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2010.02.04

かあべえ

Photo_2

山田洋二監督の映画「かあべえ」を見た。テレビ番組を録画したものだがCMをとばせるので内容に集中できるのがいい。貧乏生活に吉永小百合は不似合いだろうと思ったが、ドイツ文学者の妻ということで、思いのほか適役だった。かあべえは、どこかの方言かと思ったが、ユーモア好きの旦那がつけた愛称だという。父母がとうべえかあべえ、女子2人がはつべえてるべえだ。旦那は思想犯として囚われの身となり、妻が代用教員をしながら子供2人を育ててる。昭和15年から16年、シナ事変から太平洋戦争に突入する暗い時代が背景になっている。

当時の暮らしがていねいに描かれている。特高、転向、宮城礼拝、隣り組、灯火管制、赤紙、出征、大本営、国賊、非国民・・・。ものがない上に、思想まで抑圧される。だれもが「おかしい」と思っているのに、だれもそれを口にできない、息が詰まるような社会。ぜいたくは敵だといいながら、警察や軍部はけっこうぜいたくをしている。ひどい時代だ。そんな中、まじめに正直に生きた人々もいたのだ。女だけの家庭に、旦那の教え子である書生役の存在が救いだった。暗く重い話だが、山田監督らしく、寅さんばりの笑いも散りばめられている。忘れてはいけないことをたくさん思い出させてもらった。一度、劇場で観てみたい映画だ。

かあべえ
どうしてとうべえは
警察に連れて行かれるの
悪いことはしていないから
かならず帰ってきますよ


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コメント

風の中の子ども
善太と三平

特高に連れて行かれた父と
気丈な美しい母

流れる涙を止められない
私の多感な時代

山田洋次も
坪田譲治で
泣いたんだろうなと思います

今夜
たった一人の親友
つまとふたりで
おとうと みてきました


投稿: | 2010.02.05 01:44

★名無しさん、
映画「おとうと」も同じ時代なのですね。
鶴瓶が弟(義弟)役なのも似ていますね。
戦争の原因をうがつ、いい映画に思えます。
ひょっとしてRyuzoin2さんでしょうか?

投稿: ripple | 2010.02.05 09:07

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