池波正太郎の書生
ラジオ深夜便「明日へのことば」を録音しておいて聞いた。作家佐藤隆介さんが「池波正太郎に見る男の生き方」という題でその人となりを話していた。佐藤さんは池波正太郎(写真)がもっとも忙しい頃の10年間、書生のような仕事をしていたという。実際は小さな出版社の編集者であったが、いろいろ重宝がられてだんだん書生のようなことまでやるようになったそうだ。
佐藤隆介さんは池波正太郎と一緒に食事をしたり、旅行したりしているので、その裏話がたくさん聞けて面白かった。待ち合わせのときは30分前にはその場所についている、料理はそれが人生最後に食べるものと思って食べる、紳士的な印象を与えるが、奥さんと書生の佐藤さんはいつも叱られていた、けっこう気難しい、映画などを観ても細かいことまでよく覚えていた、等々。
随縁という言葉がある。縁に従うという意味で、佐藤さんの生き方はまさにこれだという。池波正太郎を通してたくさんの人を知り、その人たちからまたべつの人を知る。ひろんな人にご縁をいただいてここまで生きてくることができた、と感慨深げに言う。
自分のいいところは「会う人みな我が師なり」という言葉を心から信じて生きてきたことだろう。いろんな人に出会っても、その人を批判したり反発することがなく、すぐ感心してしまう。だから人に嫌われることもなく、いろんな情報を肥やしにして生きてくることができた。そんな話をしていたが、これはとても大切なことだと思う。
人の批判をせず
いいところを見る
それが
自分の人生を
豊かにする
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コメント
これは言えてますね、確かに確かに。
豊かに・・、とはそう言う事なんですよね。
こんな事がやっと判る様になりました。
投稿: A.A. | 2010.08.02 21:20
★A.A.さん、
コメント、ありがとうございました。
人のアラは目につくけれど、なかなか
よいところを見ることはしませんね。
へんに競争したり、やっかんだりで。
佐藤隆介さんというひとは本当にすなお
な人だなと思いました。
投稿: ripple | 2010.08.03 08:59