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2013.01.19

西村賢太の課外授業

Kenta1

録画しておいた「ようこそ先輩・課外授業」を見た。先々週に放映されたものだと思う。先輩は去年、芥川賞を受けた作家・西村賢太さん。こわもての顔にひげ面、ラフな服装で一見してだらしない男に見える。小説も自堕落な暮らしぶりを綴ったものが多いらしい。

ところが、この授業はすばらしい内容だった。まずは自己紹介で自分がいかに駄目な人間であることを告白する。それから子供たちに先生にインタビューをさせる。それも、先生の駄目なところを聞いてまわるのだ。偉そうに見える先生たちもいろいろ駄目なところがあることがわかった。

こんどは、生徒たちに自分の駄目なところを書き出すようにいう。わがままで自己中心だ、すぐひとの悪口をいう、暗い性格で友だちができない、怒りっぽい、などと生徒はいろんなことを挙げる。つぎに、その一つ、またはいくつかをまとめて「私小説」を書くようにいう。駄目な自分をモデルにして物語を書くのである。

Kenta2

一か月後、三度目の授業が行われた。なんと、西村さんは生徒たちの私小説を製本して「青き愚者の記録」というタイトルの文庫本にしてきた。それを生徒が一人一人読み上げる。これはなかなか感動的なシーンだった。自分は一人ぼっちだ。性格がきつく、人のあらさがしをするので嫌われるらしい。もっと他の人のよいところを見つけよう。思いやりを持とう。そんな朗読が続く。生徒たちにとって、とても貴重な体験だったにちがいない。

西村賢太さんは語る。駄目な自分をさらけだすと気持ちが楽になる。いますぐその性格を変えようとしなくてもいい。駄目な自分を隠して生きていくのはなかなかやっかいだ。駄目なところを抱えながら堂々と生きていこう。いつわりの人生でなく、本当の人生を生きよう。

西村賢太氏は
そのうさんくさい
風貌にかかわらず
ウソのない人生を
生きているようだ


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コメント

なるほどね。
自分の欠点をさらけだすのが
一番人と親しくなれるコツですね。
こんな授業うけてみたいし、私も
素のまんまでいられるようココロガケヨウ。

投稿: kei | 2013.01.20 15:29

★keiさん、
どうも変なプライドというのが邪魔してしまう。
自分を笑いとばすような歌を詠めたらいいな。
keiさんはけっこうやっているように思います。
ま、とにかく、ウソは疲れますね。(^-^)

投稿: ripple | 2013.01.20 16:21

自分をさらけ出す事は中々出来にくいですが、
嘘のない生活が長続きするコツだと思います。

つまらない
プライド持つ故に
自分をごまかし
偽善で
生きねばならぬ

投稿: tama | 2013.01.20 19:59

★tamaさん、
威張ったり
偉そうにしても
しょせんは
同じ人間
先祖はサル

投稿: ripple | 2013.01.21 11:24

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