ごくおおざっぱに言って、不満の多い人は病気がちになり、不満の少ない人は健康でいられる、と言っていいと思う。なぜなら、不平不満の多い人は心もからだもどこか緊張ぎみになるからだ。不満のある人の顔を絵に描くとすれば、眉間にシワを寄せ、口をヘの字に曲げた顔になるだろう。眉間が緊張し、口元も何か言いたそうに緊張しているからだ。心配性の人なんかも同じようなことが言える。ぎゃくに、不平不満がなく感謝の心に満ちている人は、おおむね笑顔でにこにこしており、顔もどちらかというと緩んでいる。絵に描けば恵比須さまのような顔になるだろう。
医学的にみても、不満があると筋肉は緊張する。たとえば、トイレに行きたいのをじっと我慢していれば緊張して足踏みをしたくなるだろう。腹が減ってくれば、やはり緊張してイライラしてくる。逆に、トイレを済ましたあとはすっきりしてホッとする。腹いっぱい食べたときは満足して一休みしたくなる。緊張がほぐれるからだ。
精神的にも同じようなことが言える。腹が立ったり、怖い目にあったり、悲しい目にあったりすれば、からだが緊張する。思わず肩に力が入る。そういうことが続けば、痩せてくるかもしれない。ところが、不満がなければゆったりと構えていることができる。感謝の心でいっぱいの人の顔は、満ち足りて緊張がない。
筋肉が緊張すると血管が圧迫され、どうしても血行が悪くなる。血行が悪くなれば、酸素も栄養も不足しがちになるし、老廃物を排除する機能も落ちる。だから、緊張が続けば病気になりやすくなる。筋肉が緩んでいれば血管がひろがり、血行がよくなる。血行がよくなれば、新鮮な酸素や栄養がゆきわたり、老廃物も排除されやすくなる。
不満は緊張を生み、緊張は血行障害を起こし、病気になりやすくなる。
感謝は不満のない心だから、緊張がなくなり、血行がよくなり、健康になる。
このメカニズムを頭に入れて、できるだけものごとを良く考える癖をつけるといい。なんでも「ありがたい」「よかった」で暮らしてゆくとよい。たとえ悪いことに出くわしたとしても、「このぐらいで済んでよかった」「こんなことが永遠に続くわけじゃない」「ああ、いい勉強をさせてもらった」「人生にはいろんなことがあるな」ぐらいに考えたらいいのである。
ま、人生に不満はつきものだが、早く乗り越えて「感謝」のほうに心を切り替えたほうがいい。緊張ばかりでは疲れてしまうが、弛緩ばかりではダレてしまう。適度な緊張と弛緩のリズムをつくれば健康で幸せに暮らしてゆくことができるだろう。
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