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2008.09.04

金子みすず

Misuzuきのうと今朝のラジオ深夜便「こころの時代」は、児童文学者・矢崎節夫さんが詩人の金子みすずについて語っていた。矢崎さんは子どものころから詩が好きで、自分でも詩を書き、詩人になろうと決めていたそうだ。とくに金子みすずの有名な詩「大漁」が人生を変えたという。

わたしも以前、この「大漁」という詩を読んで、ドキッとしたことを覚えている。ほかの歌も哀しいほど優しい詩が多くて、印象的な詩人である。

大漁

朝焼小焼だ
大漁だ
大羽鰮(オオバイワシ)の
大漁だ。

濱は祭りの
やうだけど
海のなかでは
何萬の
鰮のとむらひ
するだろう。

ふつうは「大漁だ」で終わるのに、「海の中では何万のイワシのとむらいするだろう」にショックを受けたそうだ。人間のまなざしでなくイワシのまなざしになって大漁を見ているのが凄いというのである。以来、矢崎さんは金子みすずの作品を探し続け、みすずの死後50年たって、童謡集を発見した。矢崎節夫さんは、現在、金子みすず記念館の館長である。他にもいくつか好きな歌を紹介していたが、わたしも心を打たれた。

わたしと小鳥と鈴と

わたしが両手を広げても
お空はちっとも飛べないが

飛べる小鳥はわたしのように
地べたを早くは走れない

わたしが体をゆすっても
きれいな音は出ないけれど

あの鳴る鈴はわたしのように
たくさんな歌は知らないよ

鈴と小鳥と それからわたし
みんな違って みんないい

つもった雪

上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。

下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。

中の雪
さみしかろな。
空も地面(じべた)もみえないで。

お魚

海の魚はかはいそう

お米は人に作られる、
牛は牧場で飼はれてる、
鯉もお池で麩を貰ふ。

けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたづら一つしないのに
かうして私に食べられる。

ほんとに魚はかはいさう。

「みんな違って みんないい」や、「中の雪」まで見つめる目がするどい。

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コメント

つもった雪!!いいですね!!

投稿: 井中 平 | 2008.09.04 21:31

今の時代でしたら
あの病気で若い命を絶つことは無かった~
良く、そう思うときがあります。
その時、一人娘は3歳。
今でもお元気のようですね!

投稿: namiko | 2008.09.04 23:25

★井中 平さん、
感性がすばらしですね。

★namikoさん、
不幸な結婚をされたそうですね。
娘さんがおられるのですか。
それにしても、死後名前を忘れられていた
金子みすずの作品を捜し続けた矢崎節夫さんの
執念も見上げたものですね。

投稿: ripple | 2008.09.05 09:01

本を買った時だけ読んで、、
ずっとしまいっぱなしです。
又読みたくなりました。
心に響く詩が多いですね。

投稿: sakura | 2008.09.05 13:58

★sakuraさん、
わたしもそうですよ。(^-^)
前に買った金子みすず童謡集「明るい方へ」を
また読み返しています。こわいほど、優しい。

投稿: ripple | 2008.09.05 18:11

金子みすずさん、素晴らしい才能の持ち主、人を魅了する詩を詠まれていますね。熱い眼でなく、覚めた眼の持ち主だった事でしょうね。

投稿: 10月のマルコ | 2008.09.05 21:12

★10月のマルコさん、
いつも弱者の立場にたって物を見ることができた人、
本当に優しい心の持ち主ですね。ちょっと違うけれど、
わたしも芝居やドラマの主人公よりも脇役の人が気に
なります。多少、ものごとが深く見えます。(^-^)

投稿: ripple | 2008.09.06 09:05

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