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2012.05.29

肩甲下筋(けんこうかきん)

五十肩の患者さんが何人か来ている。肩関節が動きにくくなっているのだが、それは肩のまわりの筋肉が縮んで硬くなっているからである。交通事故の後遺症などで、首や背中の神経が圧迫されたりして異常興奮を起こしている場合もある。しかし多くは、過労か反対に運動不足による血行障害などが原因になっている。

Sub_2肩まわりの筋肉は、僧帽筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、大胸筋、小胸筋、広背筋、大円筋、小円筋、棘上筋、棘下筋など10種類以上ある。どれも大切だが、臨床的には肩甲下筋の硬縮に注目したい。

肩甲下筋は大部分が肩甲骨と肋骨のあいだに隠れている。肩甲骨の前側から起こり、上腕骨の前側に付着している。(図はからだの前から肋骨を取り除いて見たところ)肩甲下筋が収縮すると上腕が内側にまわるのが分かるだろう。腕を巻き込んで肩を閉じるような動きをするのである。

肉体労働でも座業でも、人間の動作は左右の肩を閉じるような動きが多い。年を取るにつれて背中がまるくなり、両肩が閉じてくるということもある。そうするとこの肩甲下筋が縮んで両腕が内側に巻き込まれたような状態になる。その結果、肩関節の関節面がずれて運動制限が起こり、五十肩の一因になるのである。したがって肩甲下筋をゆるめることが重要になる。

で肩まわりの痛みをとり、カウンターストレインという手技療法で肩甲下筋の硬縮を取ると、いっぺんに五十肩の症状が軽減する。肩甲下筋をゆるめ、さらに他の筋肉の硬縮をとってゆけば治療効果は何倍も高まるだろう。あまり有名ではないが肩甲下筋という筋肉の存在を覚えておいてほしい。背中をのばしたり、ラジオ体操などで胸をひらく運動をしたりすることが、この肩甲下筋が縮むのを防ぐことになる。

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コメント

rippleさん、こんばんは~。
こうして身体のメカニズムを医学的にお話頂けると
とてもよく解り、助かります。
年と共に前屈みに成り勝ちの姿勢を正したいと、
ジムのスタッフに話しました所、rowingと言うマシンで
肩甲骨を寄せる形でのトレーニングを勧められ、励んで
いますが、正にこれなんですね。
解ってやるのと言われるままに、ただ何となくやって居るのとではこれから違って来ると思います。ちなみに
「肩甲下筋」の読みはケンコウカキンでよろしいのでしょうか。

投稿: A.A. | 2012.05.29 21:48

rippleさん、ごめんなさい。
タイトルに肩甲下筋(けんこうかきん)と書いて
ありましたね。
うっかりを通り越したうっかりでした。

投稿: A.A. | 2012.05.29 23:12

最近友人に肩が丸まっていて姿勢が悪いと指摘されました。腰回りの筋肉も肩周りの筋肉も、体中の筋肉が固くなって悲鳴を上げているのを感じます。ストレッチをすると細いゴムが切れるように筋繊維が1本ずつピキッと切れるような痛みがあります。

投稿: エノコロ | 2012.05.30 13:10

★A.A.さん、
お久しぶりです、こんにちは。
五行歌は書いておられますか?

胸を開くということは、背中側で左右の
肩甲骨を近づけるということになりますね。
胸を張る動作が老化を防ぐかぎになります。
とにかく動きましょう。(^-^)

★エノコロさん、
年相応ということばがありますが、
胸を張って背すじを伸ばすだけで、かなり
若く見えますよ。身長も伸びます。
丸くなるのは心だけにしましょう。(^-^)

投稿: ripple | 2012.05.31 09:19

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