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2008.11.16

太らない糖尿病

NHKスペシャル「病の起源」では、糖尿病を取り上げていた。興味深い内容だったので、まとめてみよう。

肥満と糖尿病の関係は密接だと思われがちだが、日本人の場合は肥満でなくても糖尿病になる人が多いそうだ。日本人は欧米人にくらべてインスリンの分泌量が少ないため、肥満にならなくても血糖値が上がり、それが血行障害を起こし、壊疽、網膜症、腎臓病、心筋梗塞などを併発するというのである。

アフリカの大地溝帯に誕生した人類は、もともと狩猟民族であった。狩りをして獲物をとったり、木の実などを食べていたのである。その一部が北上してヨーロッパに向かった。ヨーロッパは寒いので、やがて牧畜をおこなうようになった。肉を食べ、乳製品を摂るようになったため、脂肪の摂取量は一日60gぐらいになった。ブドウ糖をエネルギーに変えたり、脂肪細胞に蓄積するため、それを促すインスリンの分泌量も増えた。

東進してアジアに向かったグループは、やがて農耕をおこうようになる。麦や米を栽培して、安定した食料を得るようになったのである。日本人はほとんど肉を食べなかったから、脂肪の摂取量が極端に少なく、平安時代では一日11g、江戸時代では一日19gほどだった。それが今日では一日54gと、三倍ちかく増えている。

ところが、インスリンの分泌量は急には増えない。そこで血糖値を抑えることができず、糖尿病を発症するようになってしまったのである。日本人の糖尿病患者のうち、肥満の人は23%にすぎないという。

糖尿病は、①栄養の摂りすぎ、②運動不足、この二つが最大の要因だから、食べ過ぎないこと、からだを動かすこと、を心がけなければならない。

最近、妊婦が太りすぎを気にしすぎて、低体重児を出産するケースが増えている。インスリンの分泌が少ない赤ちゃんだ。これに出産後、過度の栄養を与えると、糖尿病になる恐れがある。戦後のヨーロッパや、現代のインドなどでも、この現象がみられる。これでは将来、糖尿病の患者がますます増えることになろう。


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