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2009.11.18

しんゆり歌会

きょうは第3水曜日、しんゆり歌会の日だ。近くのローソンで資料をコピーし、A3の用紙を半分に折りたたみ、早めに家を出た。イトーヨーカドーの5階の回転寿司「鷹」で食事をし、「やまゆり」に行った。先月は席が窮屈だったので、机を2台増やして並べた。きょうは新しい人がひとり加わり、16人の歌会になった。3人欠席だから、ぜんぶで19人。しんゆり歌会も少しずつ成長している。

歌会は終始笑いが絶えなかった。いい歌がたくさんあり、参加者の感想も意外なものがあって、ほんとうに「人それぞれだなあ」と思った。五行歌は5行が原則だが、6行の歌がを書いて送ってきた人があった。どうして6行にしたのかをたずねると、本人が驚いて「あっ、ほんとだ、6行になっている!」だって。4行も6行も例外として認めているのだが、本人も参加者もそのことに気がつかなかったというので大笑いをした。文字数に制限をもうけず、自由に思いを歌にできる五行歌ならではの珍事である。

遺影のまえの                     神川のりこ(1席)
夫の老眼鏡
ときどき拭いて
遠いあのころ
覗いてみる

一筋の涙のように         中川宣義(2席)
降りてゆく
超高層ビルの
エレベーターに
一人さみしく乗っている

今年も庭石のそばに        高岡蘭(3席)
楚々として咲く

桔梗の花
毎年秘かに現れ
そうっと帰って行くようだ

神川さんの歌が一席だったが、五行歌の主宰も認めている通り、この人の一席率は群を抜いている。とにかく、うまい。簡単明瞭で、日常の出来事をさりげなく歌っている。夫の老眼鏡をときどき拭いて、遠いあのころのころ覗いてみる。遠いあのころを「思い出してみる」でなく、老眼鏡だから「覗いてみる」とやったところがうまい。ここには歌作りのテクニックもみえる。それから、神川さんの明るさが会を楽しくしてくれるのもありがたい。しんゆり歌会の貴重な人材である。

中川さんの歌もユニークで、毎回高得点を獲得している。超高層ビルのエレベーターを、「一筋の涙が流れるように降りてくる」とはなかなか言えない。まさに詩人である。前回の「巻貝の中を行くような心地しても」よかった。歌会も一年以上たったので、歌にその人の個性が表れてくるのが分かる。ただし今回の歌は、「さみしく」が余計だという指摘が多かった。感情は詠まないで、読み手に想像させると余韻が出ていいのかもしれない。

高岡さんの歌は、桔梗の奥ゆかしさ、自然の流れを詠っている。楚々と咲くのがいかにも桔梗らしい。毎年ひそかに現れ、そうっと帰って行くようだ、という後の2行がいい。わたしは「帰って行く」と断定したほうが歌が締まると思った。「そうっと」は「そおっと」と書いてもいいのだろうかという質問がでた。わたしは前者のほうが趣があるように感じる。

年を重ねると            京子
トゲがとれて
丸くなる
ヒイラギを
見習いたいな

あなたと私は              ripple   
この星で
同じ今を
生きている
仲間

われわれの歌はちょっと推敲が足らなかったようだ。京子の歌のほうが具体的で分かりやすいが、わたしの歌は抽象的だったようだ。

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コメント

皆さん素晴らしい歌ばかりですね。神川さんご夫婦の事は存じ上げませんが、この歌から仲の良いご夫婦だったことがよくわかります。遠い将来、私も主人を先に見送ることがあるならば、こんな気持ちで穏やかに過ごしたいと思いました。

投稿: エノコロ | 2009.11.19 16:33

★エノコロさん、
私たちが若いほうですから、人生の先輩が多く、
貴重な話を伺うことができます。いずれ私たちが
近づくところ、大いに勉強になります。
神川さんは歌の達人です、はい。(^-^)

投稿: ripple | 2009.11.19 17:37

しんゆり歌会素晴らしいですね。
先生の歌も先生らしさに溢れていて良いと思います。
神川のりこさんのお歌も参考になりますね。思いが篭っています。

投稿: 10月のマルコ | 2009.11.19 17:42

★10月のマルコさん、
おっしゃる通り、歌にその人が出ますね。
歌だけじゃなく、すべてに出ます。
それでみんな違う。だから面白い。
こういう会に出るとよく分かります。

投稿: ripple | 2009.11.19 18:54

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