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2012.01.11

「クイナ、です」

Kuina1
ひそむクイナ

9日の野川ではクイナに出会うことができた。写真では背中の模様がきれいに写っており、オレンジ色の嘴も見える。しかし肉眼でクイナを見つけるのはなかなか難しい。第一、この鳥は用心深くてなかなか姿を現さない。だいたい、いつもアシの群生した湿地に入り込んでいる。鳥の影を見つけてカメラで追っても、こんどはアシの茎や葉が邪魔してなかなかいい写真が撮れない。その上、外に出てくるとけっこう動きが速いので、カメラを構えているうちにどこかにもぐりこんでしまう。なかなか手ごわい相手である。

Kuina2
歩くクイナ

大江健三郎の息子さんで、作曲家の大江光さんは知的障害があるが、音の記憶に関しては並はずれた能力を持っていたという。CDに録音された野鳥の声をみんな覚えてしまったそうだ。あるとき、父は軽井沢で6歳の息子が「クイナ、です」と言うのを聞いて驚いた。それが光さんが生まれて初めて発した言葉だったからだ。たしかめると、実際にクイナが鳴いている。そのとき光さんのずば抜けた音感を発見し、音楽の勉強を始めさせたという。大江家にとっては忘れられない鳥だろう。

Kuina3
泳ぐクイナ

クイナは水鶏と書き、その名の通り、湿地帯を好む。むかしは田んぼにたくさんいたらしい。文部省唱歌「夏は来ぬ」には、なんと、その4番と5番の歌詞にクイナが出てくる。それだけ身近にいた鳥なのだろう。なんとかクイナの姿を見ることはできたが、まだその鳴き声は聴いていない。その大きさからして、あまりきれいな声ではなさそうだが。

夏は来ぬ
(佐々木信綱 作詞 小山作之助 作曲)

卯(う)の花の、匂う垣根に
時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬ

さみだれの、そそぐ山田に
早乙女(さおとめ)が、裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる、夏は来ぬ

橘(たちばな)の、薫るのきばの
窓近く、蛍飛びかい
おこたり諌(いさ)むる、夏は来ぬ

楝(おうち)ちる、川べの宿の
門(かど)遠く、水鶏(くいな)声して
夕月すずしき、夏は来ぬ

五月(さつき)やみ、蛍飛びかい
水鶏(くいな)鳴き、卯の花咲きて
早苗(さなえ)植えわたす、夏は来ぬ

夏は来ぬ

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コメント

クイナを写されて良かったですね。
何度も見に行くのですが、、??

文部省唱歌「夏は来ぬ」の歌詞に
クイナが出てくるとは、、
全く知りませんでした。有難うございます。

どの様な鳴き声なのでしょう?(* ̄ー ̄*)

投稿: sakura | 2012.01.11 15:59

★sakuraさん、
ラッキーでした。なかな姿を見ませんね。
わたしは聴いたことがありませんが、
ネットで調べると意外にかわいい声
のようです。

http://seichoudoku.at.webry.info/200901/article_3.html

投稿: ripple | 2012.01.12 09:05

今 聴かせて頂きました。(・∀・)イイ! 
可愛い鳴き声ですね。有難うございました。   

投稿: sakura | 2012.01.12 09:54

 だからこういうタイトルだったんですね。というか、クイナの姿、生まれて初めて見ました。ありがとうございました。真冬のバードウォッチングは大変そうですね。

投稿: ぐん | 2012.01.12 12:32

★sakuraさん、
私も、ギャーとかいうのかと思っていました。(^-^)

★ぐんさん、
沖縄のヤンバルクイナなども同じ仲間です。
あちらは飛べませんが、こちらは渡り鳥ですから
飛べるのでしょう。飛んだところは見たことが
ありませんが。鳥見はあちらさんのご機嫌しだい
ですから、もっぱら「待ち」ですね。寒いです、はい。

投稿: ripple | 2012.01.12 12:47

こんにちは~(^-^)
初めて見る鳥です、本当に冬のバードウオッチングは
色々の野鳥にめぐりあえるのですね、忍耐力も大変
なのでしょうね。

「夏は来ぬ」の歌は多々漠然と、水鶏が泣き卯の花
咲きて・・・・とこの鶏の事とは知らずに歌って
おりました。一つお利口になった様な気がします。

歌詞にも気を配ってみませんと分かりませんね。

投稿: スィートピー | 2012.01.12 17:00

★スィートピーさん、
冬は木の葉が落ち、草が枯れますから、
見通しがよくなります。それでも寒い
ので辛抱が必要ですね。

わたしもバードウォッチングを始める
まで、クイナをこの目で見られるとは
思っていませんでした。(^-^)

投稿: ripple | 2012.01.12 18:04

ご無沙汰しています。遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

ずっと前に、大江さんがテレビで話していたのを聞きました。確か、光さんが初めて話したのが、この「くいなです。」の言葉だったとか。とても、感動的でした。(昔から大江ファンです)rippleさんのおかげで、その姿や鳴き声迄、聞くことが出来ました。地味な鳥ですが、鳴き声は可愛いですね。ありがとうございました。

投稿: めろん | 2012.01.13 00:35

★めろんさん、
コメントありがとうございます。
わたしもラジオで聞いたのですが、絶対音感かなにかの
話しだと思っていました。そうでしたか、初めての言葉
が「クイナです」でしたか。もう一度チェックしてみま
すね。とにかく、クイナの言葉が頭に焼き付きました。

投稿: ripple | 2012.01.13 14:41

リンク先のseichoudokuです。はじめまして。
さて、画像のクイナはおもに冬鳥で、文学等にしばしば登場する「水鶏鳴く」のクイナはおもに夏鳥であり別種のヒクイナという鳥です。大江光氏のクイナもヒクイナです。ヒクイナとクイナの鳴き声はまったく異なります。ヒクイナの声を探してみてください。

投稿: seichoudoku | 2012.03.09 20:08

★seichoudokuさん、
クイナのコメントありがとうございます。
わたしはヒクイナをまだ見たことがありません。
これから聴き比べてみますね。
ヒクイナ鳴くではうまく詩にまとまりませんね。

ハンドルネームは晴耕雨読のもじり?

投稿: ripple | 2012.03.10 13:30

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