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2008.10.05

二足歩行と腰痛

NHKスペシャル「病の起源」シリーズで、「腰痛ーそれは二足歩行の宿命か」という番組を見た。人類は600万年前に二足歩行を始め、体重がぜんぶ腰や下肢にかかるようになり、腰痛を患うようになった。また手が肩からぶらさがるようになったため、自由に動かせるが、肩こりも起こるようになった。これがほぼ定説である。しかし、番組はこのことに疑問を投げかけた。

人間が二足歩行をするようになってから、背骨をつくる椎骨のあいだのクッションである椎間板に大きな負担がかかるようになり、腰痛が起きるようになった。体重72kgの人の場合、椎間板にかかる負荷は66㎏ほどだそうだ。それが前傾姿勢をとると、いっぺんに235kgに増えるという。なんと3倍以上になる。それは前傾したからだを支えるために背筋群がつよく収縮し、その力で椎間板が圧迫されるからだ。

このような前傾姿勢を長く続けていると、椎骨が前方にすべったり、椎間板が後方にはみ出したりする。すると神経が締めつけられて腰背痛が起こる。番組ではメソポタミアの遺跡から出土した人骨に腰痛の形跡が見られることを示していた。一日2時間から4時間ぐらい粉を挽く作業をしていたためだろうという。農耕民族は腰を曲げて仕事をすることが多いので、腰痛が持病になってしまうのだ。

これに対して、アフリカの狩猟民族には腰痛がほとんどないという。一日20~30㎞ぐらい歩いて獲物を追いかけるが腰痛がない。腰痛があるのは、木から落ちたり、崖から落ちたりした者だけだった。研究者は、椎間板が適度に刺激されて水分を保ち、劣化しないからだろうと推測している。同じ姿勢を長時間つづける仕事がダメなのだ。

福島大学の先生によると、腰痛の原因が判明するものは全体の15パーセントほどで、あとの85パーセントは原因が特定できないという。最近では、心理的ストレスがからだを緊張させ、腰や背中への負荷を高めているという研究結果もある。心理的ストレスを加えた実験では、椎間板に70kgも余分な負荷がかかることが分かった。またスポーツをやっている子どもの腰痛を調べると、なんと30パーセントが脊椎分離症(疲労骨折)を起こしているというから驚きである。

最後に夏樹静子さんが出ていたが、ほとんど心理的ストレスだけで長いあいだ腰痛に悩まされていたことを話していた。ありとあらゆる治療をしたが腰痛が治らない。最後に心療内科を紹介されて、そこで断食療法などをやって治った。嘘みたいな話だが、小説家・夏樹静子が一人歩きをはじめてしまい、人間・夏樹静子のからだはそれを拒否していたのである。彼女には『椅子が怖い』という腰痛の体験記がある。

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コメント

腰痛も心の病ですね。患者さんからも教えられる事多いです。

投稿: 10月のマルコ | 2008.10.06 18:17

★10月のマルコさん、
心とからだは一体ですからね。
わたしは緊張と弛緩のバランスが大切だと思います。
交感神経と副交感神経のバランスと同じですね。
どちらかに偏ってはいけない。ブッダの中庸みたい
ですね。現代人は食べすぎと運動不足ですね。

投稿: ripple | 2008.10.06 18:40

おはようございます。腰痛私も年末にやりまして、まったく動けなくなりました。飲料の上げ下ろしでかなりの負担がかかったようです。今でも違和感があり自転車がかなりつらく、ちょっとした近場に乗るのさえためらうようになりました。
やはり、足2本だけで体をささえるのには無理があるような?!足裏のついている部分は少ないわけですし、バランス悪いんじゃ?と腰痛、魚の目をやってから思いました。
でもいまから4足歩行になるわけにもいかず・・・。
現代の人間の生活がハードになっているんでしょうね。

投稿: ひまわり | 2008.10.07 11:06

★ひまわりさん、
腰痛はつらいですよね。寝返りや車の乗り降りなどが大変ですね。仕事では同じ筋肉ばかりを使いますからね。

文中に書いたように、アフリカ人も二足歩行をしますが腰痛はほとんどないそうです。一日20キロぐらいあるき、長時間同じ姿勢でいることはないからだそうです。適度な運動をして椎間板や骨の老化をふせぐことができるのですね。

現代人は、①食べすぎと②運動不足で、腰背痛を起こすことが多いようですね。ストレスも多いですし。

投稿: ripple | 2008.10.07 12:09

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