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2014.09.23

きぬた(砧)

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NHK俳句 中央に砧を打つ木槌が置かれている

先日のNHK俳句の兼題は「砧」だった。

砧(きぬた)は衣板(きぬいた)が短縮された言葉で、槌(つち)で布を打ち、やわらげ、つやを出すのに用いる木または石の台、また、それを打つこと、と辞書にある。女の秋冬の夜なべ仕事とされた、ともある。

砧を打つという言葉は知っていたが、実際どういうものをいうのか分からなかった。石偏がついているから、本来は石の台だったのだろう。右側のつくりの占は「占める、占う」という字だが、一か所に決めるという意味らしい。

占の口は場所を示し、卜(うらない)との会意文字で、うらないで場所を決めるということ。それが占めるとなり、占領と占拠などに使われるようになったそうだ。砧を一か所に決めて置いておき、作業をしたのだろう。

布を叩いたのは記憶にないが、私が子供のころ、農家では稲藁(わら)を木槌で叩いてやわらかくし、いろんなものを作っていた。縄、筵(むしろ)、俵(たわら)、雨除けの蓑(みの)、おひつ入れ、藁人形など。どの場合も、ワラをやわらかく丈夫にするため木槌で叩く必要があったのだ。そういう場合、俳句では藁砧(わらきぬた)という言葉を使うらしい。

   唇に黒髪かみて砧打つ  服部逸子

   嫁姑少し離れて藁砧    引地こうじ

最近は稲刈りも機械化され、稲を刈りながら脱穀し、藁は粉々にして堆肥にしてしまう。稲架(はざ)掛けを組んで天日干しをする光景も見られなくなった。縄も俵も蓑もビニールやプラスチックになってしまった。砧という言葉もほとんど死語である。

なんでも
便利になる
とてつもない
宝を
失いながら


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コメント

子供の頃は、わら草履を履いていました。
小学校高学年の頃は自分でもわら草履を作って居ました、その頃の言葉に「貧すれば貪する、藁打ちゃ脛打つ」と言われて居ました。

投稿: | 2014.09.23 10:57

便利グッズ
アホを作り出すもの
考えるんを止めさせる機械
漢字の成り立ち?
それより変換方法

投稿: メーメー | 2014.09.23 19:04

おはようございます。


その番組、見ましたよ。
「砧」初めて知りました。
ほんとに知らないことばかり。
そのような深い意味があったのですね。
なるほどです。


おっしゃるように、世の中便利に
なり過ぎて、大切なことをどんどん見失いますね。
心したいです。
それにしても先人の智慧・・・素晴らしいです。

投稿: 秋桜 | 2014.09.24 04:33

★功さん、
コメントありがとうございます。
私は生活で草鞋を履いたことはありませんが、
お祭りなどの行事で履いたことがあります。
ああいうものでお伊勢参りなんてしたのだから
昔の人はえらいものですね。道路も土で優し
かったでしょすけれど。

投稿: ripple | 2014.09.25 11:06

★メーメーさん、

からだは
楽になったけれど
食べ過ぎ
運動不足で
病気もふえた

投稿: ripple | 2014.09.25 11:08

★秋桜さん、

便利になるのは
ありがたいけれど
道具が消え
言葉が消えるのが
寂しい

投稿: ripple | 2014.09.25 11:09

砧をうつ母の姿
李恢成の小説に
描かれていた
いつでも
手作業は女の悲しみ

投稿: 荒野人 | 2014.09.25 12:03

★荒野人さん、

砧を
打ちながら
それに合わせて
歌など
うなる

投稿: ripple | 2014.09.25 13:52

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