で10歳若々しくなれる!」というキャッチフレーズがついていた。妻は以前から毎朝この体操をやっているが、すこし間違えて覚えていたところがあるらしい。なんでも、この体操は美輪明宏が紹介してから広まったらしい。わたしもやってみたが、第2のポーズでがんばりすぎたせいか腰にきた。ぜひ覚えておきたい体操なので、ここにメモしておこう。

第1のポーズ回転〔ストレス解消〕

01(1)直立し両手を広げる。
(2)ゆっくり右にまわる。
(3)目が回らない程度に
 奇数回おこなう。

・時計、貴金属ははずす。
・まわりにぶつからないように。
・片足を中心にして回らない。
・右回りはチャクラを強める。

第2のポーズ腹筋〔下腹を引き締める〕

02

(1)仰向けになる。
(2)息を吸いながら、ゆっくり
 頭と脚をあげる。
(3)脚は垂直に。
(4)息を吐きながら、
 頭と脚をおろす。

・無理をせず、ゆっくりやる。
・性的魅力が増す。

第3のポーズ立ち膝うしろ反り〔バスト&ヒップ・アップ〕

03

(1)ひざをついて背中をのばす。
(2)頭を前に倒しながら、息を吐く。
(3)息を吸いながら後ろに反る。
(4)息を吐きながら、元に戻す。

・無理せず、ゆっくり呼吸する。
・自信とエネルギーを取り戻し、
 バストやヒップをアップさせる。

第4のポーズ上向き四つんばい〔二の腕、太ももを引き締める〕

04

(1)脚を伸ばして座る。
(2)手を腰の横につき息を吐く。
(3)テーブルの形をつくる。

・無理せず、できる範囲で。
・二の腕、太ももが引き締まる。
・このポーズがきつい人は、
 両肩を床につけて、膝を立て、
 腰を持ち上げてもいい。

第5のポーズ腕立て伏せ、腰上げ〔背中、腰のシェイプアップ〕

06

(1)腕立て伏せの姿勢をとる。
(2)息を吐きながら腕を伸ばす。
(3)息を吸いながら腰を上げる。

・無理をせず呼吸を意識する。
・理性、判断力が高まる。
・ 背中、腰がきりっと締まる。
・きつければ腕立て伏せの
 姿勢で強く舌を出してもいい。

回転、腹筋、立ち膝うしろ反り、などは私がつけた名前。

つぎにYOUTUBEで見つけたチベット体操の動画を載せる。
実際はこんなに速くやらずにゆっくりやればいい。

ポーズ1、2、3

ポーズ4、5

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2008.03.09

Qちゃん

名古屋国際女子マラソン
北京オリンピックの最終選考を兼ねた名古屋国際女子マラソンが行われた。中継の終盤をテレビで見たが、本命の高橋尚子(35)の姿が見えない。どうしたのだろう。そう思っているうちに、初マラソンの中村友梨香(21)が優勝をさらった。2位も初マラソンの選手だった。優勝者のインタビューのあいだも、Qちゃんの姿は見られなかった。

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Qちゃん遅れる

夕方のスポーツニュースで、高橋尚子のインタビューが放送された。完走はしたけれど、1位から18分ぐらい遅れたらしい。インタビューのなかで、Qちゃんは意外なことを口にした。去年の8月に右ひざ半月板の手術をしていたというのだ。手術のあと松葉杖を使って歩き、リハビリを重ねて、ことしの1月ぐらいから50キロぐらい走れるようになったという。それから二ヶ月あまりで名古屋国際女子マラソンを迎えたのである。

マラソンは2時間半ほどで42.195kmを走る過酷なスポーツだ。自転車のようなスピードで2時間半も走り続ける。長期間の練習のことなどを考えると、命がけのスポーツであるといっても過言ではない。半月板の手術などしたら筋肉を傷つけるから、ベストの状態で走れるまでには相当時間がかかるはずだ。それを「みんなに夢を与えられたら」と走ったQちゃんはすごい。しかも、ちゃんと完走したのだから驚く。インタビューに答えるQちゃんの顔は明るかった。まだ引退はしないという。

立川市民マラソン
けさ、うちに急患が来た。立川市民ハーフマラソン(21km)に参加してスタートしようとしたが、ウォーミングアップ中に臀部の違和感を感じた。それがかなりの痛みになったのでレースを棄権して、うちに鍼治療に来たのだ。この人は月一回のペースで鍼治療にみえている。

話を聞くと、きのうの練習で少しスピードを出して走ったあと、軽く右の臀部に違和感を感じた。しかし、それほど痛くなかったので、けさ立川に行った。ところが、軽くアップしているうちに痛みがひどくなった。来週も駅伝があるので、大事をとって棄権したというのだ。その判断は正しかったと思う。マラソンにしろ、ハーフマラソンにしろ、わずかなからだの不具合が大きく結果を左右するからだ。

検査をすると、右臀部にはっきりとシコリが認められた。右の小殿筋と中殿筋を傷めている。はりで痛みを軽減し、カウンターストレインで硬い殿筋をゆるめた。だいぶ楽になったが、ニ三日は走ってはいけない、来週の駅伝(10km)も止めたほうがいい、と話した。疲労と冷えが筋肉を傷めたのだろう。

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2008.02.27

歯みがき

ゆうべは夜中に雨が降って、いいお湿りになった。しかし、けさはまだ風が強かった。歯医者に行く前に治療室に寄ったが、入口の重いマットがまくれていた。それから、どこかの外置きの看板が倒れて、歩道と車道のあいだの鉄杭に突き刺さっていた。証拠写真を載せておこう。ただ、これは本当に風のせいか、あるいは人為的なせいか、定かではない。

P1030698

先週、型をとった歯がうまく入った。これで安心と思ったら、左上の奥歯が揺れているという。歯槽膿漏ぎみだから、来週歯肉を切って歯茎をきれいにしようということになった。麻酔の注射をするらしい。

布施先生は「あとは歯磨きがすべてだね」と言われる。正しい歯磨きをすれば、歯磨きをした時間と歯の寿命とは比例するそうだ。85歳でもきれいな歯をしているおばあちゃんがいて、その方は毎食後すぐ歯を磨くという。それも念入りに、ていねいに、一本ずつ磨くそうだ。歯医者に行くたび、歯を磨かねばと思うが、おろそかになってしまう。また、反省!

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2008.02.08

雪道の歩き方

日曜日、木曜日と雪が降った。天気予報では明日も降るようなことを言っている。患者さんには年配の方も多いので、足元が悪くなるのが気になる。けさ、札幌雪まつりのニュースが流れていたが、雪に慣れていない観光客に転倒する人が多いらしい。それで「雪道の歩き方教室」というのを開いているそうだ。それによるとすべりにくい靴を履くことは当然であるが、だいたい次の三つのことを守ればいいという。

1.足の裏全体を地面につけて、一歩ずつ踏みしめて歩く。
2.歩幅を小さくして歩く。歩幅を大きくするとバランスを失う。
3.滑りやすいところを避ける。横断歩道の白線、溶けてまた凍った所など。

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2008.02.06

快眠枕

PhotoきょうのNHKの「ためしてガッテン」は、ぐっすり眠れる枕についてで、とても有益だった。枕が合わないと頭痛や肩こりになったりするがあるから重要な問題である。民放にも出ていた枕の権威である整形外科医・山田朱織先生が出演して解説をしていた。なにしろ、5000ケース以上の首と枕の関係を調べている枕の専門医である。

まず、やや固めのウレタンのようなもので、それぞれの人に合った枕の高さを決める。それは仰向けに寝たとき、首のつけ根から耳の付け根までを結んだ線が、水平線から15度ぐらいになっていることが大切だという。この高さなら椎間板や首のまわりの筋肉がいちばんリラックスできる。あまり体系には関係ないらしい。この角度が意外に微妙で1㎝高くても、1㎝低くても違和感が生じるという。

20080206e  20080206d

ただ人は同じ姿勢で寝ていると血行が悪くなるので、自然に何度も寝返りを打つ。問題は、顔が横向きになったときである。横向きになったときの顔がほぼ水平線と平行になればいいという。つまり顎の先から頭のてっぺんまでを結ぶ線が、水平になればいい。

20080206a  20080206b

家庭でもこの枕をつくることができる。まず硬めの古座布(3、4㎝ぐらいの厚さ)を一番下に敷き、その上に幅50cm以上のバスタオルかタオルケットをきちんと畳んでのせていく。そして首が15度の高さになるようにセットすればいい。それをチェックするには、腕を胸の前でばってんに組み、ひざを立て、そのとき首の角度と、横を向いたときに顔が水平になるかどうかをみればいい。

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2008.01.22

レッグウォーマ

Legwarmer
legwarmer

いきなり足の写真などを出して恐縮だが、 これはわたしの左足である。底冷えする日が続くので、数日前にレッグウォーマを買ってきて履いている。タイツの上にかぶせているが、とにかく暖かい。柄が派手だが、ズボンの裾を下げれば見えなくなるから問題ではない。

エアコンの暖房で部屋は暖かくなるが、天井が高いのでどうしても熱が上にたまり、足もとが冷える。人工の暖房は熱が上下に分離してしまうのだ。サーキュレーターもあるが音がちょっとうるさいし、足もとが狭くなるので使っていない。最初は京子がレッグウォーマを使い始めた。そうしたら調子がいいので、わたしも使うことにしたのである。

病の大半は
冷えと疲労
が背景にある
大切なのは
保温と休養

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2008.01.12

俳優くずれ

胸のあたりが気持ち悪いという75歳の男性が治療に来ている。病院でいろんな検査をしたが原因が分からないらしい。軽いウツというか、認知症のけがあって、目に勢いがない。付き添いの弟さんに聞くと、内科や精神科の薬を8種類ぐらい呑んでいるという。薬の副作用が関係しているようにみえる。

最初に来たときは、表情がなく、かなり認知症(老人性痴呆症)が進んでいるように見えた。一人暮らしなので話し相手がいない、ほとんど家を出ない。だから手足の力が弱っている。デイサービスなどには行きたがらないそうだ。上部胸椎のきわに鍼を打ち、背中に温灸をした。右下肢の坐骨神経痛があるので、その治療もする。それから仰向けにして、胸部に鍼を打ち、直接灸をした。手首付近の内関というツボや、足の三里にも鍼をした。弟さんには10回ぐらいを目安に通ってくださいと話しておいた。

きょう3度目の治療だったが、相変わらず気持ちが悪いという。だが表情はまたよくなったように感じた。同様の治療をし、胸部の肋骨に沿って浅い鍼を打った。驚いたのは、前より会話をするようになったことだ。それが面白い。

わたしは俳優くずれなんですよ。日本映画学校というのに通って、それから日活の映画に出ました。裕ちゃんが全盛の頃ね。いろんな映画に出たよ、その他大勢でね」
「じゃあ『嵐を呼ぶ男』なんかにも出ましたか」
「ああ、出たよ。大抵の役者は知ってるよ」
「赤城圭一郎も知ってますか」
「知ってるよ。浅丘ルリコや白木マリなんかもね。北原三枝はいわゆる美人じゃないが、綺麗だったね。調布の日活撮影所にはよく通ったもんだ」

治療を終わろうとすると「きょうは胸のお灸はしないのですか」という。どうやら胸のお灸が気持ちいいらしい。初回の様子からはずいぶんよくなっているように見える。目に力が入ってきた。見通しは良好だ。

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2007.12.24

肘の痛み

中華料理をやっている男性が、右肘が痛いといって治療に来ている。肘の外側と内側のとがった骨のところが両方とも痛むという。肘の関節をまたぐ筋肉に鍼をしたり、首の緊張をとったりしたが、やったときはいいがすぐ痛みが戻ってしまうという。もちろん、テニス肘などに効くカウンターストレイン治療もしている。

きょう、前回の治療がよく効いたと言った。どんな治療をしたのか思い出すと、ベッドに仰向けになってもらい、右肘を直角に曲げて、手首を外側にねじるようにして、3分ほど固定し、ゆっくりゆっくり戻していったのだ。なぜ肘を直角に曲げたかといえば、料理で右手を使う作業は肘を曲げていることが多いからだ。それから、なぜ外側にねじったかといえば、そちらのほうが肘が楽だというからだ。

いままでは肘を伸ばしたままねじる治療をしていたが、肘を曲げたほうがいい場合もあることが分かった。これは肘関節を回外する筋群の異常緊張だと思われる。回内の場合は円回内筋とか方形回内筋というのがある。しかし回外筋というのはなく、回外筋群がこのはたらきをしているのだろう。少々専門的になるが、自分の治療メモとしてここに載せておく。

きょうは、きのうが天皇誕生日が日曜日だったので代休になるが、先週土日と休んだので、きのう今日と営業をした。それでも患者が多くて疲れた。クリスマスのイルミネーションが輝く道を通って帰宅。食後、ちいさなクリスマスケーキを食べた。ワインを一口やったら眠くなって、コタツでうたた寝をしてしまった。

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2007.12.23

メタボ

きょうは、朝は寒かったが、お日様が出てからは暖かくなった。日曜日なので治療室は午前中だけだったが、腕のしびれ、三角筋のマヒ、抗がん剤の後遺症、股関節の痛み、など重篤な患者が多くてけっこう疲れた。

Wak昼ごろ、ダイエーの近くの「ガンバ」というスーパーへ行って、ロート製薬の『防風通聖散』を買ってきた。患者さんに聞いた話だが、これを飲んだら腹まわりの脂肪が取れたという。そう、わたしも体重が65kgぐらいになって、ウエストも82cmを越えそうで、メタボリックシンドロームの仲間入りをしそうなのだ。運動不足は分かっているが、いまのところあまりキツイ運動はできないし、寒いので自然に皮下脂肪が溜まってしまう。

ロート製薬の和漢箋というシリーズ、評判がいいらしく在庫切れのときが多い。ま、どんなものかしばらく飲んでみようと思う。

うちに帰ってからはブドウの剪定をした。カラス避けのネットを掛けたので、それを取ったり、朝顔のネットをはずしたり、2時間ほど仕事をした。暖かくて、らくな日だった。夕方、東のほうから月が昇ってきた。ほぼ満月だ。

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湯たんぽ

きのうは柚子湯に入ったせいか、ぐっすり眠れた。庭から柚子を二つ採ってきて、それぞれ半分に切り、流しの排水ネットようの不織紙に入れてホチキスで止め、それを湯船に入れた。柚子のスーッとする香りが好きだ。交感神経を興奮させないように、41度ぐらいの風呂に入り、下半身をよく温めめるようにしている。上体は少し寒いので肩にタオルを掛け、ときどき手桶で湯をかける。そうして15分ぐらいすると下半身がよく温まる。いわゆる、半身浴である。

Yutanpo2ところで、このところ寒いので、うちでは湯たんぽを使っている。10年ぐらい前に買ったピジョンの赤ちゃん用の湯たんぽだが、これでじゅうぶん役に立つ。昔のようなブリキの湯たんぽでは火傷する恐れがあるが、これはプラスチック製だし、上に安全カバーがついているのがいい。布団の中で湯たんぽをあちこちに移動して、全身を温める。ときにはお腹に乗せたりもしている。

映画『三丁目の夕日』ではないが、朝はこのお湯を洗面器にあけて顔を洗う。少々ぬるくなってはいるが、髭剃りに利用できる。湯たんぽの水は回帰水なので、肌がつるつるするのが分かる。なんとも軟らかい幸せなお湯である。

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2007.12.16

サラ・バーカー先生

きょうも京子と、「アレクサンダー・テクニーク」のセミナーに出るため新宿に行った。きのうより寒い。わたしはトレーナーの下に「あったかベスト」を着ていったが、一日中それを着ていても暑くはならなかった。

サラ・バーカー先生が、きのうのセミナーで生徒が履いていた五本指の靴下にえらく興味を示していたのを思い出し、西口地下街の小物売り場で三足セットを買ってプレゼントした。デパートはまだ開いていなかったのでデザインの種類は少なかったが、案の定、先生は大喜びだった。

わたしは、30年ぐらい前に手に入れた『姿勢術』というアレクサンダー・テクニークの本を持って行った。著者はサラ・バーカー先生。わたしはその本を気に入り、正しい姿勢の要点をまとめてポスターを作り、それを自分の治療室に貼ってある。その写真を見せると先生はとても感激し、著書にサインをしてくれた。

Alex1

Alex2
「この本が役に立ってよかったわ」 サラ・バーカー 12月16日、2007年。

この本は改訂版が出ている。改めて翻訳しなおして『アレクサンダー・テクニーク入門!』というタイトルになっている。副題に「能力を出しきるからだの使い方」とある。さらに帯には「世界でいちばんやさしいアレクサンダー・テクニークの本。ムリのないムダのない歩き方・立ち方・座り方・横になり方・食事の仕方・歯をみがく・階段ののぼりおり・扉をあける、などなど」とある。そちらのほうにもサインしてもらった。

Alex3

Alex4
「いっしょに勉強できて、楽しかったわ」 同。

本でもある程度理解できるが、ワークショップで実技中心に教えてもらうと、その違いは雲泥の差である。セミナーに出てよかったと、つくづく思う。

→AKA:アレクサンダー・テクニーク・アソシエイツ

→陽気堂はり治療室のHP:よい姿勢=上に伸びる

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2007.12.15

アレクサンダー・テクニーク

きょうは仕事を休んで、京子と「アレクサンダー・テクニーク」のセミナーに行った。むかし『姿勢術』という本を読んで感銘を受けたが、それがアレクサンダー・テクニークを説いた本だった。その著者サラ・バーカー女史が来日して自らワークショップを開くというのをインターネットで知り、先日申し込んでおいたのだ。

ワークショップの会場は、新宿の超高層ビル街の端の古い小学校の体育館だった。アレクサンダー・テクニークは、からだの自由な動きを取り戻そうというテクニックで、その名の通り、オーストラリアのアレクサンダー博士が開発した運動療法のようなものである。日本では、アレクサンダー・アソシエイツという団体があって、その普及につとめている。

頭を背骨の延長線上に軽く浮かすように意識すると、背骨がそれにつられて伸びて行き、その結果、からだ全体の動きがなめらかになる。

これがアレクサンダー・テクニークの基本的な考えだが、実際にやってみると、けっこう余分な力が入ってしまう。ワークショップでは、どうやって首の力を緩めるか、どうやって頭を脊柱の天辺から浮かすか、どうやって基本的な運動に応用するのかなどを実技を通して教えてくれた。

なかなか難しいが、感覚的に把握しなければならないので、本を読んだだけでは理解できないことが多い。このワークショップでいろんなことを学んだ。明日もう一度、セミナーがある。久しぶりだが、いつも新しいことを学ぶのは楽しい。通訳の女性が「癒やし系」の方なので、いい雰囲気だった。

→ATA:アレクサンダー・テクニーク・アソシエイツ

→陽気堂はり治療室のHP:よい姿勢=上に伸びる

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2007.11.26

治療家の喜び

乗馬をやっている40代の女性が治療に来ている。二度落馬して左でん部を傷めて、ときどき左の足底にしびれが走るという。検査をすると坐骨神経痛に似た症状が出ている。鍼ででん部の痛みを取り、左骨盤の前転と、腰椎のねじれを矯正する。落馬してから時間がたっているので、腰椎のわきに温灸をする。きょうで8回目の治療をした。

初めて治療してから
どのぐらいよくなりましたか
九割ぐらいよくなりました
そうですか
それはよかった

医者も同じだろうが、治療家にとって、患者の苦しみの軽減ほど嬉しいものはない。だからまた、仕事をつづけられるのだ。

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2007.11.12

日本人の清潔病

Fujitaラジオで回虫博士・藤田紘一郎先生のうんちくを聞いた。先生はサナダムシを自分のお腹に飼っているそうだ。キヨミちゃんだったかな。小腸の長さが7mぐらいだが、サナダムシは12mもあるのに、ほとんど悪さをしないらしい。逆に、よけいなコレステロールなどを食べてくれるのでダイエットにもなり体調がいいそうだ。

藤田先生の持論は「日本人は、寄生虫や細菌を殺しすぎたためアトピーやアレルギーをわずらう人が増えた」という考え方だ。昔の子どもは泥んこになって遊び、たいがい2、3種類の寄生虫を抱えていた。その寄生虫やばい菌に対して免疫作用がフルにはたらき、健康で丈夫なからだを維持していたのだ。

わたしも5歳ぐらいのとき、お尻から回虫をひっぱり出したことがある。公園で遊んでいたら肛門のまわりがムズムズしてきて、触ると何か紐のようなものが当たる。びっくりして、その紐をそうっとひっぱり出してみた。20cmぐらいあっただろうか。白っぽいミミズのような虫が出てきた。恥ずかしいので誰にも言わず内緒にしておいたが、あとで回虫だと知った。みんな回虫がいた証拠に、学校で駆虫剤「サントニン板チョコ」というのをよく食べさせられた。

ところが昭和40年ごろからだろうか、殺菌剤、殺虫剤、防腐剤、抗菌剤、抗生剤などが多用されるようになったため、寄生虫や腸内細菌、皮膚常在菌などが激減してしまった。すると、「ヒマ」になった免疫細胞は、反応しなくてもいい花粉やダニ、卵や牛乳などにまでちょっかいを出すようになった。これがアレルギーやアトピーが増えた原因であるというのである。

Graph

わたしはまた、水道水の普及とともにアレルギーやアトピーが増えていったようにも思う。塩素殺菌によって、腸内細菌などが殺されてしまったのだろう。もちろん、水や空気の汚染、体内に取り込む化学物質の増加なども、原因しているのだろう。

いずれにしても、藤田博士は「日本人の超清潔病は困ったものだ」という。これから地球温暖化で、南方の蚊や病原菌が日本にもやってくる。免疫力の落ちた日本人は大変だと警告している。そして、人間と他の動物や細菌類との共生が必要だと訴えている。

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2007.10.30

口ばんそうこう

Kuchiban1

これはわたしの寝姿である。布団と掛け布団の幅が狭いが、久しぶりに描いた絵にしてはまあまあだと思う。妻は右となりに寝ているがカットさせてもらった。一緒の布団ではない。枕はパイマー枕といって、プラスチックのパイプが詰まった枕をしている。これは通気性がよく、形も高さも変えられるので、もう20年ぐらい愛用している。敷布団は羊毛で、掛け布団は羽毛布団である。黄色っぽいのはパジャマ、首に巻いているのは、このあいだ買ったタイシルクのマフラー。

問題は口のところである。口を斜めにふさいでいるのはバンドエイドタイプの絆創膏である。バンドエイドは糊がつよいのと、伸縮性がありすぎるので、わたしは生協の傷絆創膏をつかっている。それでも糊が少しつよいので、指に2、3度貼り付けて、糊を弱くして貼る。ガーゼのところに薬の塗ってないやつである。これをわれわれは「口ばんそうこう」と呼んでいるが、もう10年以上続けている。

口をふさいでしまうと、とうぜん鼻で呼吸を行うことになる。これが重要なのである。「陽気堂はり治療室」のホームページのメニューから「健康メモ」をクリックすれば「口絆創膏で、のどすっきり」という項目があるから、そこを読んでいただくと分かるが、ここにその説明をコピーしておこう。

1.のどの弱い方に朗報です。のどを守る、安くて、手軽で、効果的な方法があります。
  それはちょっと変わった方法ですが、口を絆創膏でふさいで眠るのです。私たちも
  3年ぐらい続けていますが、のどがいがらっぽくなることは、ほとんどなくなりました。
  風邪の予防にもなりますので、ぜひ、お試しください。

2.口をそっと閉じて、上唇の上と下唇の下をつなぐように絆創膏を貼ります。
  すこし斜めに貼ると、うまく貼れます。息苦しくはなりません。
  絆創膏といっても、ほんとの絆創膏では唇にくっついてしまうので、バンドエイドの
  ようなものがよいでしょう。ガーゼの部分があるので唇につきません。ガーゼに薬
  がついていない、のりの弱いタイプを探してみてください。
  口をあまり強く閉じないようにして貼るのがコツです。

3.口をふさぐと必然的に空気が鼻を通って温められ、適度にしめりけが与えられ、
  ほこりや雑菌が取り除かれます。すると、のどが冷えず、乾かず、ほこりや雑菌が
  つくことがないので、いがらっぽくなりません。

4.これは耳鼻咽喉科の医師で、同時にオペラ歌手でもあるという、広島大学学長の
  原田康夫先生のアイデアです。学長はなんと25年あまり、一日も欠かさず、この
  方法を実践しているそうです。

Kuchibanこれを書いたのは10年ぐらい前だから、原田先生は30年以上、口ばんそうこうを実行されておられることになる。冬になると空気が乾燥するので、患者さんのこの口絆創膏をよくすすめる。しかし、実際に実行してくれるのは100人に数人しかいないのが残念である。こんな安価な簡単な方法で風邪を防げるのだから、やってくれればいいのに。

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2007.10.02

リウマチ

慢性関節リウマチの患者さんがみえている。50代の女性だ。発病してから7年ぐらいたつ。手首に変形があり、いまは肘と足首に炎症がある。当初は鎮痛剤、抗リウマチ薬、ステロイド剤を使って治療をしていたが、ステロイドの副作用がこわいので、漢方薬を中心にした治療に変えているという。

リウマチは膠原病という広い範疇に入る病気の一種だし、一口にリウマチといっても、その症状や性質は多種多様である。したがってリウマチの診断は、いくつかの症状がセットになって現れたものをリウマチとする。アメリカには関節リウマチが多いので、日本でもその基準を適用している。その診断基準は7つある。

 (1)1時間以上続く朝のこわばり
 (2)3個所以上の関節の腫れ
 (3)手の関節(手首、指の第2関節)の腫れ
 (4)左右対称性の関節の腫れ
 (5)手のエックス線写真の異常所見
 (6)皮下結節
 (7)血液検査でリウマチ反応が陽性

このうち4項目以上満たせば関節リウマチと診断する。
ただし、(1)から(4)までは6週間以上持続するもの。

リウマチの患者さんは何人も治療したことがあるが、個人個人によって症状が違うし、なかなか手ごわいというのが実感である。総じてお灸がよく効く。膝や足首などが腫れて熱をもっている場合でも、小粒のお灸をすえると炎症が引くことが多い。だから基本的には肝臓や消化器系をつよめるために背中の鍼灸を行い、患部には小粒のお灸を根気よくすえてゆく。

現代医学では免疫抑制剤を使う傾向にあるが、鍼灸医学ではからだにお灸をして異種蛋白をつくり、むしろ免疫反応を活発にさせることになる。

よく患者さんに「どうしてこういう病気になるのでしょうね」と聞かれる。そんなときは「DNAになにかそういう因子が含まれているのでしょう」と答える。それと「なにごとにも感謝して通ると血行がよくなり、病気が改善してゆくようになると思います」などと言っている。

この世は魂の修行場だから、病気を通して魂を磨けということだろう。つよく反発しなければ、来世はもっと幸せに生まれてくることができる。現実を受け容れて、心を平静に保ち、病気をやり過ごすしかない、そんな気がしている。事実、リウマチが自然になおってしまうことも少なくないのである。

→リウマチ体操など

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2007.09.29

お尻転がし

毎日できるいろいろな健康体操があるが、最近うちでは「うつ伏せ、お尻ころがし」というのを勧めている。これは朝、布団から起きる前に、布団の中でやるのがいい。掛け布団が邪魔ならはいでもいい。朝忘れたら、日中でも、お風呂のあとでも、夜寝るときでもいい。わたし自身、この体操をやり始めてから腰が軽くなった感じがする。

「お尻転がし」はどうやるのか。まず、うつ伏せになり、両手の甲にあごや額に乗せる。首は横を向いてもいい。それから、ただお尻を右に左に転がすだけである。お尻を振るというよりも、お尻の筋肉(殿筋)をおもりにして、文字通り左右に転がすようにする。始めは力が入って動きがぎごちなくなるかもしれない。しかし、できるだけ軽くやるようにやるとスムーズに転がるようになる。これを30回から50回ぐらいやるだけでいい。慣れてきたら100回ぐらいやってもいい。時間にして1、2分である。

うつ伏せの状態では起きているときと違って、下肢や骨盤、背骨にあまり重力がからない。だから非常にらくにに転がすことができる。この体操をすれば、からだ全体の関節という関節がゆるみ、血行がよくなる。だから、とくに朝起こしやすいぎっくり腰などの予防に役立つ。

草取りなどで長いあいだ腰をまげて仕事をしていると、腰や背中の筋肉が硬くなる。立つときく「よっこらしょっ」と掛け声をかけなければならない。そんなとき、家に入って畳や絨毯の上で、この「うつ伏せ、お尻ころがし」体操をやると、腰がいっぺんに楽になる。これを実行している患者さんは、「からだの調子がよくなった」という人が多い。

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2007.08.25

脊椎側彎症

20代の女性が、首、肩、背中が痛いと来院した。小さいときから側彎があることは整形外科等で指摘されていたという。背中を見ると、たしかに逆S字の側彎がある。右の肩甲骨の下部がすこし跳ね上がっており、翼状肩甲になっている。これでは背中や首がすっきりしないはずだ。

まずうつ伏せになって軽くからだを揺すり弾力性をみた。腰はやわらかいが、胸郭が変形しているせいで硬くなっている。左の骨盤が前方回転しており、右は後方回転している。カウンターストレインで骨盤を矯正し、さらに腰椎を矯正した。ただ、胸椎の矯正は長い歳月がたっているので難しい。とりあえず、ねじれに合わせてからだを固定し、ゆっくり戻してみた。患者は、少しからだがまっすぐになったような感じがすると言った。

側わんが多い理由
若い人に側彎が多いのには、いろいろな原因が考えられる。一つは座卓で正座をして食事をすることがなくなったからだと思う。むかしはきちんと座るようにうるさく言われた。前かがみになると着物の襟がはだけて見苦しいからだ。正座をするとお尻が出て、背すじがぴんと伸びる。

畳の部屋が少なくなってフローリングや絨毯の部屋が増えたのも一因だろう。椅子やソファーに座ることが多くなり、親もその正しい座り方が分からない。だから、脊柱に変なくせがついてしまうのだ。西洋の家庭では、椅子の座り方をうるさく指導していると聞く。

赤ちゃんのとき、はいはいをしなくなったのも原因かもしれない。はいはいをすれば首のそりができ、そのぶん前後の生理的彎曲がきれいにつくられる。また首をそるとき、自然に背中をまっすぐにする。そういうチャンスが少なくなったのだろう。

野原を走り回ったりしてからだをよく動かせば骨や筋肉が鍛えられるが、いまの子は栄養はいいがそういう機会が少なくなっている。足は長く格好いいが、細くてポキッと折れそうなのをよく見る。らくをすると苦労が待っている、そんな気がしてならない。

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2007.08.11

アキレス腱の痛み

飛び込みで新患がみえた。ジョギングで右足のアキレス腱を傷めたという。予約が詰っていたが短時間で済みそうなので、すぐ治療することにした。まず、うつ伏せになってもらい、右足の膝の真後ろに細い鍼を刺して、低周波治療をおこなう。電気を入れると、ふくらはぎの筋肉がピクンピクンとリズミカルに動く。

ふくらはぎの筋肉は腓腹筋ひふくきんとヒラメ筋からなる。それが踵かかとにつくところで太い腱になる。それがアキレス腱だ。ジョギングでふくらはぎが硬くなっているので、低周波を10分ほどかけて、血行をよくして筋肉をゆるめるのである。

Fanつぎに足首の関節を背屈させると、あまり痛がらず、むしろ気持ちがいいという。カウンターストレインでは患者が痛いという部分は仮性痛であって、真の痛みではないと考える。そこで、痛いというアキレス腱にストレッチをかけるように、ゆっくりと足首を背屈させていった。かなり強く曲げてもだいじょうぶのようだ。3分ほどしてから、ゆっくりゆっくり戻してゆく。これで治療は終わりだ。

ベッドから下りて歩いても、もうアキレス腱の痛みはきれいに取れている。時間にして20分ぐらいの治療だったろうか。こういう患者さんは楽でいい。

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2007.08.09

花びら茸

Hanabiratake

きのう玉原(たんばら)高原の帰り道、キノコ屋さんでハナビラタケというのおみやげに買った。薄切りにしてエリンギとバター炒めにしたものを試食したがとても美味しかったし、抗がん作用がつよいという話にもひかれたからだ。一見、カリフラワーみたいだが、食感はマイタケに似ており、ほのかにマツタケの香りがする。くせがなくて食べやすい。てんぷらや味噌汁の具にしてもよさそうだ。

うちは、マイタケ、シメジ、シイタケ、エノキ、エリンギと、きのこ類を切らしたことがないが、こんどはこのハナビラタケもレパートリーに入れよう。自然界では落葉松の根元に生えるものだが、それが人工栽培できるようになったという。英語では cauliflower mashroom と呼ぶそうだ。

ハナビラタケの効用

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2007.08.03

痛みの科学

Yasumegumi 録画しておいた「サイエンスZERO」を見た。4月からは真鍋かおりに代わって、安めぐみがアシスタントをつとめている。甘ったるいしゃべりは科学番組にはどうかと思っていたが、内容にはほとんど影響がない。心もち男性群が緊張しているように見えるが、それは私の先入観か。ま、それはさておき、今回は「痛みの科学」というタイトルで、内容がとても面白かった。

(1)慢性痛の原因は、事故や病気のあとにそのときの痛みが脳に刻み込まれてしまうことによることがある。

たとえば事故で腕を切断したあと、手指がないのにそこが存在しているように痛むという。いわゆる、幻肢痛というのがある。また帯状疱疹が治っても、帯状疱疹後神経痛というのに悩まされたり、乳がんの手術後、ずっと痛みが取れないことがある。それらは、強い痛みが脳に刻み込まれ、皮膚に触れただけでも痛みを感じるようになってしまうことがあるのだそうだ。

(2)最近の研究により、痛みの感覚は大脳の感覚野だけでなく運動野という部分も密接に関与しており、慢性痛の治療に運動やを積極的に刺激することが有効であることが分かってきた。

たとえば、運動野を刺激するリハビリ運動によって痛みが軽減するという。右腕を失った人の前に左向きに大き目の鏡をおき、左腕だけが写るようにする。すると鏡の中には右腕が見える。実際は左腕が写っているのだが、それを右腕と思っって右の手指を動かそうとするのである。それによって、幻肢痛が弱くなる。また脳の運動野に直接、磁気刺激を与える方法も効果があるという。

(3)がん患者の痛みにモルヒネを使っても、モルヒネ依存症にはならない。

日本では癌の痛みにあまりモルヒネを使わない。モルヒネ依存症(中毒)を恐れるためだ。しかし欧米ではかなり使われている。最新の研究で、痛みを持つ患者はドーパミン(快物質)が抑制されるから、モルヒネ依存症やモルヒネ中毒にはならないことが証明された。そのため、積極的にモルヒネを使って痛みを抑えようという傾向が高まってきたという。

以上、なかなかためになる話だった。
(2)の話に関係するが、鍼の治療法にも「頭鍼療法」というのがある。脳卒中の後遺症などで手足がマヒしている患者に脳の運動野に体表から鍼をすると効果があるという。私はまだやったことがないが、鍼で間接的に運動野を刺激して活性化すれば、マヒや痛みが軽減するかもしれない。こんどこの方法を試してみよう。

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2007.07.12

豆乳ヨーグルト

Tounyuygrt

毎日、豆乳ヨーグルトを食べている。以前は牛乳にタネ菌を入れて、ふつうのヨーグルトを作っていた。ところが大腸の内視鏡の権威である新谷弘実しんやひろみ先生の講演を聴いたら、「大腸のためには、一滴も牛乳を飲まないほうがいい」というので、豆乳にかえてみた。それでも牛乳と同じようにヨーグルトができる。これにメープルシロップを少し垂らして掻き混ぜて食べている。豆乳ヨーグルトに変えてから、もう5ヶ月ぐらいになるだろう。

ドクター新谷、公式サイト

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2007.07.05

足首のねんざ

月曜日の昼、マンションの階段を踏み外して捻挫をしたという急患が入った。70歳の女性で、右の坐骨神経痛の治療に来ていたが、左足の足首を捻挫している。右足の親指も痛くて床に着けることができないという。左の足首は象のように腫れている。捻挫した後もヘルパーの仕事を一つやってきたという。それで内出血をひどくさせ、腫れ上がってしまったようだ。

うつ伏せで背中と腰の治療をしたあと、左足の捻挫の治療をはじめた。足首をどの方向に曲げても伸ばしても痛がる。しかし注意深くみていくと、ある方向に持っていったときは痛みがらくになる。それは足首を背屈させた状態で、さら外反(小指側を反らせる)し、足先をやや外側に持っていくと楽になる。この位置で3分ぐらい固定し、それからゆっくりゆっくり元に戻していった。痛みは2割程度らくになった。右足の親指も反らせると楽になるというので、同じように治療をした。

火曜日に来たときは、まだ痛がったが右足が着けるようになり、腫れも少しひいた。左足はふくらはぎが硬く緊張しており、「アキレス腱が切れなくてよかったですね。不幸中の幸いですよ」と伝えた。

きょう木曜日、3度目の治療をした。内出血のところが赤黒く滲んでいる。前回同様、慎重に痛みが消える方向を探した。やはり、足首を背屈し、外反させ、わずかに外旋すると楽になる。5分ぐらい固定してから元に戻すと、むくみは半減していた。痛みもだいぶ軽くなったようだ。あと1、2回でふつうに歩けるようになるだろう。

Nenza1
内出血のあとが痛々しい

Nenza2
治療姿勢

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2007.07.01

ひざの痛み

きのう、27歳の男性が、サッカーで膝を傷めたといって来た。膝の裏が痛い、それに膝が曲がらないという。整形外科に一ヶ月以上通っているが一向になおらないので、インターネットで調べて来院したという。

うつ伏せになってもらい、骨盤や腰椎をみたが大きな変位はない。そこで、まず膝の裏に細い針を数本打って痛みを軽くした。それから仰向けにして、膝のお皿の下を押してみるとかなり痛がる。これは大腿四頭筋が緊張していることを示している。カウンターストレインの言葉を使えば「伸展ひざ」である。平たく言えば、「伸びきったひざ」だ。

Exknee_1伸びきった膝は、さらに伸びきった状態にすればいい。足首に枕をかって、膝のお皿の部分をベッドのほうに向かって押し込むのである。2分ほどしてから、注意深く、ゆっくりゆっくり戻してゆく。それで膝を曲げてみると、よく曲がるようになった。もちろん、痛みも取れている。だから曲げられるようになったのだ。

けさ、もう一度治療にみえたが、きのうの治療がよく効いているようで、膝はちゃんと曲がる。ハムストリングが硬いので針でゆるめ、きのうと同じように「伸展ひざ」の治療をした。さらに足首の内反ねんざがあったのでそれも治療した。「2、3日、速い動作と無理な動きをしなければそのまま治るでしょう。何かあったら電話してください」といって帰した。一ヶ月も治らなかったのが二日で治れば、御の字だろう。

きょうは土渕不動院の草刈りだったが、午前中は仕事だったので京子に行ってもらった。それから登戸神社の夏祭りだったが、自宅の草取りなどをやっていて、すっかり忘れてしまった。九月の秋祭りにはかならず行こう。

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2007.06.04

農家の嫁

農家にはなかなか嫁が来ない。うちのほうも例外ではなく、独身者が多い。農家といっても、昔のように何反も田んぼや梨畑をやっている専業農家は少ない。たいがい兼業農家で、農閑期には水道工事や大工さんの手伝いなどをしている。アパート経営をしている農家も少なくない。親が亡くなると農業を継ぐことになるが、嫁さんが来ない。そんな中、農業をやりたいというお嫁さんをもらったラッキーな男がいる。

きのうその人から電話があり、そのお嫁さんがぎっくり腰になって動けないので往診してくれという。日曜の午後は休みだし、だいぶひどいようなので治療に行った。慣れない野良仕事で疲れがたまったのだろう。お嫁さんは奥の間に寝ていた。1週間ぐらい前に傷め、きのうの朝トイレで立つとき動けなくなったという。ちょっと動かそうとしても、ギャアと叫ぶ。

Youtaitenしかたがないので、仰向けのまま両手をお腹の上に置いてもらう。そして手の甲の腰痛の特効穴である「腰腿点」に針を打った。5分もすると痛みがやわらいできたので、腫れ物に触るように注意深くあっちこっち動かして、らくな方向を探した。仰向けの状態でゆっくりと膝をまげていくと楽なようだ。どうやら腸腰筋を傷めているらしい。そのまま5分ほどして、ゆっくり足を伸ばしてゆく。すると、こんどは横向きになることができた。それから、傷むところなどに針をした。

しばらくしてから「立ってごらん」と言ったが、なんとか正座はできるが、そこから立ち上がることができない。痛み止めの薬を飲み、一晩ゆっくり眠るように言って帰った。

きょうの昼休み、もう一度往診した。じゅうぶん睡眠がとれたためか、きのうよりはだいぶ楽になったようだ。寝返りが打てるようになったと喜んでいる。だいぶ痛むところがはっきりしてきたので、また針をした。背中のほうまで凝っている。

若旦那が「ぼくの結婚を奇跡が起きた」なんていう人がいるとボヤいていたが、わたしは「そうだよ、このお嫁さんは奇跡の人だよ。大切にしなければね」と言った。

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2007.06.02

お尻振り体操

お尻振り体操
このごろ、腰痛の人にすすめている体操がある。あまりにも簡単で拍子抜けするかもしれないが、これを毎日続けるとなると難しい。本当は朝やるといいのだが、朝は忙しくてそれどころではないのだろう。

この体操は、朝起きる前に布団の中でやるといい。うつ伏せになって、お尻を左右に軽くリズミカルに転がすのである。うつ伏せになると、お尻の肉がオモリになって、左右にうまく転がるのである。仰向けでは逆に、お尻の肉が布団に押されて動きがわるい。

はじめは軽く30回ぐらいやればいい。左右で1回と数える。慣れてきたら50回、100回と数を増やしていく。あまり大きく転がそうとすると、腹筋などに筋肉痛が出るかもしれないので、はじめは軽くやるのがコツである。

この「お尻振り体操」のいいところは、うつ伏せの姿勢でやるので背骨に負担がかからないことだ。そして、股関節、仙腸関節(仙骨と骨盤の関節)、腰仙関節、腰椎などをゆるめ、さらには胸椎、そして頸椎までゆるめることができる。わたしは毎朝、布団の中で100回ほどやっているが、それからは腰がだいぶらくになった。

片膝立てツイスト
もう一つは、仰向けになってやる体操だ。これは片膝を立てて、その膝を反対側の床に向かって倒し、腰をひねる体操である。たとえば、右膝を立てて、その膝を左の床にもってゆくのである。これも軽くリズミカルに10回ほどやる。そうしたら、反対側をやる。これを1セットとして、2セットぐらいやればいい。

無理に膝を床につかなくてもいい。ただ、最後にできるだけ床に近づけてやると、いいストレッチ運動になる。これもうつ伏せの「お尻振り体操」と同じように、股関節や背骨をゆるめる効果がある。この2種類の体操をやれば、腰痛のいい予防になる。体操はどれも毎日続けることが大切である。

妻の偉いところは、こういう健康体操を毎日続けていることだ。お尻振り体操は朝だが、昼間時間のあるときに、真向法、森光子体操(スクワット)、肩回し体操、タヒチアン体操などを合計10分ぐらいやっている。

テレビでは毎日どこかで健康体操をやっている。そのなかで、いいなと思ったものを5分でもやったらいい。10年、20年たったら、やらない人と大きな差が出ることは間違いない。

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2007.05.31

女子競輪選手

このところ、ずいぶん前にみえた患者さんが戻ってきている。きょうは10年ぶりぐらいに、ある女性がみえた。もう70代になるが、昔は競輪の選手でならした人だ。というと驚く方もいるかもしれないが、昔はプロの女子競輪というのがあったそうだ。その元選手である。

Bike

同世代の女性に比べて背が高いし、体格もいい。競輪は激しいスポーツだから当然だろう。しかし目一杯、筋肉を使った人はその老化も激しい。筋肉がボロボロになっている。この女性は左右の下腿に大きな静脈瘤があって痛がっていた。そして、とうとう手術をして静脈を取ってしまった。しかし、寒いときなど相変わらず痛むようだ。

以前、アジア大会に出場したことがある女性を治療したことがあるが、やはり筋肉が水分を失ってパサパサだった。記録を追いかけて、からだを限界まで使い果たした人は、老化が早い。筋肉の法則は、①使い過ぎるとダメ、②使わな過ぎてもダメ、③適度に使うのがよろしい、のである。現代人は筋肉をつかわな過ぎる傾向がある。運動不足と過食が病気の原因になっていることが多い。

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2007.05.29

医者の養生

妻の伯父が90歳で亡くなった。千葉市で内科の開業医をしていたが、数年前に引退している。祖父も木更津郊外で医者をしていたが、その長男である。一般に「医者の不養生」などというが、妻の父方の兄弟はけっこう長生きだ。患者を診ながら、自分の生活も律していたという点は立派だと思う。

伯父はよく「聴診や腹診でかなりの診断ができるのに、いまの若い医者は機械のデータばかりに頼り、患者に触れることが少なくなってしまった」と嘆いていた。一度、法事でぐあいが悪くなったときも、自分で自分の脈を診て「だいじょうぶ、ちょっと疲れただけです」なんて言っていたのを思い出す。あしたがお通夜、あさってが告別式だという。

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2007.05.16

肺の検査

けさ中野島の医者に行った。気管の奥のほうから深い咳が出て、なかなか止まらないからだ。だいぶ前から治療室のトイレの天井が水漏れをしており、天板が黒カビが生えている。もしや、そのカビが肺に入って、気管支炎か肺真菌症にでもなっていたらコトだと思ったからだ。

肺のレントゲンを撮ってもらったが、炎症所見がみられないから大丈夫と言われた。アレルギー性のものだろうという。体温は36度だし、肺真菌症や気管支炎の心配はないということだった。

それから、このところ下痢をしているので、腹部エコー検査をやってもらった。特に心配するようなことはないが、前立腺が少し肥大しているらしい。「男は年をとるとしょうがないですね」と、先生は笑っていた。

京子も乳がんのエコー検査をしてもらったが、異常なし。来週、胃の内視鏡検査をすることになった。胃がもたれるらしい。

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2007.05.11

欠盆

最近、腕の痛みやしびれを訴える患者さんが多い。首がわるくて、腕や肘、手指まで痛んだり痺れたりするのである。頸椎の椎間板ヘルニアや動脈硬化、ムチウチの後遺症、コリのひどいもの、など原因はさまざまだ。一般に、頸腕症候群とか頸肩腕症候群と呼ばれている。胸郭の出口付近で神経がピンチされている場合もあり、その場合は胸郭出口症候群と呼ばれる。

痛みがひどい場合は、いちばん楽な姿勢をとってもらって治療をする。ただ、どんな場合も、わたしはまず上背部の胸椎の両側に針を打つ。胸椎の1番から5番ぐらいまでは、腕の血管を収縮させる交感神経が出ているからだ。それが証拠に、ここに針を刺すだけで、しびれや痛みが軽くなってゆく。

Ketsubon2それから、鎖骨の中央ですぐ上のくぼみにある「欠盆」というつぼに細めの針を刺す。ここには腕神経叢という神経のたまり場がある。腕の前側が痛いか、後ろ側が痛いかによって、つぼの取り方を微妙に変えていく。うまくいくと腕のほうに軽くひびく。患者が耐えられれば、10分ほど弱い低周波通電をおこなう。

仕上げにカウンターストレインをつかって、首や肩の矯正をおこなう。頸椎7番の前屈変位、頸椎1、2番の後屈変位、胸椎の前後屈変位などを矯正することが多い。傷害の程度によって、2、3回の治療でよくなる場合、週1、2度定期的に治療して薄紙をはがすように治っていく場合などがある。いずれにしろ、腕の痛みやしびれに針治療はかなり有効である。

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2007.04.26

カビと咳

ここ数日、京子もわたしも変な咳をしている。風邪の症状もあったが、それが治ってもなお咳が出る。いろいろ考えてみたが、治療室のトイレのカビが原因なのかもしれない。

じつは数ヶ月前からトイレの天井やライトから時々水滴が落ちてくるようになった。大家さんに話して水道屋にみてもらったが原因がわからない。最初の水道屋さんがお手上げだったので、二番目の水道屋さんが入ってくれた。その結果、うちは3階だが、4階の給水に水漏れがあることがわかった。トイレは天井から脇の壁にかけて、茶色や黒いカビが発生して臭い。風のつよい日などは窓を閉めなければならず、いっそう臭い。

先週の土曜日に上の漏水の修理工事が完了したが、まだ漏水の残りがあるらしく、すこし水滴が垂れてくる。そして拭いても拭いてもカビが生える。きょう、わたしはダイエーに行って、スプレー容器を買ってきた。それに消毒用エタノールをつめて、トイレの壁や天井に吹き付けた。カビの殺菌をしたのである。これを何回か繰り返せば、カビは死ぬだろう。漏水が止まれば、壁や天井の修理をして、カビとは縁がなくなる。

あまりカビを吸うと、肺真菌症のような病気になることがある。目に見えない菌糸を吸っていると、肺の中にカビが生えてしまうのだ。古いビルなので、あちこち傷みが出始めたようだ。自分たちで自己防衛しないと危ない。漏水の問題はこれで解決することを祈る。

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2007.04.12

風邪

昼は暖かいが
朝晩が寒く
風邪引きが多い
木の芽どきは
細菌も活発だ

風邪は
自然の
浄化作用
休むに
かぎる

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お知らせ

来る5月1日より、治療費を5,000円とさせて頂きます。

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2007.03.23

除石

また歯医者で歯石を取ってもらった。超音波を使って、歯にこびりついて石のようになった歯垢を取るのだが、歯と歯茎のあいだにポイントを入れるので、ときどき神経にあたってズキンと来る。キーンと高い音が耳元で鳴る。あとはスケーラーという道具で引っかくようにして取る。15分ちょっとだったと思うが、けっこうくたびれる。

ていねいに歯磨きをするように言われて、毎食後、歯を磨いているせいか、一部の歯茎の色が暗赤色からピンク色に変わってきた。先生にほめられて、うれしい。しかし、上の歯の前歯の裏と奥歯があまり磨けていないと言われた。これからがんばろう。毎食後は無理でも、夜寝る前にていねいに磨いてください、とのこと。優しい歯科衛生士さんが「希望を持ってがんばってくださいね」って。ぼく、がんばっちゃおう。

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2007.03.11

白内障の名医

三井記念病院の眼科医・赤星先生は白内障の手術の名人である。ふつうなら、1日20人の手術が限度なのに、その倍の40人の手術を行っている。予約は半年先までいっぱいだという。お気に入りのTBS「夢の扉」を見た。

ふつう、角膜を大きく切って水晶体を取り出すが、これだと出血があるし、回復に時間がかかる。赤星先生は角膜に18㎜幅の薄いメスを刺し、超音波で硬くなった水晶体を破砕し、それを吸引する。そこに三つに折りたたんだ人口の水晶体を差し込むと、それが形状記憶で自然に広がる。約4分で手術は終了。4時間ほど休んで絆創膏を取ればもう見えるようになる。

Akahosi赤星隆幸先生

赤星先生は手術器具をぜんぶ自分で開発し、しかも一切特許を取っていない。その器具を世界に普及させたいからだ。日本でも19の病院で赤星メソッドを採用しているという。また、先生は海外に講習に行ったりもしている。白内障の治療がまさに天職になっている。

目の見えない人に光をあたえることができる、これほど素晴らしい仕事はないと思います。赤星先生のこのことばが胸を打った。

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2007.03.09

歯磨きの方法

歯医者に行き、咬合を調節してもらい、もう一度歯石を取ってもらった。それから、グラつく歯の説明をしてもらった。プラーク、いわゆる歯垢が、歯と歯茎のあいだに溜まってしまい、そこにいる歯周病菌が骨を溶かしてしまうと歯がグラつくようになる。そうなると、しまいには歯を抜かなければならない。それが嫌だったら、毎日きちんと歯磨きをしなければならないというのだ。

グラつく歯は歯肉に浮腫がある。むくんでフニャフニャしている。歯と歯茎のあいだをポケットというがそれが5㎜以上ある。健康な歯なら2㎜が3㎜ぐらいなのに。歯茎を押すと血が出たりする。そのポケットに歯ブラシの毛先を入れて小さく振動させるようにして磨けばいいという。もちろん、1本1本磨くのだ。これをバス法という。

→歯磨きの方法

歯と歯茎のあいだも前面はよく磨けるが、横がなかなかうまく磨けない。だからポケットは横のほうが深くなる。歯と歯のあいだだ。そこもブラシの毛先を入れて5㎜ぐらいの幅で軽く振動させるようにして磨くといいそうだ。1本1本磨いていたら、松居一代じゃないけれど45分かかっても不思議はない。

「それでも歯がなくなっちゃうよりはいいでしょう」と先生。「うまく磨けるようになったら奥歯のブリッジ固定を考えましょう」とのこと。

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2007.02.23

歯磨きで歯医者いらず

近くの布施歯科に行った。前回は右下の奥歯を抜いたが、今回は左下の奥歯を抜いた。歯石が下に伸び、顎の骨を溶かしているそうだ。もちろん、指で触ってもグラグラしている。「歯磨きをしっかりやれば歯医者いらずですよ」と、また言われた。それが、なかなかできない。5分ぐらいサッと磨いておしまいにしている。

1本ずつ歯茎のポケットに毛足の長い歯ブラシを入れて、食べかすを掻き出し、歯のあいだは歯間ブラシで掃除をする。そうすれば歯茎が締まり、骨が再生するという。「がんばれば他の歯も抜かなくてすみますよ」って。とても重要なことを言われているのは分かるが、これがたいがい三日坊主になってしまう。虫歯を治療したり、歯を抜いたりするのは痛い。痛いのがいやだったら、どうしてもハミガキなのだ。

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2007.02.06

アメリカ人の患者

アメリカ人の若い男性が、喉が痛いといって治療にきた。日本語を勉強してから日本に来たらしく、日本語がかなりできる。住所もちゃんと漢字で書く。公立の中学校で英語を教えているという。

喉の奥を見ると真っ赤だ。細菌感染があるのは間違いない。しかし、こんな状態が2年以上も続いているという。病名をつければ「慢性扁桃腺炎」ということになるだろう。抗生物質を使ったこともあるらしい。左側の顎のリンパ腺も少し腫れている。つばきを飲むと左の喉が痛いという。

まず、背中を軽くゆすり背骨の関節をゆるめる。それから背中から首にかけて硬いので、細めの針を打ってほぐす。胸の気管のあたりにも針を打つ。それから肘と手首に針をする。これで、もうつばきを飲んでも喉はいたくなくなった。リンパ腺の部分にもいちばん細いはりを3本打つ。喉が楽になったと喜んでいる。

Kuchibanこの人には「口ばんそうこう」のパンフレットを渡し、毎晩、バンドエイドのようなものを斜めに貼って口を閉じ、鼻呼吸をするようにして寝るようにていねいに伝えた。眠っているあいだ、鼻で呼吸すれば、①ゴミや埃を吸い込まない、②細菌を吸い込まない、③湿った温かい空気が入るので喉に炎症が起きない、といったメリットがある。

朝起きたときの喉がいがらっぽさがなくなるだろう。1ヶ月も続ければ扁桃腺炎も治るにちがいない。ぜひ続けるようにと念を押した。素直な人なので、きっと実行してくれるだろう。

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2007.01.09

ぜんぜん違う

30代の女性がびっこを引きながらやってきた。膝が痛いという。ホームページを見ての来院である。右ひざは去年の夏から、左ひざは3日前から痛みだしたそうだ。右ひざは足を伸ばすとギシギシ音がする。まず、からだを優しく揺すって関節をほぐし、骨盤の検査をして左右をそろえる。それから、鼠径部の衝門というつぼに鍼をして弱く低周波をかける。これで大腿四頭筋がゆるめば膝はかなりらくになる。

つぎにカウンターストレインを使って、両膝の前十字靭帯をゆるめ、さらに左の内側側副靭帯、右側のお皿の位置異常をなおし、外側半月板の部分の緊張をとる。「さあ、これで歩いてごらん」というと、すたすた歩く。階段が気になるというので、階段も昇り降りしてもらうと、「ぜんぜん違う」とにこにこ顔だ。わたしは「勇気を出して、はり治療に来てよかったでしょう」と話す。患者の苦痛が取れて、その笑顔を見るとき、この仕事をやっていてよかったなと思う。いつもこううまくいくとは限らないけれど。

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2006.12.25

アトピー性皮膚炎

全身アトピーの患者さんを毎週治療している。背中や足のつぼに鍼を打ち、それから、もっぱら小さいお灸をすえている。今回は5度目だが、最初のうちは皮膚から血液やリンパ液が漏出するので、シーツがあちこち血だらけになってしまった。それで、毎週、その人専用のシーツを用意して、毎回消毒洗濯をしながら治療してきたが、今日はまったく血がつかなかった。皮膚も一部を除いてずいぶんきれいになった。

アトピーの部分や周囲にお灸をすえると、かゆみが取れる。かゆみが取れれば掻かなくなるし、よく眠れるようになる。掻かなければ皮膚が回復してくる。お灸はゴマ粒~半米粒大だから、火ぶくれができるほどではない。また、アトピーのように皮膚が肥厚しているところにお灸をすると、それほど熱くはなく、かえって気持ちがいいものである。だから、患者さんはうとうとしてしまう。

アトピーは長期戦だが、治療をつづければ免疫力がつき、確実に効果が出てくる。病気との根競べに勝つか負けるかの問題である。お灸をすえるほうも全身となるとらくじゃない。同じ人類同胞として、このような目にあっているひとを放っておけないから、もうボランティアの気持ちでやっている。自分がこうなったらどうだろう、少しでも楽にしてあげよう、本当にそんな気持ちで一つ一つお灸をすえている。

ただれた皮膚に
小さな灸を
すえてゆく
それが皮膚の
回復を早める

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2006.12.15

ノロウイルス

ノロウイルスが猛威を振るっているらしい。病院や老人施設、果ては高校生などがホテルで集団感染している。うちの患者さんのなかなにも、「今年の風邪は腹にくるらしい。下痢と嘔吐でえらいめにあった」という人がいる。風邪のウイルスが腸に入って下痢を起こすことは分かるが、ノロウイルスとはいったいなんだろう。

ネットで調べると、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の症状は、下痢、嘔吐、腹痛、発熱(38℃以下)など。はじめはSRSV (Small Round Structured Virus:小型球形ウイルス)と呼ばれていた。平成15年8月、大流行したアメリカのノーウォークの名前を取ってノロウイルスと改められたという。なんだかのろまなウイルスのようだが、これがなかなかやっかいなのだ。

ウイルスはふつうの細菌よりずっと小さく、電子顕微鏡でなければ観察できない。ウイルスは単独では増えず、人間の生 きた細胞の中でのみ増える。

ノロウイルスのよる胃腸炎は、カキ、アサリ、シジミなどの、二枚貝のなかに含まれるノロウイルスによって起こる。このウイルスを持った人がトイレの後で手をよく洗わずに調理すると、ウイルスが食品に付いてしまい、中毒の原因となることがある。ノロウイルスは少量(数個から100個程度)でも感染するので、食べ物だけでなく、人→人、人→物→人などの型でも感染が起こる。

食べてから1~2日で症状がでるが、多くは軽く、1~2日で治る。しかし、まれには一日20回ぐらいの激しい下痢をすることもあるから油断ならない。症状が消えても、一週間ぐらいは便にウイルスが排泄されるらしいので、調理前の手洗いはしっかりする必要がある。この中毒が冬場に多いのは、冬によくカキをよく食べるためだと考えられている。

予防法
1.カキなどの二枚貝はできるだけ加熱して食べる。
2.加熱する場合は中心までよく火を通す。 80℃、1分。
3.調理する人は、トイレの後や調理前に十分手を洗う。
  消毒薬が効きにくいウイルスなので機械的に洗い流すのがいい。
4.手を拭くタオルをきれいに保つ。or、ペーパータオル。

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2006.12.11

乳がん手術後の痛み(2)

10月31日のブログに書いたが、乳がんの手術の後が痛いという患者さんが、あれからも週2回のペースできちんと治療に来ている。10月31日のときは、9回治療して2日ほど痛みを忘れる日があったという話しであった。もう少し早く痛みが軽くなると思っていたが、非常に手ごわい患者である。

以後もずっと通ってこられて、きょうでちょうど20回になる。前々回あたりで、痛みが4割から5割ほど取れたといっていたが、きょうは痛みは5割から6割ほど取れてきたという。痛みがどんどん軽くなっている。わたしとしては6割ほど痛みは取れたと思う。本人は痛みのことを忘れている時間が多くなったと喜んでいるし、それを聞いてこっちも嬉しい。

治療は、まずうつぶせで全身を優しくゆすって背骨をほぐす。それから上背部に鍼を打ち、椎肋関節(背骨と肋骨の関節)をゆるめ、肋間神経の緊張をとる。それから乳がんの手術痕に鍼を水平に刺してゆく。肺があるからだ。その後、遠赤外線で暖め、さらに温灸をし、円皮針を貼って終わる。痛む範囲もずいぶん限局してきた。昼過ぎに来たときは気持ちよさそうな寝息を立てて、たいてい一眠りしてゆく。頑固な痛みも根気よく治療すれば少しずつ氷解してゆくものである。

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2006.12.09

玄米食

お米は回帰水で作ったものを毎月、宮城県から送ってもらっている。いつもは玄米を送ってもらって、それを圧力鍋で炊いて食べている。ところが先月、手違いで無洗米を送ってきた。送り返すのも面倒なので、黒米や雑穀米を混ぜて食べた。それでも、なかなか美味しかった。

今月はちゃんと玄米を送って来たので、また玄米に大豆や小豆などを入れて圧力鍋で炊いて食べ始めた。そうしたら、いっぺんにお通じのぐあいがよくなった。長年玄米を食べているのであまり気づいていなかったが、やはり玄米食は便秘をなおすのには最善だと思う。もちろん、白米にくらべて味もいい。うちでは少し水を多めにして炊いているので、ボソボソした硬い玄米ではなく、もちもちした粘りのある美味しい玄米である。

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2006.11.27

ひざ痛

大学の陸上部の学生が治療に来ている。中距離をやっているそうだが、すこし走ると右ひざが痛くなるそうだ。右骨盤の前屈を矯正し、右ひざの前十字靭帯の緊張を取る治療をしている。きょうで5回目だが、前回の治療のあとから痛みが消えたという。

毎回ほぼ同じ治療をしているが、鼠径部に針を刺して低周波をかけ、大腿四頭筋をぴくぴく動かして血行をよくしたのが効を奏したらしい。しかし、前十字靭帯の治療など、カウンターストレインを知らなければ手も足もでないところだ。

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2006.11.25

ダンベル体操

治療用のベッドがあるので、あいている時はいろんな体操をしている。
腰痛の予防には、これら4つの体操をしている。

(1)うつ伏せになって、お尻を左右に30回ぐらい振る。
(2)仰向けになって、かかとを交互に伸ばす。10回。
  これは骨盤を左右に傾ける体操で、仙腸関節をゆるめる体操だ。
(3)片ひざを立て、それを反対側の外ひざに置き、めいっぱい外側に倒す。10回。
  これは腰をねじる体操で、ツイストと呼んでいる。
(4)それに真向法をおこなう。2セット。

ところが、きょう腕立て伏せをやってみたら、5回しかできないので驚いた。腕の力がなくなっているのだ。それも、腕立て伏せをやろうとすると、伏せるときに腹がベッドに落ちてしまう。なんとか腹をベッドにつけないようにしても5回がいいところだ。むかしは、30回も50回もできたのに。

そこで、またダンベル体操を始めることにした。3㎏のダンベルを両手に持って、交互に挙上したり、下から巻き上げたり、前後に振ったり、胸の前で開いたり、いろいろやってみた。数分やっただけで息が乱れてくる。それでも、肩周りがいっぺんに締まったような感じがする。すこし、続けてみよう。

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2006.11.24

正座うしろ倒れ

腰痛の患者さんが治療に来た。痩せていて背が高い。飲食店で仕事をしているが、調理台が低いので腰を傷めたらしい。検査をすると、やはり腰の前屈変位がある。腰椎の2番のねじれ、3番の傾きをとると楽になった。

この患者さん、ふだんからストレッチなどをよくやっていたという。そこで、痛みがやわらいでから正座をしてもらい、そのままゆっくり後ろに倒れてもらった。それがいとも簡単にできる。「これができるなら腰痛と永久におさらばできるようになるよ」と言って、この体操を毎日やるようにすすめた。

Makko4これは真向法の第4体操であるが、なかなかすぐできる人は少ない。とくに男性はあぐらをかくせいで腰が丸く、このように極端に反ることができない人が多いのである。この体操をすれば、体操の選手がフィニッシュをするように腰が反り、その両側にある関節がきれいにそろうので腰痛にはなりにくくなるのである。

この体操ができなければ、仰向けになって腰の下に枕などを入れて腰を反らせばいい。背中のほうに枕をかい3cmずつぐらい足のほうにずらしていってもいい。こうすることで丸い腰がまっすぐになっていった人は少なくない。もちろん、それにつれて腰痛になるケースも少なくなる。

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2006.11.17

ジェイソン・ウィンターズ・ティー

Jwt このところジェイソン・ウィンターズ・ティーというお茶を飲んでいる。タオルの問屋さんが来たとき、携帯用の魔法びんからお茶を飲んでいるので、「それなに?」と聞いたのが運のつき。三大陸のハーブで作られたお茶とかで、考案者ジェイソン・ウィンターズさんのがんが治ったお茶だというのである。アトピーが治る、うつ病が治る、難病が治ると、とにかく、なんでも治りそうなハーブティーだ。問屋さんは、便の臭いがしなくなったという。

まじめな人が一生懸命説明するので、それでは少し飲んでみようということになって、2週間ほど前から飲み始めた。紹介販売で1箱4200円。ティーバッグ30個入りだから、1日140円。ま、缶コーヒーよりは安いし、何杯も飲める。インターネットで直接買うこともできるが、その場合はほとんどが6000円と割高になる。

味はウーロン茶やプーアル茶に近い。それに紅茶の香りもする。くせがなく飲みやすい。何でも治るというようなものは何にも治らないものが多いが、果たしてどんな効果を示してくれるものやら。きょうmixiの「JWT 奇跡のハーブティー」というコミュニティに参加したのでこれから勉強していこうと思う。

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2006.11.06

ブーケ

Bouquet_1けさ、ピアニストの患者さんから花かごをいただいた。これをブーケと呼んでもいいのかどうか知らないが、生花を盛り花にしたもので、とてもきれいだ。彼女はきのうソロ・リサイタルがあって、そのときいただいた花のお裾分けをしてくれたらしい。

じつは、この患者さん、数日前にぎっくり腰を起こし、2日と4日に鍼治療と矯正をしたのだ。腰が痛くて唸っていたが、2度の治療でだいぶよくなり、きのうのコンサートを無事終了することができたといって報告かたがたもう一度治療に来たのだ。

はじめはお辞儀ができるかどうかさえ心配だったが、舞台に上がる前にきれいに痛みが消えてしまったそうだ。バッハの曲を3曲、長いのは1曲50分。それを1時間半あまりの長い時間、まったく痛みを感じることなく弾けたという。治療が効いたのは嬉しいが、人間、切羽つまれば少しぐらいの障害は突破してしまうものではないだろうか。

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2006.11.04

ほどほど

80を過ぎた女性が背中や腰、ひざの痛みで長年治療にきていた。うちの治療を気に入っていたからだ。ところが、先日キャンセルの電話があり、しばらく姿を見せなかった。どうしたんだろうと思っていたら、けさ予約が入り、ひざをかばうようにしてやってきた。

話を聞くと、息子が通っている鍼灸院に連れていかれたのだそうだ。そこでくスポーツマッサージのようなことをやられ、かえってひざを傷めてしまったという。ぐいぐい引っ張られたり、押されたりして、痛みがひどくなり、2週間ほど動けなくなってしまったという。

その治療院では、高齢者に若い人と同じような治療をしてしまったらしい。高齢者はからだが硬いし、骨はもろい。注意しないと、かえって関節を傷めたり、へたをすると骨折さえしかねない。人それぞれに応じて、治療内容を変えていかなければならない。わたしも注意しよう。

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2006.10.31

乳がんの術後痛

昨年、乳がんの手術をした60代の女性が、手術の痕が誰かに鷲づかみされるようにキリキリ痛むといって治療にみえている。きょうで9回目の治療をしたが、前回の治療のあと2日間ほど痛みから解放されたという。もっと早く痛みが取れると思っていたが、想像以上に手ごわい痛みだった。

最近では乳がんの手術をしても、そのあと痛みが残ることは少なくなった。昔は腕が丸太のようにむくんでしまう人がいたが、手術方法が進歩したせいか、術後の痛みに苦しむ人は減っている。ただ、この患者さんの場合、ふつうより大胸筋やリンパ節を大きく切り取ったのが原因で痛みがつよく残ったらしい。

初めはからだを優しくゆすり、それに鍼治療をして軽く筋肉をほぐした。2回目からは、治療後、円皮針という2㎜ほどの置き針をした。3回目には低周波通電をしたり温灸も加えた。した。しかし、なかなか痛みがとれない。5回目ぐらいのとき、二日ぐらい痛みが軽くなったという。そして、きょう、前回の治療のあと2日間ぜんぜん痛まなかったというのである。

本当は痛みが再発したらすぐ針治療をすればいいのだが、忙しい人でなかなかスケジュールがとれない。5日も6日も間隔があいてしまう。それでも、これからはどんどん痛みが軽くなってゆくだろう。もともと永遠に痛むなんてことはありえないのだから。

乳がんの術後痛の治療は、簡単に言えば、針の刺激や温灸の熱さを加えて本来の痛みを紛らわすのがひとつ。あとは、血行をよくして酸素や栄養を大量に患部に送り込み、傷の修復をすすめることだ。これが治療の狙いである。漢方的な表現をすれば、気をよくめぐらすということになる。

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2006.10.30

1日5粒

Ginnan2

先日、登戸稲荷神社で拾った銀杏の実を5日ほど水に漬けてふやかし、ビニールの手袋をして皮を剥き、1週間ほど天日に干したら、白いぎんなんの種がとれた。これをきのうから食べ始めている。ほろ苦いが不思議な甘さもあって美味しい。

大人でも一日5粒ぐらいがいいと聞いている。そこで封筒に10粒入れ、これを1分ほど電子レンジにかける。封筒の中でパンパンとぎんなんが弾けて皮が割れる。封筒は何度でも使える。白い皮を剥くと、濃緑色のぎんなんが出てくる。ゴムのようなプニュプニュした食感があるが、これがなかなかいける。

電子辞書の「食の医学館」をひくと、カロテン、ビタミンC、カリウムが豊富とある。カリウムは、とりすぎたナトリウムを排出するから血圧上昇を防ぐ。したがって、高血圧の予防に有効である。また、ぎんなん特有の成分にギンコライドというのがあって、血栓を防止して生活習慣病を予防するほか、脳のはたらきを活性化し、ぼけを予防する。などと書いてある。

漢方では、滋養強壮、咳止め、喘息の改善に用いられるという。膀胱をあたため、尿意を抑えるため夜尿症や頻尿の治療にも使われる。やはり、毎日5、6個がよいとされている。

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2006.10.26

太ももリラックス法

ゆうべの「ためしてガッテン」は肩こりの解消法についてだった。ひとつはヨガの脱力法を使ったものだ。息を吐きながら脱力することによって、筋肉の緊張をとるという方法である。息を吐いてゆくと筋肉は緩む性質をもっている。それによって凝りを取ろうというのである。

もうひつとは「太ももリラックス法」という方法だ。椅子にすわって、両手の手のひらを太ももの上に置く。そして、まず両手が温かくなってゆくことをイメージする。もともと太ももは血管が多く温かい場所なので実際に手が温まっていく。両手から両腕全体、そして両肩や首まわりまで温まるとイメージするのである。それによって、しつこい肩こりが10分ほどで治ってしまうというのである。

自律訓練法でも、手が重くなる、手が温かくなるなどとイメージをして心を落ち着かせてゆくが、それと同じように自己暗示をかけて肩こり取る方法である。そのとき、実際に温かい太ももに両手を置くことが決め手になるという。一日3回、2週間もやると、はっきり効果がでてくるそうだ。

うちでは、肩の上げ下げや肩回し、あるいは各種のストレッチングをすすめている。筋肉を伸縮させれば血行がよくなり、からだが温まり、結果的に凝りが取れると思うからだ。これを毎日やればいい。そのことが間違っているとは決して思わないが、問題は、こうした運動を「実行」する人が少ないことである。ま、そういう人が治療院に来てくれるということだろうか。

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2006.10.16

オサカナスキネ

主治医が見つかる診療所」とかいう番組で、秋津先生が血液を健康にする食べ物を覚える方法を紹介していた。「おさかなすきね」、これである。これを目安にして食事を考えれば健康でいられるという。もちろん、がんこにこれを守る必要はないが、頭に入れておくとよい。それで、その「おさかなすきね」とは何か?

お:お茶
さ:魚
か:海藻
な:納豆
す:酢
き:きのこ類
ね:ねぎ類

お茶はカテキンやポリフェノールが、魚にはEPAやDHAが、海藻にはミネラルがふくまれているというぐあいに、それぞれ理由がある。ただ「おさかなすきね」の語呂が面白いので書いておく。

こんどの土曜日は、生田緑地で多摩区民祭開催。当日は日本民家園、岡本太郎美術館などが入場無料になるとか。

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2006.10.05

頚椎ヘルニア

40代半ばの男性が、頚椎ヘルニアだと診断されたがなんとならないかと言って、首にカラーを巻いて治療にみえた。MRIではっきりヘルニアがあるといわれたそうだ。しかし、ヘルニアがあって脊髄を圧迫しているからといって、それが永遠に治らないわけではない。多くは安静によって炎症がおさまり、出っ張っていた椎間板も自然に引っ込んでしまうことも少なくないのである。

名前は忘れたが、ヘルニアの手術ばかりをしていたある有名な外科医が、あるときとつぜん手術をやめて、保存療法だけをやるようになったという話を聞いたことがある。手術という治療方法に疑問を持ったからだそうだ。手術をするとなると、その前にいろいろ検査が必要になる。ところが、そのあいだに腰痛や首の痛みなりが治ってしまうことが多いのだそうだ。手術をしなくても治るのなら、2、3ヶ月も安静やリハビリをしいられる手術なんかしなくていい。そういって、その先生はヘルニアの手術をやめてしまったというのである。

まず、患者をうつぶせにさせて、背中の上のほうに鍼を打つ。それだけで、左腕の痛みとしびれが楽になってゆくという。それから鍼を抜いてからだを優しくゆする。つぎに仰向けになってもらい、首をいろんな方向にもっていく。すると、大きく前屈させたときに痛みがらくになることがわかった。逆に、首をそらせると左腕全体が痛み、しびれるという。これで頚椎の7番がおかしいことがわかった。さらに頚椎の6番、5番あたりも前屈変位がある。だが頚椎7番の治療を5分以上かけてていねいに行うと、腕や肘、指先のしびれが消えた。

まだ、胸椎1、2番の前屈変位もありそうだが、これでひとまず大きな変位は取れた。本人もずいぶん楽になったと喜んでいる。この患者はむかし大きな交通事故に遭っている。それが年をとって出てきたのではないかと思う。交通事故はこわい。

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2006.10.03

カギがつまめない

Yubi0140歳ぐらいの男性が、右手の指が痛いといって治療にみえた。車のキーを持つだけでも痛く、エンジンをかけるときズキンとくるらしい。要するに、親指の腹を人差し指の腹につけて力を入れると痛い。あるいは、親指の腹を人差し指のわき腹につけて力を入れると痛いというのである。(写真左)

カウンターストレインの治療では、痛いほうとは反対方向に、痛みの取れる方向にもってゆけばいい。そこで右手の親指と人差し指でものをつまむという動作を分解してみた。やってみると、親指はその根元(拇指球)あたりで、右側から左側に移動する。解剖学用語でいうと、第1中手骨を左にあおるように動く。それから、親指の腹を相手側に押し付けるために拇指球のすぐ上の関節を屈曲しようとする。この二つの動きが合わさって、カギを持つという動作を行い、これが痛いというのである。

指の関節を痛い方向とは反対方向にもっていけばいいのだから、まず、親指の第1中手骨を外側に倒し、さらに巻き起こすようにする(写真2)。つぎに、親指の第1中手基節関節をそらして伸展してやればいい(写真3)。これをそれぞれ自然な力で3分くらい固定し、ゆっくり戻したら、指の痛みは半減した。もう3分ほど繰り返すと、さらに痛みは軽くなった。帰りに治療室のドアのカギをまわしてもらったが、もう痛くないという。これを毎日自分でやるように伝えて、治療を終了した。

Yubi02 2    Yubi03

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2006.10.02

手術後の痛み

乳がんで乳房を全摘した人がみえた。乳房を摘出した部分がずっと痛むというのである。最初の日は、胸の肋間の圧痛点に細い針を打ってみた。本来の痛みに鍼の痛みを乗せればらくになることが多いからだ。それでも、ぜんぜん痛みが取れないというので、きょうは小さいお灸をしてみた。ごま粒ほどの大きさのお灸をチカッとすえた。

お灸をすえれば小さな火傷ができる。それを修復しようとして血液が集まってくる。そのとき手術で傷めた箇所も同時にあるていど修復され、痛みが和らぐのではないかと期待してのことだ。もちろん、本来の痛みにお灸の熱刺激を載せれば、痛みがやわらぐのではないかとも思う。いずれにしても痛みは薄紙を剥がすようにしてしか治らないかもしれない。

この二つの方法がだめなら、こんどは肋骨の矯正をやってみようと思っている。肋骨は背骨についているが胸側はかなり動くので、上下に変位したりねじれたりすることがあるからだ。ま、永遠に痛む痛みは存在しない。これは事実である。

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2006.09.21

チアリーダー

インターネット経由で新患が3人みえた。2人は腰痛だったが、ひとりはチアリーディングをやってる若い女性で、右手がしびれるという。整形外科で頚椎5番の椎間板ヘルニアがあると診断され、牽引治療をしている。チアリーディングは激しいスポーツだ。カウントに合わせて組み体操のようなことをやる。「人が降ってくるんですよ」というが、とくに下になるものは上の人の体重を支えなければならないから大変だ。

ボディクッションにうつぶせになってもらい、上部胸椎のわきに細い針を刺していく。3本目ぐらいで「手のしびれはどうですか?」と聞くと、「軽くなってきました」という。針で上背部をほぐすと、手のしびれはほとんどなくなった。整形外科では首を重視するが、カウンターストレインでは上部胸椎を重視する。なぜなら、胸椎1~5番から出る交感神経が腕の血管の収縮に関与しているからだ。実際、上部胸椎に針をするとしびれが和らぐ。

それから、腕神経叢に細い針をして低周波をかけた。さらに頚椎の矯正を加えた。胸鎖乳突筋や斜角筋をカウンターストレインでゆるめると、しびれはきれいに取れた。まだ、あちこち傷めているらしいが、治療の方向はこれでいいようだ。効果がてきめんで、治療のしがいのある患者だった。

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2006.09.14

指先のしびれ

60代の女性が、両手の指先がビリビリしびれるといって治療に来ている。忙しい人なので1週間おきにしか治療にこれないが、少しずつよくなっていくようである。ピアノやパステル画を教えているが、もう自分でピアノを弾いても感覚がはっきりしないのであまり弾かないようにしているという。

きょうは、胸椎の3、4番の前屈頚椎の7番の前屈の治療を重点的におこなった。指先は肘の少し下のつぼに針を刺して低周波を流し、総指伸筋をぴくぴく動かしてゆるめているが、この方法では一向にしびれはとれない感じだ。これは患部治療である。根本治療として脊椎もみているが、脊椎は上体を前屈させたとき少ししびれがらくになる。

とくに頚椎の7番のところで前屈させると、しびれが、本人の言葉でいうと「かなりやわらかくなる」という。そこで、頚椎7番の治療に時間をかけた。頚椎7番のところで大きく前屈させ、そのまま5分以上その体勢を保つ。そこからゆっくり、ゆっくり、頭をもどすしていくと、またしびれが再現する。が、前ほどではない。だから治療法は間違っていない、ただ、何度か治療を繰り返す必要があるのだ。

しびれがらくになるのは本人がいちばん分かるようで、10月に2回分まで予約をしていった。いっそ、仕事を休んで週2回ほど治療をすれば、ぐんぐんよくなるのにと思うと歯がゆいが、忙しい人は仕方がない。

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2006.09.09

足首の捻挫

ねんざはカウンターストレインでよく治る。何十年も前のものでも、数回の治療でよくなることが多い。たとえば、いま通ってきているS君は、1年半ほど前にフットサルで左足首を捻挫したという。明らかに左足首がひとまわり太く、座りダコのできるあたりに大きな腫れ物ができている。この腫れ物は滑液嚢のうという袋で、関節の潤滑液が入っているが、その炎症が治っていないのだと思う。

1回の治療で、足首の腫れが半減し、さらに驚いたことにあんなに腫れていた滑液嚢もほとんど消えてしまった。骨盤の矯正と、左足首の外反、背屈のカウンターストレインを行っただけである。圧痛点を見つけ、それを折り込むように関節を曲げ、2、3分ほど固定し、ゆっくりゆっくり戻していっただけである。歩き方もスムースになった。

2回目に来たときは「ものすごくらくになりました」と喜んでいた。きょうは4回目で、アキレス腱の付け根の圧痛が残っていたのでそれを取った。あと一回で終了の予定だ。本人もよろこんでいるが、わたしも嬉しい。

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2006.08.11

パニック障害

若いときに交通事故をやり、背中を強打した。そこが今でも重く、うずく。脳脊髄液減少症という病気がある。髄膜に穴が開いて脳脊髄液が漏れていると、わけのわからないような不定症状が出るという。めまい、不安、動悸、頭重感、などだ。わたしにもこうした症状があるので脳脊髄液減少症の可能性もある。しかし、その治療法はブラッドパッチといって、自分の血液で脳脊髄液の漏れをふさぐ方法で、成功率も6割あまりとあまり高くない。

もうひとつ、パニック障害という病気がある。パニック障害というのは、パニック発作をくり返す病気である。パニック発作は、なんの前触れなく突然あらわれ、だいたい数十分でおさまるのが特徴である。つよい不安感、死ぬのではないか、気が狂ってしまうのではないかなどと感じる。同時に、動悸・呼吸困難・過呼吸・めまい・発汗・ふるえ、などの体の症状があらわれる。夜中寝ている最中、運転中、雑踏の中、満員電車の中など、どこでも起こる。一度起こすと同じ場所に行くのを避けたり、また起こるのではないかと不安になったり(予期不安)する。わたしの症状は、こちらにもかなり近い。

こんな症状が出るようになってから、かれこれ十年以上になるだろう。男の更年期ではないかと思って、男性ホルモンのチェックもしてみたが異常はない。脳神経外科でCTを撮ったり、胃カメラや大腸内視鏡の検査をしたり、ホルター心電図をつけたり、心エコーや腹部臓器のエコーをかけて、徹底的にからだの検査をした。それでも異常はない。しばらくは降圧剤も何種類かのんだ。鍼灸治療をしてもらうと、背中がらくになるが、残念ながら一時しのぎになってしまうのは否めない。

今年の6月、インターネットで調べて、新しい心療内科に行ってみた。初診に45分ぐらいさいてくれて、じゅうぶん話を聞いてくれた。それで、パニック障害に間違いないと診断され、SSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)と2種類の薬を併用して治療していこうということになった。あれから2ヶ月近くになるが、体調が非常によいくなった。めまい、頭重、動悸、不眠、発汗などものとんど消えた。毎朝、20分ぐらい歩いているせいか、血圧も下がり、脈も60代に落ち着いた。とうぜんのことながら、医者の腕にはそうとう差があるなと再認識している。

ちなみに、パニック障害については「NPO法人:全国パニック障害の会」がくわしい。

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2006.08.06

坐骨神経痛

白州の野外コンサートに出かけて、地面に長いあいだ座っていたら坐骨神経痛になってしまったという60代の女性がみえた。白州といえば山梨県で、南アルプスの麓だから寒いところだ。3週間前のことだという。医者に行って鎮痛剤の座薬をもらっているがほとんど効かないという。いままで病気らしい病気はしたことがないらしい。

うつ伏せになってもらって、腰や背中をていねいに揺する。これだけで骨盤まわりや腰椎、胸椎、頚椎などの関節がゆるめることができる。この人のからだを服の上からさわるとかなりの冷えを感じる。本人はコンサートを聞いているあいだ、それほど寒くなかったというが、足腰や背中から私の掌にジーンと冷えが伝わってくる。なんとなくからだの芯から冷えを感ずるのである。

腰にホットマグナー(交流磁場)をかけ、腰や背中を温めて、さらに鍼をしてからだをほぐす。それから骨盤の傾斜を矯正し、右の臀部の坐骨神経に3寸の細めの鍼をした。ふくらはぎとスネに響くようにしてしばらく置く。その後、膝と足首の間の痛みが残ったので、そこには温灸をした。これで腰や臀部の痛みは半減したようである。

直接のきっかけはいろいろあるが、痛みの背景には「冷え」と「疲労」があることが多い。長時間からだを冷やすと血行が悪くなり、筋肉を傷めることがある。とくに同じ姿勢を長く続けていれば姿勢筋が疲労し、なおさら血行が悪くなり、それが神経痛やぎっくり腰の間接的な原因になっていることが少なくないのである。うつ伏せでやるお尻振り体操、あおむけでやる腰ひねり体操をすすめて、治療を終えた。冷えと疲労が原因だから保温と休養が最善の治療ということになる。筋力がある人なので5,6回の治療でなおるのではないだろうか。

●きょうは広島の原爆記念日なので、8時15分には黙祷。いつも涙が出る。

●それから菩提寺のお施餓鬼。長い説法に舟を漕ぐ、落語でもやっとほしい。
 御詠歌も眠くなる。それから片付け仕事。塔婆は直接墓地へ持っていく。

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2006.07.26

大腸内視鏡検査

上腹部につかえるような感じがあるので、先日は胃カメラをのんだ。胃はなんでもなかったが、そのとき予約しておいた大腸の内視鏡検査の日が今日だった。前日の夜9時以降は食事をしないで、当日の朝8時から下剤を飲み始める。その量が半端じゃない。2リットルだ。下剤は気の抜けた炭酸のようで、あまりおいしくない。それでも薬だと思って無理して飲む。

1時間ぐらいすると便意がついた。はじめは硬かったが、徐々に軟便になり、やがてシャーというひどい水溶性の下痢になった。8回から10回ぐらいトイレに通っただろうか。やがて、お腹が空っぽになった。トイレにはウオッシュレットがついているので助かる。これがなかったら肛門がひりひりしただろうに。

午前中の患者の診療がすべて終わった時点で、処置室に呼ばれる。後に穴のあいた大きな紺の紙パンツをはく。右手に腸の働きを抑える点滴を受ける。左の人差指には血流系をはめる。それから、左を下にして横になる。いよいよ検査の始まりだ。

Daicho_1 内視鏡は直腸のあたりでウロウロしている。直腸が硬く締まっているのと、それから上のS字状結腸のあたりの構造が複雑なので、先生が慎重に内視鏡を進めているらしい。内視鏡の角度によっては腸壁を突っつかれてヅキンと痛む。下行結腸から横行結腸への移行部、横行結腸から上行結腸への移行部、それに盲腸、回盲部あたりが狭いらしく、けっこうきりきり痛むことがある。

モニターを見ていると、わたしの大腸の内壁はとてもきれいに見える。ポリープもなさそうだ。未消化の玄米の粒なんかも見える。ゆっくりと写真を撮りながら内視鏡が抜かれてゆくと、思わず「ありがたい時代になったものだな」と呟いた。腸の中をカラービデオで撮ることができるんだもの。こんな時代に生きていられることを心から感謝した。

ガスが出るとらくになりますからオナラをしてもいいですよ」と看護婦さんの声。そんなことを言われても若い看護婦さんの前でオナラをするなんて・・・。だが少したつと、なるほどガスが溜まってきた、そして、ブーッと長~いオナラがでた。お腹がいっぺんに楽になった。それからもう一度、もっと長~いオナラが出た。あ~あ、色男も台無しだ。あとはトイレに行ってお尻を洗っておしまい。

診察室で先生から写真を見ながら説明を受けた。大腸の内壁はみんなきれいでポリープも痔もなかった。安心していいですよ、とのこと。肛門や大腸に内視鏡でいじくり回された感じは残ったが、悪いものがなかったのでホッとした。またこの検査を受けたいかと聞かれれば、即答はできない。ま、貴重な体験ではあった。

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2006.07.24

そり腰

インターネット経由で、30代の女性が腰痛の治療にみえた。健康優良児のようだが腰や肩が痛いいう。腰まわりに鈍痛があるというから、てっきり前屈(腰曲がり)障害だろうと思って検査を始めた。そうしたら、それほど前屈はない。むしろ左骨盤が前屈し、腰椎の3、4、5番は後屈している。つまり、そり腰ぎみなのである。腰痛の大半は前屈変位だが、たまにこういう後屈変位があるので油断できない。

うつ伏せにして脊柱起立筋を細い針でゆるめ、それから左下肢を持ち上げるようにして、左骨盤の前屈をつくり、同時にと左腰椎の3、4、5番を反らせた。からだのクセに合わせるのだから、患者さんは気持ちがいい。3分ほどそのまま固定し、ゆっくりゆっくり下肢をベッドに下ろす。それで痛みは半減したようだ。この女性は正座をした状態から、手をつきながら後ろに倒れることができるので、その体操をすすめた。真向法の第4体操である。反り腰は反らせれば、そのクセがとれるのである。

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2006.07.20

指のしびれ

ピアノの先生が治療に来た。60代の女性で、両手の指先がしびれるという。大学病院でMRIを撮ってもらったら、首のところの頚髄が狭くなっているという。肩こりは10年来のものだが、3ヶ月ぐらいまえにペットが後足を悪くし、それを両手で持って中腰で毎日散歩させていたのが原因ではないかという。腰もふらふらするらしく、大腿前面に力が入りにくいという。お医者さんの診断は、変形性頚椎症、脊柱管狭窄症とある。握力は左が18、右が28しかない。

まず背中と腰を優しく揺すってゆるめ、上部胸椎に針をして上肢の血行をよくする。それから腰椎に針をして下肢の血行をよくする。それから肘に針をして低周波をかけ、手の痺れをゆるめる。これでだいぶ症状がらくになったようだ。あとはカウンターストレインで胸鎖乳突筋をていねいにゆるめた。頚椎7番が前屈しているのだ。それに、腕神経叢に細い針をする。これで歩き方もだいぶシャンとしたし、手の痺れもとてもらくになった。だいぶ時間がたっているから、週一で3ヶ月ぐらいは治療するようだろう。

いま整形外科で首の牽引をしているが、ほとんど効果がないらしい。首の牽引ではしびれが悪化するケースも報告されている。脊髄が椎間板で圧迫されているのかもしれないが、手術しなくても、姿勢をなおしたり、骨の変位をカウンターストレインで矯正したりすればらくになると思う。時間がたつと自然に治るという報告も少なくない。あせらず時間をかけて治療してゆこう。

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2006.07.18

歩いたら血圧が下がった

約一ヶ月半ほど前、一時180/110ぐらいにまで上がった血圧が下がってきた。最初は内科で心電図や心エコーなどの検査をし、降圧剤を処方してもらった。それでも下がらず、薬を強くしたりした。胃部の不快感もあるので胃カメラものんだ。しかし、自分では運動不足ぎみだなと思ったので、毎朝少しずつ歩くようにしてみた。はじめは15分ぐらいで、だんだん30分ぐらいまでのばした。すると血圧が目に見えて下がってきた。

医者からもらった降圧剤も自分で調節して、効き過ぎるようなときは呑まないようにした。ほぼ130/90ぐらいに安定してきたので降圧剤をやめてみた。べつにパニック障害の傾向があるので、そちらの薬だけはのんでいる。低いときは115/75ぐらいになる。あとはときどき背中に鍼灸の治療をしてもらっている。

患者さんには運動するようになんて言っているわりに、自分が運動不足になっていれば世話がない。やはり、人間も動物、文字通り、動くべき物なのだ。毎日2、30分歩いていると、日増しに脚力がついてくるのがわかる。恥ずかしながら、運動の大切さを身をもって実感している今日この頃である。

早朝歩き一ヶ月
かくじつに
血圧が下がってきた
人間は動物
やっぱり動くのがいい

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2006.07.02

背中の鈍痛

40代の男性が、背中が痛いといって治療に来た。一ヶ月前から痛み出し、整形外科に行ってもよくならないという。からだを前に曲げるのはたいじょうぶだが、うしろに反らすと痛がる。うしろに反らすと痛いということは、からだがどこかで前屈変位を起こしているのだろうと予想がつく。

うつぶせにして背骨の凸部をさがすと。5、6番がでっぱっている。そのあたりに針を刺して関節をゆるめる。それから座位になってもらい、胸の前面の圧痛を調べていった。のどの下で胸骨の上のくぼみに圧痛があれば、胸椎1番の前屈変位があるのだが、それはない。その3㎝下は胸椎2番。さらに3番、4番と調べてゆくが圧痛がない。5番、6番にきたとき、「そこが痛いです」という。左右の乳首を結んだ線の3㎝ぐらい下だから6番である。

At6この圧痛によって、第7胸椎の上で第6胸椎が前屈しているのがわかる。カウンターストレインの治療は、変位を誇張してやればいい。患者を床に足を投げ出して座らせ、背中を丸くしてもらう。右手で圧痛点をモニターしながら、左手で患者のからだをさらに前屈させてゆく。胸郭のまんなかなので多少力を入れないと前屈しにくい。やがて圧痛が消える位置が見つかった。そのまま2分ほどじっと我慢。それから、ゆっくりゆっくり体を起こしていく。すると、あら不思議、背中の痛みはほとんどなくなってしまった。

きのう2度目の治療にきたが、ぐあいはどうと聞くと、「一日目はまだ痛みがありましたけど、翌日からはぐんと楽になりました。七割ぐらい痛みが取れました」というから嬉しいではないか。もういちど同じ治療をていねいに繰り返す。このぶんだと3回ぐらいの治療で完治するかもしれない。

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2006.06.27

ひざ体操

先日、「ためしてガッテン」でひざの痛みを話題にしていたが、いままでの常識が間違っていた、と大げさにぶっていた。いったい何ごととう思って見ていたら、安静にするより大腿の体操をして血行をよくすればいいという内容だったので拍子抜けした。その体操というのが、10年ぐらい前からうちで出しているパンフレットのものと同じだったからだ。ただ、体操をすすめても実行する人が少ないので、こうしてテレビでその重要性を訴えてくれるのはいいことだ。

ひざの痛みを予防・治療する体操は、①足上げ体操、②横上げ体操、③はさみつけ体操、の3つである。それに何かにつかまって立ち、ひざ曲げ運動というのを加えていた。

Hizataiso ①足上げ体操
あおむけになり、ひざを伸ばしたまま、かかとを10㎝上げる。5秒たったら下ろす。これを20回くりかえす。反対側のひざは立てておく。左右おこなう。

②横上げ体操
横向きになる。ひざを伸ばして、足首を水平まで(約10㎝)あげる。5秒たったら下ろす。これを20回くりかえす。反対側のひざは立てておく。左右おこなう。

③はさみつけ体操
足を前に投げ出してすわる。足先は開く。両手をお尻の横うしろについて、上体をささえる。サッカーボールなどをふとももの間にはさみつける。5秒たったら下ろす。これを20回くりかえす。反対側のひざは立てておく。ボールがなければ、枕などで代用する。

以上3つの体操を朝昼晩、1セットずつおこなう。この体操は、痛むひざを曲げないでできるのが味噌。あとは無理をしないで加減すればいい。

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2006.06.20

胃カメラ初体験

みぞおちのあたりがつかえる感じがするので、初めて胃カメラをのんだ。朝食を抜いて近所の病院に行く。ベッドに仰向けになって、氷の玉を口に入れる。それが体温でゆっくり溶けていく。これが、のどの麻酔だ。つぎに左を下にして横になる。こんどは胃の動きを止める注射を肩にする。そして、もう一度、のどの奥にスプレー麻酔をかける。そしてマウスピースをくわえて準備完了。

アンテナの同軸ケーブルより少し太く、先端が青く光るホースのようものが目の前に近づいてくる。それがあっという間にのどに入ってきた。「はい、だいじょうぶですよ、もう一番苦しいところは通りすぎましたからね」と先生。鈍い圧迫感があったが、麻酔のおかげでほとんど苦しくない。それからシューッシューッという圧縮空気を送る音が聞こえたと思うと、胃袋がふくらみ始めた。あまりいい感じではない。目の前に先生の手元が見える。エアーを送ったり、ホースをねじったり、忙しそうに胃カメラを操作している。その手際のよさに見とれてしまう。

時間にして3、4分たただろうか。カメラがゆっくり引き抜かれていった。あとは唾液をぬぐって検査は終了。口の中が軽くしびれた状態だが、1時間もすれば水が飲めるようになるという。すこし休んでから先生の説明を聞く。胃カメラで撮った写真がモニターにずらりと映し出される。デジカメの威力だ。咽頭から食道、胃本体から十二指腸までのカラー写真を拡大しながら見てゆく。「安心してください。とてもきれいですよ」という先生の声にホッとする。自分で見ても、胃壁のひだがきれい写っているのが分かる。

直前に撮った腹部エコーの写真も異常はなかった。肝臓にのう胞があるが、悪いものではないらしい。すい臓、腎臓、胆のう、膀胱、前立腺も大丈夫という。医療の日進月歩のため、お医者さんも看護師さんも、器械の扱い方や画像を解析する能力が高く要求される時代になっている。

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2006.05.29

下肢内旋症

小学一年生の男の子がひざの治療に来ている。運動会の練習中に転んで左ひざ膝を打ち、だんだん痛くなり、足先を床につけられなくなったという。最初、治療室に来たときはケンケンしてきた。元気はいい。よく転ぶそうだ。下肢がかなり内旋しているので、そのせいではないかと親は心配している。

検査をすると、たしかに足先が内側に入っている。あおむけになると、左右の足先がぶつかってしまう。鼠径部に細い鍼を打って大腿四頭筋をゆるめ、カウンターストレインで骨盤調整をおこない、下肢内旋と後十字靭帯の治療をした。3割ぐらいしか痛みはとれなかったが、ようすを見てもらうことにした。翌日、同様の治療をした。まだ痛みはあるが足を床につけることができるようになった。

その後、ふつうに歩けるようになったが、5日目ぐらいたったとき、昼寝をして起きたら痛くなったという。ふたたび同様の治療をし、ひざにサポーターをかって、あまりあばれないように言い聞かせた。前よりはずっとよくなっている。

ひざが痛いと本人はいうが、股関節内旋が原因しているのはまちがいない。足先が内側に入りすぎているのでうまくバランスがとれず転んでしまい、その結果、ひざの関節を傷めてしまうのだ。ネットで調べると、3、4歳ぐらいまでの下肢内旋ならかなり強くても自然に治るという。7歳だと微妙なところらしい。カウンターストレインでも根気よく治療をすれば改善すると思う。しかし親が心配するので、小児整形専門病院のホームページをプリントアウトして渡してあげた。親というものは、つくづくありがたいものである。

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2006.05.23

そりひざ

両膝が痛いといって20代の男性が治療に来た。暮れあたりから毎日5キロぐらい走っていたが、4月ごろから痛みだしたそうだ。整形外科でいろいろ診療を受けたが、だんだん痛みが強くなってきたという。熱も、腫れもない。しゃがむことはできるが、屈伸時に変な音がする。伸ばすほうがらくなようだ。

仰向けで膝を検査すると、お皿の下にぐりぐりしたものがあって、押すと痛がる。ここに圧痛があるのは、大腿四頭筋の付着部が異常緊張している証拠である。長時間立ちっぱなしだったり、急にしゃがんだりしたときに傷めることが多い。治療は膝の関節を過伸展してやればいい。どうやるかというと、足首に丸めたタオルか枕をかい、膝をベッドのほうに押し込むのである。

左足のほうが痛いので、左足首に角枕をかった。すると、それだけで膝が妙に反るので驚いた。右膝も反る。ためしに、肘を反らせてもらうと、案の定、こちらもよく反る。いわゆる、猿手というやつで、肘が180度以上伸展するのである。膝はなんと呼ぶのか知らないが、「そり膝」とでも呼んでおこう。これは多分に先天的なものだろう。普通の人よりかなり反るが、痛みがとれれば日常生活に支障はない。

Exkneeそり膝でも足首に角枕をかえば、膝とベッドの間が少しは空いているので、膝をゆっくり押し込んでゆく。膝の裏はほとんどベッドにつきそうだ。押されるのが気持ちいいというから、伸展ひざ(過伸展したひざ)に間違いない。2分ほどしてから、ゆっくりゆっくり戻してゆく。両膝この治療を行い、さらに大腿四頭筋をゆるめる鍼をする。そして歩いてもらうと、痛みはほとんどとれた。

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2006.05.09

ひざの痛み

50代の女性が、左膝が痛いといって来た。スーパーで立ち仕事をしているが、仕事を終えて歩きだしたときガクッとなったそうだ。膝を伸ばすのは平気だが、深く曲げることができないという。立ちっぱなしで疲労していること、体重が多いこと、冷房が強かったこと、などが原因らしい。

検査をすると、骨盤と腰椎の変位は少ないが、膝のお皿の下に強い圧痛点がある。これは膝が過伸展している証拠である。膝のお皿の下の膝蓋靭帯が異状緊張をしているのだ。針治療をしたあとカウンターストレインでこの異状緊張をとることにした。

膝蓋靭帯の治療は、仰向けの姿勢で足首に枕をかい、膝関節をベッドに押し付けるようにして過伸展すればいい。変位を誇張するのである。そうすれば過伸展をつくっている筋肉がたるみ、2分ぐらいしてゆっくりゆっくり戻してゆけば異状緊張がとれる。

長時間、立ち仕事をしていたので大腿四頭筋が疲労して縮んでいたのだろう。冷房のせいでよけい硬くなっていたのかもしれない。そこへ急に膝を曲げるような動作をしたので、そうさせまいと膝蓋靭帯(大腿四頭筋の一部)が異状緊張を起こした。だから、膝を曲げようとするとズキンと痛むのだ。

よくみると、左膝の上のほうが腫れている。下腿の上で大腿がせり出しているように見える。そこで十字靭帯を検査した。すると前十字靭帯も異状緊張しているので、これもカウンターストレインで矯正した。帰りはふつうに歩けるようになった。そんなときの患者さんの嬉しそうな顔が、われわれへのなによりの報酬である。

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2006.04.16

ねんざの後遺症

50代の女性。ひざの治療をしてだいぶよくなったが、右ひざの後ろの痛みが取れないという。ふくらはぎの外上端あたりが痛むらしい。ふくらはぎの筋肉は、ひざの裏から始まり、アキレス腱を介してかかとに付いている。ひざの裏から始まるのに、ひざの動きにはあまり関与せず、もっぱら足首を底屈させる。たとえば、爪先立ちなどのときに使う筋肉である。

Talそこで足関節を検査すると、案の定、足首の前内側につよい圧痛点が見つかった。これは距骨きょこつの圧痛点で、足首の内反および内旋変位があることを示している。足首の捻挫ではこのタイプが多い。治療は変位を誇張してやればいい。つまり、足首を内反させ、さらに内旋させる。そのまま2分ほど固定し、ゆっくりゆっくり戻せばいい。これで、ひざの裏の痛みがいっぺんに楽になった。ねんざの後遺症があったらしい。ひざの裏の痛みが足首の治療で治った面白い症例なので、ここに記録しておく。

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2006.03.28

バセドウ病

甲状腺機能亢進症をバセドウ病というが、この病気を患っている人は意外に多い。自分から「バセドウ病です」と宣言してあるく人は少ないから、気がつかないだけである。ほとんどが女性で、男性は一割にも満たない。バセドウ病の主症状は、眼球突出、頻脈、るい痩だが、かならずしも目が出たり、痩せたりするとはかぎらない。

つぎのような症状がいくつか重なって現れる。
いらいらする、疲れやすい、息が切れる、感情的になる、集中力が落ちる、手がふるえる、暑がる、汗が多い、甲状腺が腫れる、食べても食べても痩せる、食欲が異常にある。その他に、筋力低下、生理不順、脱毛、頻脈、動悸、不整脈、むくみ、、複視など。

バセドウ病は血中の甲状腺ホルモン濃度を測定すれば診断できる。重症の場合は甲状腺を切除したり、放射線を当てるが、メルカゾールなどの特効薬を服用すれば一年ぐらいで正常になることが多い。表参道の伊藤病院が甲状腺の専門病院として有名である。

甲状腺の治療を受けている人は筋肉が硬い。抗甲状腺薬の副作用なのだろう。ふくらはぎがつったり、関節が痛くなったりすることも多い。そのような場合でも、血行をよくする目的で鍼灸や手技療法をおこなえば、かなり症状が取れる。本人もからだを冷やさないようにし、毎日すこしでもからだを動かすことが大切である。

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2006.03.24

らくな姿勢

腰痛はとにかく楽な姿勢を探して休むにかぎる。激痛であっても、どこかに痛みがスッと抜ける場所がある。わたしの場合は右腰が痛いが、意外に右足に体重をかけたときに痛みが軽くなる。そして少し反り返ったとき、さらにフッとらくになる。立っているときも、横になっているときも、絶えず楽な姿勢を探すように心がけている。野性の動物は本能的にそういう姿勢をとってじっとしているのだろう。

けさ第3腰椎後屈のカウンターストレインの治療をしたら、腰が嘘のようにらくになった。そうしたら、こんどは左腰に痛みを覚えるようになった。けっきょく、左右の腰を傷めていたらしい。腰痛も3日目になるが、だいぶ軽くなった。ありがたや、ありがたや。

体験して
知ること

これに
勝るものはない
なにごとも

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2006.03.23

腰の後屈

きのうの朝から痛みだした腰が、江ノ島に行ったり、鎌倉に行ったりしているうちに悪化し、帰りの電車では焼けるような痛みになった。大股では歩けないし、くしゃみをするとズキンとくる。椅子に座ると、こんどは立てなくなる。楽な姿勢というのがごく限られていて、そこからずれると痛みで腰が抜ける。夜9時ごろ布団に入り朝8時ごろまで寝たが、起きるとまだ痛む。

痛みが軽くなるのは、ほんの少し腰をそらしたときだ。いろいろ考えているうちに、お中日の朝、天井の蛍光灯の掃除をしたのを思い出した。丸型の蛍光灯が4個ついたシャンデリアに埃がたまり、細いクモの糸がついているのが見えた。それで丸イスに乗っかって、ガラスを割らないように一つ一つ掃除機をかけたのだ。これが意外に手こずって時間がかかった。そのときは、たしかにからだを反らす姿勢が多かったはずだ。

京子に圧痛点を調べてもらうと、腰椎3番が右後方に倒れている。さっそく、カウンターストレインで矯正したが、痛みは半分ぐらいしか取れない。炎症のつよいときは、何をやってもあまり効果がないときがある。なによりも休養が大切なのだ。ただ、腰痛の患者さんの辛さが分かるのでいい体験である。

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2006.03.18

外反母趾には爪先立ち体操を

060317t03健康にかかわるテレビ番組はHD内蔵のDVDレコーダーに録画しておき、あとで時間のあるときに見ることにしている。そうすると、CMをカットできるし、1.3倍速で見たり、どんどん早送りすることもできる。つまらなければ削除してしまえばいい。きのう録画した「はなまるマーケット」では外反母趾をとりあげていた。

外反母趾の人には「幅の狭い靴を履かないように」と話してきた。西洋人の足は前後に長く、日本人の足は幅が広い。遊牧民は速く歩くため、農耕民族は踏ん張るため、そのような足型になったといわれる。足の横幅の広い日本人は下駄や草履を履いていた。それが西洋人と同じように靴を履くようになり、足を横から締め付けるようになった。ハイヒールなどは足先が尖がっていて、外反母趾の人の足先は靴の型にそって変形してしている。だから、幅の狭い靴が外反母趾の原因であることは疑いない。

ところが、東京厚生年金病院の田中尚喜さんによると、外反母趾は靴のせいだけではないという。足の横のアーチが少ない人にも起こるというのだ。足の前後のアーチのないのを偏平足というが、足の横のアーチのないのは開張足という。開張足とは、文字通り、足の指の付け根あたりがぜんぶぺったりと床についてしまう。この開張足の人が外反母趾になりやすいそうだ。

足の横のアーチは、おもに内側の後脛骨筋と外側の長腓骨筋がつくっている。その筋肉が弱るとアーチが平らになってしまう。アーチが平らになると開張足になり、母趾が外反しやすくなる。だから、外反母趾にならないようにするには、あるいは外反母趾をなおすためには、この二つの筋肉を強化すればいい。

それには爪先立ちをするといいそうだ。両足をそろえ、膝を開かないようにして爪先立ちをし、そのまま5秒維持する。これを10回、朝晩おこなう。1週間ほどやるだけで外反の角度が大幅に減少するという。肛門をキュッと締めるようにするのがコツらしい。

ま、理屈はさておき、「外反母趾には爪先立ち体操を」と覚えておこう。

はなまるマーケット

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2006.03.07

肩甲骨の痛み

きのう、右の肩甲骨の付近が痛いという40代の女性が見えた。肩甲骨の内側から脇の下のほうにかけて痛み、夜も眠れないという。2週間以上前に発症し、整形外科に通っていたが痛みがとれなかったそうだ。感染症や内臓の病気はないらしい。思い当たるのは、寒い日に野球の応援に行ったことぐらいだという。デスクワークで背中が張っていたところに、寒さが加わって血行障害を起こし、なにかのはずみに筋肉に思わぬ負担がかかって傷めてしまったのだろう。

左肩にくらべて右肩が高い。右側の首と肩のあいだの筋肉が緊張して肩を引っ張り上げているのがわかる。右肩甲骨の外縁がひどく硬く、もりあがっている。熱はない。指で触ると、飛び上がるほど痛がる。細い筋線維か毛細血管などが切れているのかもしれない。

鍼治療は初めてなので、いちばん細い鍼で右側の脊柱起立筋、菱形筋、肩甲骨周囲のかたいところを刺していった。鍼はぜんぜん痛くない、気持ちがいい、という。つぎに温灸をして筋肉をほぐした。それから、カウンターストレインで圧痛点のつよい筋肉から緩めていった。広背筋、肩甲下筋、胸鎖乳突筋などだ。これで痛みがだいぶ取れた。

今日また来院したが、きのうの痛みは半分以上とれたといってニコニコしている。なんでも12時間ぐらいぶっ通しで眠ったそうだ。きょうは、小円筋、棘下筋、僧帽筋のカウンターストレインを加えた。これでゆっくり休めば9割ぐらい治りそうだ。痛みがひどくて動かせないときは鍼灸がいい。動かせるようになったら、らくな姿勢で固定して痛みをとるカウンターストレインが効く。鍼灸だけでなく手技療法を勉強しておいて本当によかったと思っている。

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2006.03.04

飛蚊症

80歳の女性が膝の治療にみえている。膝の変形がひどくて完治は望めないが、痛みが軽くなるのでよく治療にくる。その女性が仰向けになったとき、空中に虫が飛んでいるという。猫が手招きするようなかっこうをして虫を取ろうとしている。実際に虫が飛んでいるわけではないので手で捕まえることはできない。飛蚊症ひぶんしょうだ。

「飛蚊症は老化現象で、目のレンズが濁っているのです。白内障のはしりですよ」と説明した。いつもこんな説明をしていたが、きょうは、ちょっと不安になった。そこでネットで調べてみた。すると老化現象であるのは間違いないが、目のレンズ(水晶体)ではなく、眼球のなかにあるゼリー状の硝子体がらすたいのなかに不純物ができたために起こる現象だとある。ゼリー状の物質の一部が網膜からはがれて不純物が生じ、それが視野に入ったとき虫が飛んでいるように見えるのだそうだ。ぶどう膜炎や網膜はく離などの前駆症として現れることもあるが、多くは危険はないので、慣れれば気にならなくなるという。

飛蚊症になったが自然になおってしまった人も少なくない。鍼灸治療で眼球周辺の血行をよくすればなおるのではないだろうか。なおらないまでも、進行を遅らせることはできると思う。飛蚊症は白内障のはしりではなかった。また、シッタカブッタ。

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2006.02.28

顔面まひ

2年前に顔面マヒの治療をしてかなり改善した男性が、また通ってきている。74歳。今回は左の動眼神経マヒと診断されたという。血管の異常も腫瘍もないらしい。2月10日にはじめて来たときは、たしかに左目が外側に向いてしまっていた。ものが二重に見えるという。

上部胸椎から交感神経が出て顔面を支配しているので、背中や肩まわりに鍼をした。顔面はいちばん細い鍼を浅く刺し、そのあと糸状灸をした。遠赤外線やカマヤペットで温めたり、表情筋をマッサージしたりして血行をよくするような治療をおこなった。首の筋肉もカウンターストレインなどを使ってゆるめている。

3回目の治療のあと、孫に「おじいちゃんの目が開くようになったね」と言われたそうだ。その頃から眼球も元に戻りはじめた。きょうで6回目だが、眼球の外転もほとんど分からなくなった。おととい、脳神経外科で「びっくりするほどよくなった。薬はやめましょう」と言われたそうだ。まじめな人で、週2回きちんと通ってくる。うちでは合計10回の治療を予定している。

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2006.02.07

ぎっくり背中

明け方、トイレの窓がほの白いので開けてみると、5cmほど雪が積もっていた。篠竹がお辞儀をしている。もう雪はやんでいた。寒いけれど、湯たんぽのおかげでよく眠ったようだ。

あさ、すこし雨が降り始めた。気温が高いので雪はどんどん融けてゆく。傘をさして第六天神にお参りに行ったとき、木の上からシャーベット状の雪が落ちてきた。傘が傾いていたので、雪は左の首筋に当たった。驚いてとっさによけたのだが、そのとき左の背すじを傷めてしまった。ツキンときた。やばい。

時間が経つとともに、背中の痛みがつよくなった。からだを静かに動かして痛みが取れる姿勢を探し、カウンターストレインの自己治療をこころみた。しかし脱力がうまくいかないせいか、痛みは取れない。けっきょく、治療室で京子に鍼を打ってもらい、温灸をしてもらった。それでだいぶらくになったが、まだ少し痛む。

朝はからだが硬いせいもあるが、足もとが悪いのにサンダル履きで出たせいもあるだろう。地面がぬかるんでいたのでバランスをくずしたにちがいない。やはり、気を抜いたときが危ない。左の背中は、むかし交通事故で打っているので弱点でもある。

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2006.01.30

気は長く

天海大僧正は江戸時代にあって108歳まで生きたという。
その天海が残した歌にこんなのがある。

気は長く
勤めは堅く 
色薄く 
食細うして 
心広かれ

長命は 
粗食正直 
日湯陀羅尼
だらに 
をりをり御下風 
あそばさるべし
 

上の歌は、「短気をおこさず、まじめに仕事をし、性欲におぼれず、暴飲暴食をしないで心を広く持てば、健康で長生きができる」という意味。下の歌は、「長生きをしたければ、粗食を心がけ、正直に暮らし、毎日風呂に入り、お経を読み、そして時々思いっきりオナラをしたらいい」という意味。

江戸時代には車も電車も、電気もガスもなかったから、人々はよく歩き、よくからだをよく使った。だから、これに「からだをよく動かせ」というのを付け加えれば、いまでも十分通用する養生訓である。

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2006.01.26

ひざの痛み

ひざが痛いといって、60代の女性が杖をつきながらやってきた。年末に駅で転んで左ひざを打ち、その数日後、こんどは公園で孫を抱いていて転び、同じところを傷めたという。近所の整形外科に行ったが、骨に異常がないから湿布をして様子をみるようにと言われたそうだ。それでも痛むので、うちにやってきた。

左ひざが腫れているが、あまり熱はない。打撲の炎症はだいぶ収まっている。ただ、触ると痛がる。それに仰向けになったとき、左ひざが浮いている。まっすぐに伸びないのだ。このひざは曲がりたがっている。

まず膝の下に枕をかい、腫れている部分に数本鍼を刺し、そのあと小さな灸をすえた。温灸でなく直接灸だが、ゴマ粒大の艾もぐさなので熱さは一瞬だ。経験的に、お灸はひざの腫れによく効くのがわかっている。患者は、鍼も灸もとても気持ちがいいという。

つぎに、ひざ関節を検査すると、内側側副靭帯と前十字靭帯が硬縮しているのが見つかった。これをカウンターストレインで矯正する。とくに前十字靭帯をたるめる姿勢に持っていったとき、患者は「気持ちがいい」を連発した。カウンターストレインの治療姿勢がピタリと決まったとき、患者はえもいわれぬ快感を味わうことがある。

治療後、ベッドから降りると、痛みがだいぶらくになったようだ。患者は「嘘みたいです」といって喜んでいた。歩き始めが痛かったのに、ぜんぜん痛くないというのである。次回は、骨盤と腰椎の検査をしよう。

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2005.12.26

急性腰痛

きのう、腰痛で這うようにして40代なかばの男性が来た。腰を曲げ、何かにつかまっていないと立っていられない。どうしたのか聞くと、パソコンの上のプリンタに手を伸ばしたときに腰にピリッと痛みが走ったという。一日中、椅子に座って設計の仕事をしているそうだ。

痛みがひどくて、ボディクッションにも乗れない。そこで、いちばん楽な姿勢でいいからベッドに寝てもらう。横になって丸まっている姿勢が楽だという。そのままの姿勢で腰に細い鍼を刺していった。それから時間をかけてゆっくりと仰向けになってもらい、カウンターストレインの治療を行った。右骨盤の後屈と第2腰椎の左回転変位を矯正した。来たときより大分ぐあいがよくなって、帰っていった。

きょう、また見えたが、痛みは半分以上とれたようだ。まだへっぴり腰をしている。でも、自分ひとりでベッドに横になることができた。鍼をして温灸を加える。それから両膝を立て、さらに空中であぐらをかくような姿勢をとらせてみた。腰を丸くしている癖がつよいので気持ちがいいという。こうすると大腰筋がゆるむ。そのまま3分ぐらい固定して、ゆっくり戻す。これに、右骨盤の後屈と第2腰椎のねじれを矯正して治療を終わる。

服を着て出てきたこの患者さん、なんと腰をスッと伸ばして歩いているではないか。まだ怖くてびくびくはしているが、腰の痛みはぐんと楽になったようだ。治療のあとは1、2時間ほど横になって休むよう、そして、できるだけ保温と休養をするように伝えた。痛みがひどかっただけに、こういう患者さんは治療のし甲斐がある。

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2005.12.20

よく噛む

うちでは患者さんに「歯みがきガム」をあげている。噛むことの効用が大きいからである。私は4年ほど前、奥歯が痛み、ぐらぐらになって抜けそうになったとき、歯茎を強くする目的でこのガムを噛み始めた。歯茎を刺激すれば血行がよくなり締まってくると思ったからだ。はじめは痛いのでそおっと噛んでいたが、だんだん強く噛めるようになった。そして、まだ奥歯を抜かないでいられる。その体験から、噛むことの大切さを学んだ。

日本咀嚼学会というのがあるそうだ。けさ、理事である斎藤滋さんが、ラジオで「噛むことの大切さ」を話していた。それによると、よく噛むことは歯を強くするだけでなく脳を活性化させ、記憶力を高めたり痴呆の予防になったりするという。著書『かむ力生きる力―親から子に伝えたい』の目次を転載しておく。

病院があるから大丈夫それは自己管理ですか
健康へのスタートは噛むことから
噛むと記憶力がアップする
「食育」こそ生命を守る教育
噛んで食べれば太らない
噛むことが生活習慣病の予防になる
美人はしっかり噛んでいる
ガムを噛んでストレス解消
口が達者な高齢者は脳も達者
健康で長寿を願う「歯固め」で自己管理

ある患者さんの娘さんが過食症で太ってしまった。そのとき、よく噛めば痩せられると聞いて、これを実践したという。一回食べ物を口にいれたら100回噛む。実際に100まで数える。とうぜん、食事の時間が1時間以上かかる。しかし、効果は確実だった。2年足らずのあいだに12kgの減量を達成したそうだ。いまでも、よく噛んで食べているという。

小泉首相も、選挙期間中は車の中でおにぎりを食べることが多いそうだが、そのとき一口100回噛むことにしているそうだ。政治家はからだが資本、倒れたらおしまい。だから、よく噛んで食べることを実行している。小泉さんが痩せているのは多忙のせいだけではないようだ。

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2005.11.24

ボディークッション

60代の男性が、ふくらはぎがだるいといって治療にみえた。丸々とした体を支えるには足が細すぎる。煙草をやめてから肥ってしまったというが、平均体重を20㎏ぐらいオーバーしている。20㎏のお米の袋を手で持ったらかなり重い。足は無言でその重さに耐えているのだ。鍼治療でだるさは取れたとしても、体重を落とさなければまた戻ってしまうだろう。

その患者さん、うつ伏せで治療をはじめてまもなく眠り込んでしまった。ひざの裏に鍼をして低周波通電をしているうちに軽い鼾をかきはじめたのである。リズミカルな刺激が心地よいのだろうが、うつ伏せの姿勢でもらくに休めるボディークションを使っていることもある。これは抗重力マットとも呼ばれ、からだがうまく脱力できるようになっている。

cushion

cushion2

10年ぐらい前、京都の国際鍼灸学会に行ったとき、会場で実際にうつ伏せになってみて気に入ったので購入したものだ。ボディークッションが届いた日、試しに乗ってみたらたちまち眠り込んでしまったのを覚えている。無重量状態を体験したような感じだった。うつ伏せになっても深呼吸ができるすぐれものである。

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2005.11.22

筋トレのやりすぎ

gym30代の女性が胸の痛みで治療に来ている。2ヶ月ほど前、スポーツジムでマシントレーニングをやりすぎて傷めたらしい。呼吸をするのも痛いし、寝返りを打つのも痛いという。筋肉痛なら1週間ぐらいで楽になるのだが。

うつ伏せになって背中の圧痛をみると、背骨、肋骨、首など、どこもかしこも過敏で、痛がる。そこでまず背骨の両脇に細い鍼を刺して痛みをやわらげた。それから座った姿勢で胸の圧痛を検査した。すると第3胸椎の前屈変位があることが分かった。その変位を再現するような姿勢に持ってゆくと圧痛が消えたので、そのまま3分ほど固定し、ゆっくり戻していった。

つぎに首を調べると、右の首すじ(胸鎖乳突筋)が硬く緊張している。第7頚椎の変位だ。これは重要なので5分ぐらい時間をかけて、ていねいに緩めた。他にも肩まわりの治療をしたが、この二つがメインである。

きのう2度目の治療をした。前の治療がどのくらい効いたか心配だったが、7割以上なおったというのでホッとした。こんどは骨盤を調整し、残っていた胸椎の前屈変位を矯正した。さらに、肋骨の治療を加えた

2ヶ月も苦しんできた痛みが、1、2回の治療でずいぶん楽になったことになる。いつもこううまくいくとは限らないが、たまにはこういうこともある。患者さんの喜ぶ顔を見るのは、なにより嬉しい。

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2005.11.17

腹式呼吸

きのうの「ためしてガッテン」は呼吸法。腹式呼吸を行うと血行がよくなり、ストレスが緩和され、冷え症や不眠症にも効果があるというような内容だった。呼吸を脳と自律神経のはたらきで説明していたのが面白かった。

ストレスを受けると交感神経が優位にはたらき、筋肉が緊張し、血行がわるくなる。これが続くと、不眠、高血圧、胃腸障害など、さまざまな問題が起こる。リラックスした状態になると副交感神経が優位にはたらき、血行がよくなる。

ヨガや座禅の呼吸法は、意識的に吐く息を長くすることでリラックス効果を高めている。吸うと吐くの割合は1:2ぐらいにするといいそうだ。

  息を吸う  → 交感神経(筋肉を収縮させる)
  息を吐く   →  副交感神経(筋肉をゆるめる)

腹式呼吸のやり方は、手をお腹に置いて、ゴムボールを押しつぶすようなイメージでできるだけゆっくり息を吐く。息を吐き切ったら、ゴムボールに勝手に空気が入ってきてふくらむようなイメージを浮かべて息を吸う。

ヴィパッサナー瞑想法ではできるだけ自然な呼吸を観察するが、眠気や雑念が多いときはすこし強めの呼吸に変える。呼吸に意識を集中させるためだ。わたしはこの時、吐く息をできるだけ細く長くするようにしている。吸う息と吐く息の割合は3:1ぐらいになっていると思う。そうしているうちに心が落ち着いてくる。

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2005.11.14

飛び込み

40代半ばの男性が飛び込みで首を傷めたといって来た。5mの高さからプールに飛び込んだとき、脚を開いてバランスをくずし、首をのけぞるようにして顔面を水面にたたきつけたという。両足を伸ばしてきちんとそろえていないと真っ直ぐに水に入れないそうだ。

sharapoa痛くてあまり首が動かせない。仰向けになってもらって喉の両側に手を触れると「イタッ!」と叫ぶ。鎖骨のつけ根あたりもひどく痛がる。首の両側にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)という太い筋肉を傷めたようだ。この筋肉は首を横に向けるとよく見える。耳の後ろから喉の下のほうに走る長く強い筋肉で、スポーツ選手などはよく発達していてはっきり分かる。

胸鎖乳突筋という名前は、胸骨の上端と鎖骨の内端から出て、耳たぶの後ろの乳様突起に付いているのでその頭文字をとったものだ。そのはたらきは、首を(1)前に曲げ、(2)横に傾け、(3)反対側に回転させる。左右にあって、右の胸鎖乳突筋は、首を前と右横に倒し、左に向かせる。左の胸鎖乳突筋は、首を前と左横に倒し、右に向かせる。

仰向けで左右を同時にゆるめようとしたが痛みがきれいに取れないので、別々に治療することにした。それぞれ圧痛が消える位置を見つけ、3分ほどそのまま固定し、ゆっくりゆっくりもどすと、あら不思議、胸鎖乳突筋の痛みが消えた。帰りには天井を向けるようになった。2、3日、無理な動き、速い動作をしなければ自然に治るだろう。

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2005.11.10

ぎっくり腰撃退術

ゆうべの「ためしてガッテン」はぎっくり腰がテーマだった。ぎっくり腰というのは病名ではなく、とつぜん襲いかかる腰痛の俗称だ。通常は腰椎ねんざ、急性腰痛症などと呼ぶ。青森のほうでは「きくらへんき」というそうだが、あれは「きっくら疝気」が訛ったのではないだろうか。

ぎっくり腰になるのは次ような場面で、長いこと曲げていた腰を急に伸ばしたときや、不意に腰を伸ばしたときに起こる。くしゃみをした時も、瞬間的に腰を曲げてから伸ばしている。からだがそれをとっさに危険と察知し、反射的に腰を反らさないようにする。それが持続して腰を伸ばせなくなってしまうのである。

 ・本を書架に戻した時
 ・急に振り返った時
 ・床に落ちた物を拾った時
 ・長時間運転をした後背伸びをした時
 ・くしゃみをした時
 ・サウナで体重計から降りようとした時(私の場合)等々。

ぎっくり腰をやると腰の筋肉がカチカチに緊張する。これは椎間板に過度の負担がかかって痛み物質が放出されて激痛を起こし、その連鎖反応で腰の筋肉が硬くなるのだという。以前は往診をしていたので、腰が痛くて身動きができず、あぶら汗を流している人を何人も見たものだ。こんなとき鍼はじつによく効く。腰の痛みに鍼の痛みを乗せて元の痛みに干渉し、結果的に腰の痛みを軽減させるのだ。

choyokinレントゲンで見ると、正常な腰椎は反りぎみになっているが、ぎっくり腰のときは腰椎がまっすぐになっているのが分かる。番組では腰の筋肉が緊張しているとしか言わなかったが、それだけではない。腰椎の前側にある腸腰筋が過緊張を起こしているのである。だから、へっぴり腰になってしまうのだ。

腸腰筋というのは、大腰筋、小腰筋、腸骨筋から成る長大な深部筋である。とくに大腰筋はT12~L4の腰椎の側面と椎間板から起こり、お腹の奥を通って鼠径部から大腿骨の内側に付いているので、腰を曲げる主動筋になっている。

ぎっくり腰の場合、これらの筋肉が異常収縮を起こしているのである。それが証拠に、腰をまるめれば痛みがやわらぎ、腰を伸ばそうとすると激痛が走る。

ぎっくり腰をやったら、いちばん楽な姿勢をとり、じっと横になっているにかぎる。ほとんどの場合、膝を抱えるぐらい腰をまるくすると楽になる。2、30分ぐらいそのまま休み、それからゆっくりゆっくり元に戻してゆけばいい。これで痛みは半減するだろう。

ぎっくり腰の予防は、疲労をためないこと、冷やさないこと、そして筋肉を驚かさないことだ。不意の動作、速い動作がいちばん危ない。長時間おなじ姿勢が続いた後などは、ゆっくり動くようにすればいい。

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2005.11.05

ぎっくり背中

golf 50代なかばの男性が、右の背中が痛いといって治療に来ている。ゴルフの素振りをしていて傷めたらしい。最初に診たときは、右の背筋が左の3倍ぐらい腫れていた。軽い肉離れを起こしたようだ。あんまり痛がるので、鍼で痛みをとるだけだった。

2度目の治療にみえたとき、骨盤と腰椎の矯正を行った。それで少し楽になったが、まだ腫れがある。この患者さんは、上体が右に、下体が左にねじれている。そこで、そのねじれを誇張するような姿勢をつくり、そのまま3分ほど固定し、ゆっくりゆっくり戻していった。この姿勢をとると右の広背筋がたるむのだ。それを脳が学習すればOK。これが奏功して、いっぺんに痛みが楽になった。

きょう来院したが、もう仕事をしていても気にならなくなったという。前回と同じように、まず鍼で硬い筋肉をほぐし、それからねじれを誇張する姿勢をつくり、変位を矯正した。上体を右に、下体を左にねじり、3分ほど固定し、ゆっくりゆっくり戻していったのである。これでほぼ痛みは消えたので様子をみることにした。

ふつう、ゴルフをする人は左の背筋を傷める人が多い。左の背中を軸にして上体を左回転させるからだ。ところが、この患者さんは逆である。上体が右にねじれている。スイングの準備のために一端からだを右にねじる、いわゆる、テイクバックのほうに変位しているのである。

ねじれの方向から判断すると、テイクバックの練習をしすぎたか、打った後のフォローが大きすぎて右の背筋がブレーキをかけたのか、そのいずれかが原因だろうと思われる。

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2005.10.29

顎関節症

20代の男性
20代の男性が左あごが痛い といって治療に来ている。4日前にはじめて来たが、そのときは顎の硬くなっている筋肉にいちばん細い鍼をして、カウンターストレインで咬筋をゆるめる治療をした。それから頚椎の矯正もした。その日と翌日はかなり楽だったが、また痛くなったという。

きょうは、骨盤と腰椎の矯正も加え、さらに背中や肩の凝りもほぐした。それから、顎関節のまわりの硬いところに鍼をし、カウンターストレインで矯正した。治療後はだいぶ楽になり、カックンという音もしなくなった。休みが取れないので、1週間後に次の治療をすることにした。

あごが細い
いまの若い人は顎が細い人が多い。親子は顔が似るから骨の形は遺伝性のものと考えていい。しかし、それにしても顎の細い顔が多い。これは明らかに、硬いものを食べなくなっせいだ。昭和30年代ごろまでは、子供もけっこう硬いものを食べている。スルメ、酢こんぶ、かき餅など、よく噛んで食べた。味噌汁のだしをとった煮干も食べた。

いまの子の好物はカレーやハンバーグだろう。あまり硬いものは食べない。大人だってそうだ。グルメ番組が目白押しだが、みんな「ワーッ、やわらかくて美味しい」なんて言っている。「噛みごたえがあって美味しいですね」などという言葉はあまり聞かない。これでは、歯も顎も弱くなって不思議はない。

よく噛む
しいのみ学園の曻地三郎先生は、ラジオ番組で長寿の秘訣を問われて、「30回噛むことです」と話していた。母親に教わったことを100歳になっても実行しているのだそうだ。現代人の咀嚼回数はせいぜい10回ぐらいではないだろうか。これでは顎は弱るし、唾液もじゅうぶん消化力を発揮できない。

ためしてガッテン」によると、ストレスで歯を食いしばっていることも原因らしい。そういう人はガムを噛むといい。うちでは、カネボウの「歯みがきガム」をすすめている。これは歯周病なんかにもいい。私はこのガムのおかげで、グラグラになった歯を5年も持たせている。

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2005.10.24

スリング

スリングというのが、若いママさんたちの間で静かなブームになっているそうだ。赤ちゃんを胸に抱くときの抱っこヒモのようなものだ。木綿の丈夫な布に赤ちゃんを包み込むように入れて、ハンモック状態にして肩から吊るすものだ。ときどき見かけるが、なかなかファッショナブルでもある。

スリングを使うと、赤ちゃんがまるくなって子宮の中にいるような状態になる。これが背骨の生理的なS字湾曲をつくるのに役立つという。昔の赤ちゃんはワラかごや揺りかごに入れて育てられたが、あれももちろん理にかなっている。背中が丸まると、自然に首が反り返る。しっかりと首がすわり、好んではいはいするようになる。

背骨の生理的湾曲は、脳への衝撃を吸収したり、複雑な動きのバランスを取るのに重要だ。だが、最近この湾曲が少なくなってきているという報告がある。背中を伸ばしたまま寝かせているので首が反らず、はいはいができない子が増えているそうだ。大人でも背中の湾曲が少なくない人が多い。極端にいうと、棒のようになってしまっている。猫背も問題だが、まっすぐ過ぎてもよくないのである。

漫画家のフクダカヨさんも、ずっと前からスリングの愛用者だ。

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2005.10.09

そけい部の痛み

30代なかばの男性が左の鼠径部が痛いといって、びっこを引いて来た。20年前に同じところが痛くなって、あちこちの病院でいろいろ検査したが原因が分からなかったそうだ。そこがまた痛くなったというのである。太ももの前側全体がしびれるようだという。しいて言えば、大腿神経痛ということになる。年を取って古傷が顔をだしたのだろう。

あんまり痛がるので、足を持ち上げたりする検査ができない。そこで仰向けになってもらい、患部の硬い筋肉に鍼をした。鼠径部と大腿四頭筋である。それから歩いてもらうと、少しらくになったが、まだ痛がる。

あらためて検査をすると、腰椎の3番がおかしい。腰椎の3番が4番の上で前屈し、かつ右に倒れている。それが原因で大腿神経が興奮しているのだろう。腰椎3番の治療姿勢をつくると、「ああ、これは気持ちがいい。らくです」という。私も原因が分かってホッとした。治療後はだいぶらくになったと喜んで帰った。

痛みのつよいときは検査がしにくいが、そんなときでも痛みのとれる姿勢はかならず見つかる。そうすれば、カウンターストレインでなんとか治療できるものである。

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2005.10.05

腸腰筋

寝たきり予防のためには筋力アップ必要だ。それには運動がいい。もちろん歩くのもいいが、それ以上に自転車に乗るほうがいい。今日の「ためしてガッテン」はそんな内容だった。わたしは毎日自転車で通勤している。片道15分だから往復30分ほどだ。このぐらいでは大した運動にはならないと思っていたが、これが意外にいいようだ。

歩くのも自転車に乗るのも、心拍数や消費エネルギーには大差がないらしい。自転車のほうが楽に感ずるのは、風が熱をうばうので爽やかだし、下り坂になれば惰性で走れるからだろう。しかし、上り坂になれば自分と自転車の両方を脚力で運ばなければならないから大変だ。

choyokin PETスキャンで調べると、歩くときはふくらはぎの筋肉をよく使っている。地面を蹴る筋肉だ。一方、自転車に乗るときは太ももの筋肉をよく使う。それだけでなく、深層の腸腰筋もよく使っている。だから、歩くより自転車に乗るほうが筋力アップにつながるのだそうだ。番組では、自転車に乗るだけで血管年齢が若返ったという実験を紹介していた。

ところで、腸腰筋というのは1本の筋肉ではなく、大腰筋、小腰筋、腸骨筋の総称である。大腰筋は腰椎の前外側から出て、おなかの中を通り太ももの付け根の内側に付いている。小腰筋は大腰筋を補助している。腸骨筋は骨盤の内面から出て、やはり太ももの付け根の内側に付いている。いずれも、太ももを引っ張りあげるはたらきをする。だから、この筋肉が弱ると、太ももが上がらなくなったり、腰が丸くなったりする。

ぎっくり腰にはいろんな種類があるが、この腸腰筋が異常収縮を起こしていることも少なくない。長時間しゃがんで草むしりなどをしていて急に立つと、この腸骨筋がおどろいて過度に収縮し、そのまま腰を伸ばせなくなるのだ。そういうときは、もう一度しゃがんで腰を丸め、2、3分してからゆっくりゆっくり立ち上がるとかなり痛みが消える。

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2005.09.22

上向きが苦しい

美容院で頭を洗うと気持ちが悪くなるという中年女性。バックウォッシュというのだろうか、椅子に座って後ろに倒れるようにして頭を洗うと、貧血のような症状が出るという。からだを反らす姿勢がダメなのだ。

からだを反らすとぐあいが悪くなるというのは、からだが前かがみになっているからだろう。そう思って検査をすると、左右の乳房の真ん中あたりに強い圧痛がある。これは第5胸椎の上で第4胸椎が前屈している証拠だ。圧痛が消える姿勢をとらせて固定し、3分ほどそのまま固定してからゆっくり戻していくと、痛みは半減した。

この症状はだいぶ古いらしいのでさらに3分ほど同じ姿勢で固定し、ゆっくりゆっくり戻していった。すると圧痛がきれいに取れた。これで脊柱の前屈変位がほとんど矯正できたはずだ。まだ首のところが変だというので、右の胸鎖乳突筋をゆるめた。すべてカウンターストレインで治療し、鍼は1本も打たなかった。

治療後、「こんなに気持ちがよくなったことはない」という患者さんの顔を見て、わたしも嬉しくなった。

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2005.09.18

治療は軽めに

40代の女性が7月から週一回治療にみえている。左の坐骨神経痛がひどかったが、それはほとんど治り、いまは主に右ひざの治療をしている。ひざは大腿四頭筋と後十字靭帯の治療をしている。

治療を終えて服を着たあと、右腰が痛くなったという。後ろに反っても痛くないが、前に曲げると痛む。思い当たるのは、腰椎の矯正にスラストを使ったことだ。スラストというのは変位を強制的にすばやく直す方法だが、患者さんがうまく脱力をしてくれないと筋膜を傷めてしまうことがある。それかもしれない。

もう一度ベッドにうつ伏せになってもらい、右下肢を持ち上げて腰を反らせ、その状態で2分ほど固定し、ゆっくりゆっくり戻していった。右腰は反ると楽だからだ。これで痛みはきれいに取れた。

やはり、つよい治療は気をつけなければいけない。あくまでも優しく、慎重に治療し、少しもの足りないぐらいで終えるほうがいい。治そう治そうとすると、往々にしてやり過ぎてしまう。過ぎたるは及ばざるが如しである。

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2005.09.09

腕が痛くありません

坐骨神経痛の治療にみえていた中年女性。きょうで4回目。左足のひきつれや痛みがほとんど消えた。その人が「左腕も痛いのです。後ろにやるとピリッと痛むのです」という。坐骨神経痛のほうが辛かったので、腕のことを話すのを忘れていたらしい。10年以上前、左肩が痛くなって、そのまま動きが悪くなったという。

検査をすると、たしかに腕を後ろに持っていくことができない。はじめ上腕二頭筋が硬縮しているのかと思って、その治療をしてみたが効果がない。つぎに肩が内側に巻き込んでいるためかと思って肩甲下筋の治療をしたが、やはり変化がない。それぞれ圧痛があるので少しぐらい変化が出てもいいはずなのに、古い障害だからダメなのだろうか。

つぎに、肘をからだから離すと痛がるので、これは肩関節の内転変位もあるようだと考え、その治療をした。肘を脇につけ、肩の方に押し上げるのである。この位置で3分ほど固定し、ゆっくりゆっくり元に戻していった。

服を着たあと、「肩のぐあいはどうですか」と聞くと、「あら、腕が後ろに行きます。痛くありません」という。たしかに、見た目にもだいぶ腕が後ろにいくようになった。彼女は、「長いあいだ苦しんでいたのに、嘘みたい」と何度も腕を後ろにやり、目に涙を浮かべていた。こっちも驚いた。たまに、ごくたまにこういうことが起こる。10年来の痛みが1回の治療で治ったりするのである。

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2005.08.07

腰のねじれ

30代なかばの男性が腰痛の治療にみえた。1時間ほど前、子供を抱いて台所の柵を越えさせたときに傷めたそうだ。針は初めてだという。

かなり広範囲が痛いというから前屈変位があるようだ。一般に、限局したシャープな痛みは後屈変位が、広い鈍い痛みは前屈変位があると予測できる。まずボディークッションにうつ伏せになってもらい、全身を優しく揺する。それから、細い針で腰の筋肉をほぐす。これだけで痛みは半減する。

くわしく検査をすると腰椎の2番から5番までが前屈し、右回転している。だから上体は左にねじれている。ということは、子供を右のほうから抱き上げて左のほうに降ろしたのだろう。状況を話してもらうと、やはり右から左へ移したという。腰の検査によって、傷めたときの格好がだいたい分かるのだ。

治療は傷めたときの格好を再現させればいい。あおむけで腰を曲げ、両膝を右にもってゆき、2分ほど固定し、ゆっくりゆっくり元に戻してゆく。最後に仙骨のねじれを矯正して終了。治療が早かったので、すぐ治ると思う。

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2005.07.31

プチ断食

アトピーの患者さんがみえたが、今日はことのほか皮膚がきれいだ。小学校の先生で、学校が夏休みに入ったため仕事が減り、夜更かしをすることがなくなったからだろう。睡眠不足や仕事のストレスがアトピーを悪化させることがよく分かる。

その人が、きのうプチ断食をしたという。1日だけの断食だ。金曜日の夕食を軽くとり、土曜日は三食とも食事を抜く。かわりに、野菜ジュースとサプリメントを飲む。そして日曜の朝、おかゆを食べる。きのうの夜は、さすがにお腹がすいて辛かったが、今朝のおかゆは涙が出るほど美味しかったと話していた。

皮膚がきれいになったのは、このプチ断食も効いているようだ。食事をとらなければ、からだは少なからず生命の危機を感ずる。そして、いろんな器官を総動員して健康を維持しようとする。いままで怠けていた細胞がいきいきと活動する。その結果、体調がよくなっていく。そういうことは十分に考えられる。

いま、多くの病気は「食べすぎ」から来ている。肥満、動脈硬化、通風、糖尿病、肝臓病、心臓病など、だいたいが過食や運動不足が原因である。たまにはプチ断食でもして、余分なものを捨て、からだを目覚めさせてやる必要があるだろう。

→プチ断食の方法(一例)

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2005.07.30

偏頭痛

30歳の男性が偏頭痛の治療にみえた。もう長いあいだ偏頭痛をわずらっているという。頭痛にはいろいろな原因があるので、くわしく問診をするようにしているが、病院で検査をしてもそれらしい原因は見つからなかったそうだ。

tenchu交通事故はないかと聞くと、6年前にバイクの事故を起こし、右足の大腿骨のひざに近い部分を骨折したことがあるという。注意深く検査をしてゆくと、後頚部の左側に大きなしこりがある。ちょうど天柱というつぼのところだ。

本人は気づかなかったようだが、おそらく事故で首を振られ、一種のムチウチ症を起こしたのだろう。ここは後頭神経が通るから、頭痛の原因になる可能性が大きい。

まず細い鍼で首や背中をほぐし、軽くストレッチをして緊張をとり、それからカウンターストレイン療法をおこなった。頚椎1、2番の左後屈変位の治療だ。

天柱のしこりは、その部分の筋肉が拘縮している証拠である。一般的には、縮んだ部分をストレッチして筋肉を緩めてゆく。だがカウンターストレインでは、縮んだ筋肉をたるめるようにして治療する。からだは何か理由があってその筋肉を縮めているのだ。縮めたい、伸ばしたくない。無理に伸ばせば怒る。

患者さんを仰向けにし、あごを上げ、天柱のしこりが一番やわらかくなるところを見つけて固定する。2分ほど患者さんに脱力してもらう。それから、ゆっくりゆっくり戻してゆく。これで天柱のしこりは半分ぐらいの大きさになった。古傷なので時間がかかるかもしれないが、偏頭痛はずっと軽くなるだろう。

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2005.06.27

イレッサ3

毎日新聞 2005年5月22日

英国に本社がある製薬会社「アストラゼネカ」が開発し、厚生労働省が02年7月に世界で最も早く承認した肺がん治療薬。当初は「副作用が軽い」とみられ、販売開始後に多くの患者が服用したが、重い副作用の報告が相次いだ。

4月22日までに間質性肺炎や急性肺障害の副作用があったとして国に報告された患者数は1555人、うち死者は607人。国外の臨床試験では患者の延命効果がないとの結果が出ているが、国内では一部の患者に効果が見られたとの報告もあり、使用法をめぐる議論が続いている。

毎日新聞 2005年6月18日

イレッサ使用に警告 米FDA
副作用の重い肺炎による死者が多発した肺がんの抗がん剤「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)について、米食品医薬品局(FDA)は17日、新たな患者にはイレッサを使うべきでないとする警告を出した。イレッサに延命効果はなかったとする臨床試験データを受けた事実上の禁止措置だ。ただし、使用中か過去に使った経験がある患者で、患者の利益になると医師が判断した場合は使用を認める。

イレッサについては昨年12月、日本を含まない世界28カ国での臨床試験の結果、患者の延命効果はなかったとのデータが発表された。今年5月に出た別の試験結果でも、効果は示されなかった。

日本は02年7月、世界で最初にイレッサを承認した。厚生労働省の検討会は今年3月、「昨年12月のデータを東洋人に限って見ると、延命効果が示唆された」とし、当面の使用継続を認めた。

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2005.05.27

しゃがめない

若い女性の患者さんが肩こりでみえた。パソコンにかじりつきなので首の後ろが硬い。とくに、首と後頭部の境目がこりこりしている。長時間、背中を丸め、あごを上げる姿勢をしているからだ。細い鍼をして、カウンターストレインでゆるめた。

この人は、ふくらはぎがむくんでいる。明らかに運動不足である。アキレス腱がひどく硬い。アキレス腱が硬いから、足首の反りがわるい。ストレッチングボードに乗ってもらうと、若いのに25度でヒーッヒーッ言っている。

「これじゃ、あなた、しゃがむことができないでしょう」
「はい、できません。しゃがむとひっくり返ってしまいます」
「じゃあ、和式のトイレが使えないでしょう」
「はい、和式のトイレは大の苦手です」

関節が硬いと怪我をしやい。血の巡りもわるくなる。こまったものだ。
和式のトイレなら、股関節、膝関節、足関節を一度にストレッチできるのに。

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2005.05.22

肩こり

「肩が凝っているので、お灸をしてもらいたいのですが」と言って、30歳ぐらいの女性が入って来た。針はダメらしい。痛いのがイヤなのではなく、針がからだに入ると思うだけで気持ちがわるいという。いろんな人がいるもんだ。

まず、からだを優しく揺すって背骨をゆるめ、肩や首をほぐす。それから温灸をした。温灸は気持ちがいいようだ。体温が低いからだろう。肩まわりは小粒の直接灸をしたが、これもあまり熱がらない。お灸をしてもらいたいという本人の直感は当たっていた。

この女性は背が高く、猫背ぎみである。圧痛点の検査をすると、第3胸椎が第4胸椎の上で前屈している。カウンターストレインでこれを矯正した。

   makko4  真向法第4体操

腰もまるいので、真向法の第4体操を試してみた。男性はあぐらをかくのでこの姿勢がとれない人が多いが、女性は正座するのでほとんどの人ができる。だが、この女性は苦しくてできないという。腰がまるくて、反れないのだ。

背中がまるいと背筋に負担がかかる。とくに長時間おなじ姿勢でいると、首や肩が硬くなる。やがて背中や腰も痛みだす。やはり、からだは適度に動かさなければいけない。からだを動かせば血の巡りがよくなり、簡単な凝りなどすぐに取れてしまう。

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2005.05.21

プロの選手

競輪の選手が治療に来た。全国各地を回っているが、レースのないときによく来てくれる。だが今日は、ちょっと痛々しい。左の人差指と右膝に包帯を巻いている。うしろの選手に引っ掛けられて落車したそうだ。上半身にはプロテクターをつけているが下肢には何もつけていないから、落車したら怪我はまぬがれないという。

多いときは、年に5回ぐらい落車することもあるらしい。ときには大怪我をすることもある。事実、この男性も鎖骨を折っている。椎間板ヘルニアの手術も受けている。収入はいいのだろうが、ほとんど命がけの仕事なのだ。

30キロや40キロのスピードで走っている自転車から落ちれば、ほとんどの人は首を傷める。重い頭を首だけでは支えきれないからだ。しかし、この人の首にはぜんぜん圧痛点がない。運動制限もない。プロの選手ともなると鍛え方が半端じゃないから、からだが本能的に受身の姿勢をとるのだろう。これは驚くべきことである。

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2005.05.19

手のしびれ

このところ家内が手のしびれを訴えている。指先から手のひらがしびれるらしい。しびれない時もあるので、あまり治療はしなかった。ところが、きのうの昼食のとき、箸が持ちにくいほど腕がしびれるという。そこで、あらためて検査をした。

すると右手の上腕二頭筋が硬縮していることが分かった。いわゆる「力こぶ」をつくる筋肉で、その付け根に強い圧痛がある。上腕二頭筋は肩の前2ヶ所から出発しているので、この名がある。2本は途中でいっしょになり、肘の下に付着している。

家内は重い荷物をいとわない。愛用のバッグも重いが、それにペットボトルが入ったトートバッグなどを平気で持ち歩く。それも肘のところで持つのである。肘を曲げて持つから上腕二頭筋が酷使されることになる。しびれはそれが原因かもしれない。

上腕二頭筋の異状緊張を取るには、それが十分たるむ姿勢をとり、ゆっくりゆっくり戻してゆけばいい。ふつうは、仰向けになって手の甲をおでこにのせた姿勢になる。微調整をして最もゆるむ位置を探し、そのまま2分ほど固定し、注意深く戻してゆく。

これで上腕二頭筋の緊張は3割ぐらい取れた感じがした。しびれもだいぶおさまった。いつもは寝るとしびれるらしいが、昨夜はらくだったようだ。きょう、また同じ治療をした。だいぶ、しびれが取れたようだ。しばらく、この治療を続けてみよう。

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2005.05.14

冷えと疲労

肩や腰の痛みの原因がとくに思い当たらない場合、多くは冷えと疲労が原因とみていい。冷えはこわい。からだは熱を奪われないように、筋肉を収縮させて血管を沈める。そんなとき無理な力がかかれば、筋肉を傷めてしまう。ぎっくり腰なんかも寒いときに起こりやすい。

わたしも20代のとき、サウナでぎっくり腰になったことがある。サウナから出て1時間ほどソファーでうたた寝をし、それから更衣室に行った。そこで体重計に乗り、降りる瞬間にギクッとやった。それっきり動けなくなった。あれなど明らかに冷え、というか湯ざめが原因である。

疲労は、からだの動かしすぎだけが原因とは限らない。からだを動かさなくてもりっぱに疲労する。むしろ、このタイプのほうが多いだろう。たとえば、一日じゅうパソコンに向かっている人は背中がコチンコチンになる。姿勢筋である脊柱起立筋が収縮しっぱなしで疲労してしまうのだ。

冷えも疲労も筋肉を収縮させ、血行を悪くする。だから肩こりや腰痛の予防は、冷やさない、疲労させないということになる。筋肉をゆるめる体操をしたり、筋力をつけるのもいい。もし筋肉を傷めてしまったら、だいたいは冷えと疲労が原因なのだから、保温を心がけ、じゅうぶんに休養をとれば自然に治ってしまう。それができないときは、せめて鍼灸治療などで早く痛みを取ってもらおう。

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2005.05.07

アーチェリー首

首のつけ根が痛いという30代の男性が治療にみえている。首のつけ根が痛くなると、咳が出るという。検査をすると背中の上のほうが前にまがり、首も前に落ちている。それを起こそうとして顎が上がっている。仰向けに寝ても顎が上がってしまう。

胸椎の1、2番がやや後に反り、左に回転している。話を聞くと、学生時代にアーチェリーをやっていたそうだ。弓を構えるとき、かなり首を左に曲げるという。頚椎を左に持っていくと、上部3つぐらいの胸椎も連動して左に回転する。そこで胸椎の1、2番が左回転変位を起こしてしまったらしい。

鍼で上部胸椎の関節部位をほぐし、患部を優しく揺すって緊張をとり、最後にカウンターストレインをおこなう。きょうで6回目になるが、首のつけ根の痛みも咳もだいぶらくになった。胸椎に異常があると交感神経が興奮して、筋緊張や血行障害が起こるのである。ほっておくと、五十肩や腕のしびれなどが起こる。

この症状をアーチェリー首と呼んでおこう。
上部胸椎の後屈左回転変位ではなんとも覚えにくい。

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2005.04.28

肩がうずく

60代後半の女性が、肩の痛みで治療にみえた。坐骨神経痛で1年近く整形外科に通っていたが、いつも右肩を下にして寝てばかりいたので右肩が疼くようになってしまったという。ま、五十肩に似た症例である。

骨盤を検査すると、左側がはっきり前屈している。それをカウンターストレインで矯正した。右肩はどの方向に動かしても痛がるので、とりあえず痛むところに針を打ち、それから温灸をした。患部が冷えていたからだ。

2度目に来たとき、坐骨神経痛はずいぶんらくになっていた。短い時間なら、左を下にして寝てもだいじょうぶ。だが、まだ肩は痛む。そこで胸椎や頚椎の治療を加えた。

きょう3度目の治療をした。もう一度肩甲骨を検査してみると、左は肉付きがいいが右はかなりやせている。右の肩甲骨を覆う筋肉が萎縮して、かたく、平べったい。長いあいだ右肩を下にして寝ていたので血行障害を起こし、筋肉がやせてしまったのだ。右肩が痛くて使えないので不用性萎縮も起こっている。

肩甲骨の筋肉(棘下筋など)に針を刺し、低周波通電をおこなう。筋肉がリズミカルに動くから神経マヒはないようだ。このポンプ作用で物理的に血行をよくし、萎縮した筋肉をやわらげれば痛みは取れるだろう。この患者さんは痛みがあるからまだいい。以前、前腕がだらんとなって感覚がなくなった人がいたが、この低周波治療で治癒している。

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2005.04.26

股関節の痛み

50代の女性が股関節の痛みで治療にみえている。20代のとき腰痛で病院に行ったら、股関節が浅いのが原因だといわれ、左右の股関節の手術を受けたそうだ。以後、股関節がひっかかるようになり、からだのあちこちに異状が出てきたという。最初は20分ぐらい、ひたすら話を聞いた。長く、つらい思いをしてきたようだ。

手術をした股関節の痛みがどれほど改善するかは分からない。しかし、いろんな方法があるので手を尽くしてみようということになった。

からだを揺すって背骨をほぐし、針を打ち、カウンターストレインで骨盤の矯正をおこなう。それから、大腰筋、梨状筋、小臀筋などの治療を加えていった。自宅でできる体操を3種類教えた。その体操は、(1)真向法第四体操、(2)あおむけ片膝立て腰ひねり、(3)うつぶせ片足カエル足である。

きょう5回目の治療をしたが、だいぶ具合がよくなった。自宅での体操もきちんとやっているようだ。熱心に通って来るので、こちらも気合が入る。きょうは大腿四頭筋の治療を加え、さらに(4)股関節まわしの体操を加えた。やっかいな疾患だが、少しずつ改善が見られるのはうれしい。

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2005.04.11

脳脊髄液減少症

spine交通事故の後など、頭痛や首、背中の痛み、めまいなどに慢性的に苦しみながら、医療機関では「異常なし」といわれることが少なくない。こうした症状が脳脊髄液の漏れによって引き起こされていることがある。これを脳脊髄液減少症という。

治療は、まずMRIなどで脳脊髄液の減少と漏出を確認し、それからブラッドパッチ治療をおこなう。ブラッドパッチ治療というのは、自分の血液を採取して患部に注入し、その血のりで穴をふさぐ治療法である。平塚共済病院・脳外科部長の篠永正道先生によると、「これまで700人を治療して、2割は1回の治療で劇的な効果があり、2、3回の治療で7割に改善が見られたという。

症状は、頭痛、めまい、頚部痛、背部痛、嗅覚や視力障害、微熱、動悸、記憶力低下、睡眠障害など、髄液圧の低下によって引き起こされるものなので、低髄液圧症候群と呼ばれていたが、脳脊髄液減少症と改められたそうだ。

わたし21歳のときに交通事故にあっている。40歳ごろから、首や背中の痛み、微熱、睡眠障害などの症状がではじめた。ときどき頭痛やめまいもある。交通事故の後遺症で交感神経が異常興奮を起こしているのだろうと思っているが、ひょっとすると、この脳脊髄液減少症かもしれない。

専門医でも「脳脊髄液減少症」という疾患を知っている人はまだ少ないという。不登校やうつ病と誤解される場合も多いようだ。

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2005.03.29

イレッサ

去年の春、肺に水が溜まり、大学病院で肺がんと診断された患者さんが治療に来ている。もちろん、肺がんの治療ではなく、呼吸困難や吐き気など、抗がん剤の副作用と思われる症状をやわらげるためだ。

大学病院に入院して化学療法を受けていたが、いまは退院して抗がん剤イレッサを服用しているそうだ。そう、いまその副作用で死亡する人が多く、社会問題となっているイレッサである。値段もとびきりで、1錠7000円もするそうだ。1割負担で700円。3割負担だと2100になり、それを一生のみつづけなければならないという。

この患者さんの場合、イレッサが効いて肺がんは小さくなったという。しかし、その副作用はかなり強い。まず、うちのベッドにうつ伏せになってもらったら、背中じゅうにボツボツと湿疹ができているのに驚いた。真っ赤である。それから、息苦しい、食べ物がまずい、ムカムカする、体がだるい、といった症状がある。体重もだいぶ落ちた。

鍼と灸をすると、呼吸がらくになったと喜んでいたが、こちらとしては複雑な思いがする。薬はからだにとって大きなストレスとなるからだ。こんなにしてまで抗がん剤を使わなければならないのだろうか。これでは、がんは治ったが命はなくなった、などということになりかねない。

イレッサ薬害被害者の会のHPを見て、医療とはなんだろうと考えてしまう。

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2005.03.26

手のしびれ

おととい、高校2年生の男子が、手がしびれるといって治療に来た。1月にバスケットボールの練習中、転倒して頭を打ち、脳震盪をおこしたそうだ。その晩、吐いたというからひどい。大学病院で検査をしてもらったがCTや脳波に異状はなく、ムチウチ症と診断された。しかし、いまだに症状がとれないというのである。

握力を測ると、左手は27㎏、右手は34㎏しかない。足の指の反り返りもわるい。背中の検査をすると、左頚部や上胸椎に圧痛がある。筋肉が収縮して硬くなっているところに針を刺し、10分ほど低周波通電をした。それから、カウンターストレインで頚椎の1、2番の後屈変位、および頚椎7番の前屈変位を矯正した。治療後、左手の握力は34㎏になったが、右手は34㎏のままだった。

きょう、2度目の治療に来た。手のしびれが取れたといって喜んでいる。治療前に握力を測ると、左右とも46㎏になっている。これは客観的な事実だし、本人も力が入るようになったのが分かるという。足の指の反り返りも少しよくなっている。1回の治療でずいぶんよくなったものだ。

きょうは、からだをていねいに揺すって背骨をほぐし、それから針をし、カウンターストレインで同様の治療をした。10回以上の治療が必要だろうと思っていたが、もっと早く治るかもしれない。春の合宿に行きたいというが、まだちょっと心配だ。次回のようすを見てから検討することにした。

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2005.03.18

濡れマスク

あさ寿福寺にお墓参りに行った。暖かい。うちの庭で採ったラッパ水仙の黄色があざやかだ。ツピーツピーと、シジュウカラの鳴き声が春の空に響いている。

スギ花粉が飛んでいる。去年の30倍だというから半端じゃない。きのうは治療室に着いたころ、くしゃみがひどかった。マスクをしないで自転車に乗ってきたからだろう。きょうは昼ごろ、目がかゆくなり、鼻水が止まらなくなった。しかし、ある時間たつとそれがピタッと止まったりする。花粉の飛散時間や風向きなどに影響されるのだろうか。

kyunyuki症状がひどいときは濡れマスクをすると楽になる。普通のガーゼのマスクを水に濡らし、水が垂れない程度に絞り、それを掛けるのである。最初冷たいがすぐ温まる。鼻腔が湿って粘液で花粉をまるめこむことができる。ユニチャームのからす天狗みたいなマスクも買ってあるが、まだ使ってない。そのうち世話になるだろう。

それから吸入器で鼻を洗浄している。スカイナーの鼻専用の吸入器(写真)だが、これを使うと鼻が通る。ときどきフィルターを換えるだけで、もう10年ぐらい使っている。

症状がひどいときは剤盛堂のホノビエン錠をのむぐらいでしのいでいる。ま、一ヶ月ほど辛抱すれば済むことだ。

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2005.03.15

よい座り方

脊椎モデルを使って「腰を立てる」よい座り方を見てみよう。
よい座り方のときは、腰が伸びて、肛門が後ろにはねている。(写真左)
関節面がそろっており、筋肉や靭帯の負担は軽くなっている。(写真右)

sisei1よい座り方 sisei2関節がそろう

わるい座り方
わるい座り方のときは、腰がまるくなり、肛門がふさがっている。(写真左)
関節面が離れ、筋肉や靭帯に負担がかかっている。(写真右)

sisei3悪い座り方 sisei4関節が割れる

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腰を立てる

鍼治療にみえる患者さんは腰痛や肩こりの人が多い。そういう人にはよく姿勢の話をする。背中や腰がまるい人が多いからだ。痛みのあるときは楽な姿勢でそれをやりすごせばいいのだが、そうでなければ意識的に正しい姿勢をとらないと、背中や腰がまるくなってしまう。それがまた腰痛や肩こりを引き起こすことになる。

正座をするときや椅子に腰をかけるとき、お尻をうしろに突き出すようにして腰を入れ、それから腰を立てるようにして座ることが大切である。肛門をうしろに跳ね上げるようにするといい。その上に上体を乗せ、軽くあごを引き、頭のてっぺんを上方に引き上げるようにすると、正しい姿勢になる。しっかり土台をつくれば上体に力を入れる必要がない。最初はきつい感じがするかもしれないが、慣れてしまえば長時間すわり続けても疲れない。

腰を立てると、腰椎の関節がそろう。腰は少しそり気味になったときに関節がそろうようになっている。そうすると腰の筋肉や靭帯がゆるむ。腰がそり気味なるのは人間が4つ足動物であった頃のなごりである。逆に、腰をまるくすると腰椎の関節は引き離されて筋肉や靭帯が緊張する。これが長時間つづけば腰や背中が痛くなる。

インターネットを見ていたら、立腰道とか立腰のすすめというページがあった。偉大なる教育者・哲学者の森信三先生が、「腰骨を立てる」という姿勢をすすめているというのである。

立腰道(りつようどう)
森先生は「およそ,古来東洋において道と名の付くものはいやしくも茶道や華道,踊りや謡曲等の芸能に始まり,さらに弓道や剣道等の武道にいたるまで,全てこの根本の姿勢というか態度を厳しく言ったものであります。私が提唱し力説するこの「立腰道」,すなわち「腰骨を立てる」ということは,単なるわたくし一人の個人的な体験に根ざすものではないのでありまして,実は民族の長い歴史的伝統に根ざす全ての求道の中に,すでに内包せられている真理であります。否,むしろ東洋における「道」の中に浸透し,伝承せられてきた人生の具体的真理と言って良いでしょう。」と言っている。(「性根の入った子にする”極秘伝”」) 

やってみると分かるが、腰を立てると気分がしゃきっとする。心が引き締まり、集中力が高まる。姿勢をよくすると肩こりや腰痛になりにくくなるばかりでなく、精神的にもいろいろプラスの現象が現れる。

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2005.03.05

肛門痛

インターネット経由で、肛門が痛いという若い男性がみえた。肛門が痛いので待合室の椅子にちゃんと座れず、からだをよじって変な格好をしている。肛門科、整形外科、泌尿器科などに行ったが、原因が分からないと言われたそうだ。もう6ヶ月以上になるという。痔もないし、骨の異常もないようだ。

メールで相談を受けたとき、尾骨痛の可能性があることを伝えておいた。尾骨痛と肛門痛はよく似ているからだ。尾骨の位置異常があると周辺の筋肉や靭帯が緊張し、痛みが出ることがある。その場合は、鍼治療や矯正による治療が有効である。

うつ伏せになってもらって尾骨を診断すると、前方にかなり巻き込んでいる。尾骨先端はほとんど肛門に届くほどだ。尾骨の先端と左側につよい圧痛がある。これなら構造的な障害であり、鍼灸治療が効きそうである。

まず3寸の鍼を尾骨の左側に刺して痛みをとる。それから、カウンターストレインで左骨盤の後方傾斜を取り、さらに尾骨左側の筋肉をゆるめた。治療後、圧痛点を押してみると、かなりやわらかくなっているのが指先に感じられた。そこで、ベッドの上に座ってみてくださいと言うと、あら不思議、ちゃんと座れるようになったではないか。ぜんぜん楽になりました、と本人も喜んでいる。こういう時は、こっちも嬉しくなる。

なにかのはずみで尾骨周辺の筋肉が異常収縮を起こしていたのだろう。異状収縮は一度にぜんぶ取れるわけではないが、少しずつはずしてゆくことができる。異状収縮がなくなれば尾骨も元にもどるかもしれない。

ume09 白梅(背景は紅梅)

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2005.02.28

なぞの整体師

郵便受けに地域情報誌のようなものが入っていた。催し物やホームドクターの記事などが載っているが、ほとんどが広告である。そのなかに整体院の広告がいくつか載っていた。驚いたことに、中国人がやっているという気功整体院の広告が5つもある。痩身や美肌効果をうたっているエステが3つ、それにアロマセラピーが1つだった。写真入りの大きな広告もある。

街を歩けば、同業の「はりきゅう」以外に、整体やカイロプラクティックの看板が目に付く。しかし、整体師とかカイロプラクターという国家資格はない。任意の団体が数ヶ月間、あるいは数年間の講義を受けたものに整体師の「資格」を与えているのにすぎないのである。カイロプラクティックにしても似たようなものだ。アメリカの大学で勉強してあちらのカイロプラクティックの免許を取得した人もいれば、数回のセミナーを受けただけで開業をしている猛者もいる。

医師は医療行為をおこない、鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師は医療類似行為をおこなう。それぞれ学校に通って学科と実技を勉強し、国家試験にパスして免許を取得しなければならない。しかし、いわゆる整体師やカイロプラクターにはそういう資格がない。それでも営業はできる。これはちょっとおかしいのではないだろうか。

治療を受ける側にはそういう情報があまりない。よく勉強している腕のいい先生に当たることもあるだろうが、詐欺まがいの整体師にぶつかることもあるだろう。ダイエットコースのために高額の回数券を買わされたとか、たくさんのサプリメントを買わされた、などという話を聞いたことがある。関節炎を強くもまれて炎症がひどくなった人も知っている。花粉症がすぐ治るようなことが書いてあるが、どうだろう。いろいろな治療をして症状は軽くなってはいるが、わたしは30年も花粉症と付き合っている。

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2005.02.18

花粉症

鼻がむずむずして、ときおり大きなくしゃみが出る。目がしょぼつく。いよいよ花粉症の季節がやってきた。早くから、ことしはスギ花粉の量が去年の30倍だ、100倍だと騒いでいるから前途多難だ。IgE抗体の量が一気に増えて、ことし新たに花粉症患者の仲間入りする人も多いにちがいない。

わたしは花粉症歴が30年ぐらいになるが、若いときは症状がひどかった。お湯が流れるように鼻水が出てティッシュも間に合わない。目が痒くて目玉を取り出して洗いたい。体じゅうが熱っぽく、だるかった。しかし年をとるにつれて症状は緩和していった。

特に薬は飲んではいない。ときどきスカイナーの鼻炎専用の吸入器を使ったり、マスクをびっしょり濡らして掛けているぐらいだ。ずっと針灸の治療を受けてきたから免疫力がついたこともあるだろう。

きのう、スパスパ人間学という番組で花粉症の特集をやっていた。脱脂綿をガーゼでくるんだものを鼻孔の下に当て、そのまま鼻をガーゼ数枚で覆い、さらにその上に花粉用のマスクをかける。そうすると、ほぼ完全に花粉の侵入をブロックできるという。

それからレンコンの絞り汁にも強い消炎作用があるそうだ。うちでは、咳止めの薬として蓮根の絞り汁をよく使っている。アイスキューブにして冷凍庫に保存し、熱湯で溶かせばいつでも飲めるようになっている。実際、よく効く。番組では、蓮根の絞り汁にオリゴ糖を加えて飲む方法と、綿棒で直接鼻孔内に塗る方法を紹介していた。

また、鼻詰まりのときは蒸しタオルで15分ぐらい鼻を温めるとらくになるそうだ。蒸しタオルは濡れタオルを電子レンジでチンすればいい。

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2005.01.29

肩こり体操

肩こりや五十肩の患者さんが多いが、そういう人に肩回し体操をすすめている。肘を曲げ、指先を肩につけるようにして、肘で円を描く体操である。こうやって肩を回せば、腕といっしょに肩甲骨が動き、肩まわりの血行がよくなって凝りが取れる。

この肩回しを、内回し外回し、それぞれ10回ずつ2、3セットやるだけでいい。できれば、肘を後にもっていくとき胸を開き、肘を前にもっていくとき胸を閉じる。痛みのある人は、痛くなる手前で円を描けばいい。そして、肘で描く円をだんだん大きくしていく。

このあいだ、「ためしてガッテン」で五十肩を取り上げていた。やはり、肘を曲げ、肘で円を描くというひじ丸体操を紹介していた。ただ、うちで勧めている体操と少しちがって、肘を曲げたとき指先で肩のところのシャツをつまむようにする。そうすると、動きがらくになる。また最初は、片方ずつやる。背中や腰の動きを加えてダイナミックに肩を回すのである。慣れたら両手で水泳のクロールのように回せばいいという。

肩こりや五十肩になる人は、両肩が前方に移動し、胸が閉じている場合が多い。また長時間、同じ姿勢で椅子に座っていたりする。胸をひろげ、肩を大きく動かせば、血行がよくなる。血行がよくなれば、じゅうぶんに酸素と栄養が供給され、老廃物が取り除かれる。そうすれば、凝りや痛みはずっと軽くなる。ただし、痛みのひどい場合は、さしあたって暖かくして休養を心がけるにかぎる。

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2005.01.20

かぜの薬

ためしてガッテンは、風邪薬についてだった。「単なるかぜのときに抗生物質を飲むのは有害無益である」という内容を伝えていた。要点をまとめると次のようになる。

(1)かぜのほとんどはウイルスが原因で、抗生物質は効かない。
(2)抗生物質は肺炎球菌などの菌には有効である。
(3)抗生物質の多用は耐性菌をふやす危険がある。
(4)インフルエンザは発症後48時間以内なら抗ウイルス薬が効く。
(5)ノロウイルスは風邪のウイルスではなく、消化器の不調をきたすウイルスで、手洗いと加熱調理でじゅうぶん予防できる。

かぜに抗生物質が効かないということは以前から言われているが、8割以上の医療機関が抗生物質を処方している。肺炎や気管支炎の予防に処方しているようだが、抗生物質は治療薬であって予防薬にはならない。それより、子供たちの6割以上に耐性菌が見つかっているという事実が恐ろしい。かぜには抗生物質が有害無益であることを、お医者さんもよく認識してほしいと思う。

インフルエンザの予防接種も賛否両論がある。予防接種をしてもしなくても、インフルエンザにかかる確率に有意な差は出ていないようだ。

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2005.01.18

二つ玉

介護の仕事をしている60代の女性が腰痛でみえた。きのう来たときは左の腰が痛くて、吐き気まですると言っていた。針をしてから腰椎1番の前屈変位を矯正したら、らくになったと喜んで帰った。だが今朝また痛くなったといって治療にみえた。

そうして、こんなことを言う。じつは、この腰痛の原因は思い当たることがあります。背中に二つ玉の治療器を当てて寝ていたときグリッと音がして、それから腰が痛くなってしまったのです。バカなことをしたので恥ずかしくて、きのうは黙っていました。

例の中山式なんとかいうやつで、背中に当てて仰向けになり、指圧の効果を期待する道具である。わたしも使ったことがあるが、自分の体重をあずけるので50、60kgの力で押すことになり、かなり強烈な力がかかる。それでも四つ玉ならまだ力が分散するが、二つ玉だったので力が集中しすぎたのだろう。

凝っているところに当てると、たしかに気持がいい。血行がよくなり、軽い痛みなら取れてしまう。しかし背中に当てたまま眠ってしまったりすると危険である。筋肉を傷めたり、背骨のずれを起こす可能性がある。短時間つかうこと。それから、二つ玉より四つ玉のほうが安全だろう。

   寒風の中
   たしかに
   膨らみゆく
   葉芽
   花芽

   夢で逢う
   君は
   いつも若い
   一緒にいる
   わたしも

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2005.01.15

腕のしびれ

右腕がしびれるという男性の患者さんがみえた。首を右後方にもってゆくと、脇の下から指先のほうに向かってしびれるという。炭酸水のなかに腕を入れたような感じです、という表現が面白い。首の位置によってしびれが出るのだから、頚椎か上部胸椎の問題らしい。

背骨の両側に鍼をしたが、しびれは取れない。そこで背骨の変位を検査した。すると、喉の下のくぼみ、ネクタイの結び目が当たる部分に圧痛がある。これは胸椎1番が2番の上で前屈していることを示している。この変位を治療するには、変位を誇張してやればいい。そこで大きな枕をかって首を曲げてみた。頚椎が前屈すれば、それにつられて胸椎の1、2番も前屈するからだ。枕の位置を変えて圧痛が消えるところを探し、そのまま5分ほど休んでもらう。その後、ゆっくり枕をはずす。これで圧痛はなくなった。

この治療でしびれは半減したが、首を右後方にもってゆくとまだしびれるという。もう一度検査をすると、喉の右側にも圧痛点がある。これは頚椎下部が前左に曲がっていることを示している。そこで、首を前左方向にもってゆき、2分ほどそのままにしてから、ゆっくり元に戻してゆく。こんどはしびれがほとんどなくなった。うつ伏せになってもしびれない。うつ伏せになると首が後にそった状態になるが、それでも腕はしびれないという。このまま無理な動作をしなければ治ってしまかもしれない。念のため、来週もう一度みることにした。

肩こりのひどい女性がみえたが、この人にも胸椎の前屈変位があった。ワイシャツの第2ボタンと第3ボタンのあいだあたりに圧痛点がある。上の男性と同じように枕をして頭を上げたが、こんどは枕を背中の上のほうまで入れた。それに頚椎7番と僧帽筋のカウンターストレインを行うとだいぶらくになった。二つのケースとも、長時間、同じ姿勢を続けていたためと思われる。

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2005.01.09

カウンターストレイン

うちは鍼灸治療をやっているのだが、半分ぐらいカウンターストレインという手技療法を使っている。患者の痛みが取れる姿勢をつくり、90秒固定し、ゆっくり元に戻すという方法であり、非常に効果がある。からだは事故やショックや長時間おなじ姿勢を続けたりすると、どこかの筋肉を収縮させ続けるようになってしまうことがある。他動的にその筋肉をたるませてやると、脳がその筋肉をゆるめることを学習し、それによってその収縮を解除することができるのである。

『ポジショナル・リリース・セラピー』という本を読んでいたら、カウンターストレイン療法を効率的にやるには、症状を追いかけるより、もっとも重要な圧痛点を見つけ、その圧痛が取れる姿勢を長めに固定すればいい、と書いてあった。たとえば膝が痛いとき、膝の圧痛点よりも上位の圧痛点をみる。それは腰椎に見つかることもあれば、臀筋に見つかることもある。その圧痛を完全に取ってしまえばいい。それには5分も10分も姿勢固定が必要な場合がある、というのである。

私はかならず骨盤と腰椎のチェックをしているが、ときどき症状だけを追いかけてしまうことがある。五十肩などの場合、胸椎と頚椎の治療をしないで肩まわりだけをカウンターストレインで治療していることがある。やはり、たえず全身をみるように心がけなければいけないなと反省している。また、がんこな筋肉は数分姿勢固定したほうがいいというのも頭に入れておこう。

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