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2007.08.03

痛みの科学

Yasumegumi 録画しておいた「サイエンスZERO」を見た。4月からは真鍋かおりに代わって、安めぐみがアシスタントをつとめている。甘ったるいしゃべりは科学番組にはどうかと思っていたが、内容にはほとんど影響がない。心もち男性群が緊張しているように見えるが、それは私の先入観か。ま、それはさておき、今回は「痛みの科学」というタイトルで、内容がとても面白かった。

(1)慢性痛の原因は、事故や病気のあとにそのときの痛みが脳に刻み込まれてしまうことによることがある。

たとえば事故で腕を切断したあと、手指がないのにそこが存在しているように痛むという。いわゆる、幻肢痛というのがある。また帯状疱疹が治っても、帯状疱疹後神経痛というのに悩まされたり、乳がんの手術後、ずっと痛みが取れないことがある。それらは、強い痛みが脳に刻み込まれ、皮膚に触れただけでも痛みを感じるようになってしまうことがあるのだそうだ。

(2)最近の研究により、痛みの感覚は大脳の感覚野だけでなく運動野という部分も密接に関与しており、慢性痛の治療に運動やを積極的に刺激することが有効であることが分かってきた。

たとえば、運動野を刺激するリハビリ運動によって痛みが軽減するという。右腕を失った人の前に左向きに大き目の鏡をおき、左腕だけが写るようにする。すると鏡の中には右腕が見える。実際は左腕が写っているのだが、それを右腕と思っって右の手指を動かそうとするのである。それによって、幻肢痛が弱くなる。また脳の運動野に直接、磁気刺激を与える方法も効果があるという。

(3)がん患者の痛みにモルヒネを使っても、モルヒネ依存症にはならない。

日本では癌の痛みにあまりモルヒネを使わない。モルヒネ依存症(中毒)を恐れるためだ。しかし欧米ではかなり使われている。最新の研究で、痛みを持つ患者はドーパミン(快物質)が抑制されるから、モルヒネ依存症やモルヒネ中毒にはならないことが証明された。そのため、積極的にモルヒネを使って痛みを抑えようという傾向が高まってきたという。

以上、なかなかためになる話だった。
(2)の話に関係するが、鍼の治療法にも「頭鍼療法」というのがある。脳卒中の後遺症などで手足がマヒしている患者に脳の運動野に体表から鍼をすると効果があるという。私はまだやったことがないが、鍼で間接的に運動野を刺激して活性化すれば、マヒや痛みが軽減するかもしれない。こんどこの方法を試してみよう。

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コメント

家族を癌の全身転移で亡くしました

火葬にしますと転移骨の部位は黒かった

切断などはなかったので
痛みの部位とは一致していた。

投稿: みちこ | 2007.08.04 08:07

モルヒネは健康人には中毒の恐れがつよいですが、
がん患者には中毒になる可能性が少ないそうです。
使い方で、毒にも薬にもなるということですね。(^-^)

投稿: ripple | 2007.08.04 10:03

頭鍼療法は、寝たきりの人の看護する人に、刺激のしかた教えて指導しています、手足の運動麻痺に反射区を刺激する方法です、薬を使わない方法なので、安心して使えますね、小児鍼を与えて、心地よい刺激をポイントに刺激するのです、
何時も素晴らしい情報感謝いたします、

投稿: 10月のマルコ | 2007.08.04 14:15

痛みという感覚野の問題が、運動野の刺激で処理できると
いうのが面白いですね。わたしはつぼを意識して頭に鍼を
打つことはありますが、とくに運動野ということは考えま
せんでした。感覚野と運動野はとなりあっていますよね。
小児鍼ね、いいアイデアですね。お灸もいいでしょうね。

投稿: ripple | 2007.08.04 15:26

全身シンチで全身転移が発見されて
なくなったのは5ヵ月後でした
骨転移はつたえず
歩きたい人でしたので最新の注意を払って最後まで歩行器で歩きました。

モルヒネは使わず
好きなピアノの生演奏や
友人が交代で沢山来ていました
家族とビールを飲むのもうれしそうでした

幸か不幸か最後は縦郭洞リンパ腺の転移で
上大静脈症候群で肺水腫心不全でした
一度目は放射線で小さくなりましたが

本人の延命治療は望まないということもありまして。
ニ度目は神の召すままに実に安らかに近所の方にも見守られて。

ぎりぎりまでの在宅ケアーはいいですね。

心のこもった医師に出会えていたから。

投稿: みちこ | 2007.08.04 16:44

”痛み”と聞いて浮上してまいりました。

あなたの胸の痛みは
心の痛みではという
ドクターがいて
友がいて
私は両方痛みます

うつの薬を飲みつつ”気にすまい”と運動にも
精を出していますが、痛いときは痛いのです。

でも痛みの初めの状態からすれば、いろいろやっていただいた治療の結果遠回りしながら確実に
いい方向に向かっているのかなという気はしています。

話を聞いていただけるだけでも
痛みに耐える力もつくし、痛みも軽減していきます。

投稿: Kei | 2007.08.04 23:11

★みちこさん、
在宅介護ができれば理想ですね。永六輔さんの奥さんも在宅介護で、
家族が抗がん剤の注射や痰の取り方を勉強して、付きっ切りで介護
し、みんなに看取られてなくなったそうです。
 この番組では、痛みの治療にもっと安全にモルヒネが使えるとい
うことでした。日本は痛みの治療の後進国だそうです。

★Keiさん、
そうそう、Keiさんにお話しようと思っていたのですが、最後の
「モルヒネはがん患者の痛みには副作用が出ない」というのは、
聖路加病院の先生の話でしたよ。絶えられないほどの痛みの場合、
モルヒネをうまく使えば痛みが凌げるということでした。
 また、運動野の刺激が痛みをやわらげるということですから、
からだを動かすことは痛みの軽減につながると思います。いま頭鍼
療法の勉強をはじめました。こんどKeiさんにもやってみましょう。
そのときは半額にいたしましょう。(^-^)

投稿: ripple | 2007.08.05 09:03

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