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2006.09.28

不満と感謝

患者さんをみていると、いや患者さんだけでなく一般の人をみていると、絶えず不平不満を訴える人がいる。話すことが文句ばっかり、ぜんぶ否定的なので聞いているほうも厭になる。そうかと思うと、にこにこと笑顔を絶やさず、いつも感謝の言葉を口にしている人がいる。ものは考えようだが、どちらが幸せであるかは明らかであろう。

不満の多い人は病気がちになり、不満の少ない人は健康になる、と言っていいと思う。なぜなら、不平不満の多い人は心もからだもどこか緊張ぎみになる。不満のある人の顔を漫画で描くとすれば、眉間に皺を寄せ、口をへの字に曲げた顔になる。眉間が緊張し、口元も何か言いたそうに緊張しているからだ。不平不満がなく感謝の心に満ちている人は、おおむね笑顔でにこにこしており、顔もどちらかというと緩んでいる。漫画で描けば恵比須さまのような顔になるだろう。

医学的にみても、不満があると筋肉は緊張する。トイレに行きたいのに我慢すれば緊張して足踏をしたくなる。腹が減ってくれば、やはり緊張してイライラする。逆に、トイレを済ましたあとはすっきりしてホッとする。腹いっぱい食べたときは満足して一休みしたくなる。精神的にも同じようなことが言える。腹が立ったり、怖い目にあったり、悲しい目にあったりすれば、からだが緊張する。思わず肩に力が入る。ところが不満がないときは、ゆったりと構えていることができる。感謝の心でいっぱいの人の顔は、満ち足りて緊張がない。

筋肉が緊張すると血管が圧迫され、どうしても血行が悪くなる。血行が悪くなれば、酸素も栄養も吸収しにくくなるし、老廃物を排除する機能も落ちる。その緊張が長く続けば病気になりやすくなる。筋肉が緩んでいれば血管がひろがり、血行がよくなる。血行がよくなれば、新鮮な酸素や栄養がゆきわたり、老廃物も排除される。

不満は緊張を生み、緊張は血行障害を起こし、病気になりやすくなる。
感謝は不満のない心だから、緊張がなくなり、血行がよくなり、健康になる。

このメカニズムを頭に入れて、できるだけものごとを良く考える癖をつけるといいだろう。なんでも「ありがたい」「よかった」で暮らしてゆくとよい。たとえ悪いことに出くわしたとしても「このぐらいで済んでよかった」「ああ、いい勉強をさせてもらった」「こういうこともあるのか」ぐらいに考えたらいい。

あとは心の平静さを失わなければ、そこにはつねに最善の選択肢が見つかるはずだ。まずは、不平不満を言っている自分に気づき、それをやめ、感謝のことばに置き換える練習をするとよいだろう。もっとも緊張と弛緩は適当にバランスが取れているといい。緊張しっぱなしでは病気になるが、緩みっぱなしではボケてしまう。適度の善意の緊張はおすすめである。


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コメント

全く仰るとおりですね。
物の考え方などは
生まれつきと言うか、性格がそうさせるのでは
ないでしょうか?
私の周りにも 不平不満ばかり言う方が居られます。
そういう方は鬱になる方が多いですね。
性格だから直ぐにはよくなりません。

私 0型 どうも 呆け型のようですわ。

投稿: sakura | 2006.09.29 21:37

素晴らしい文章ですね!
学校の友達にもぜひ読んでもらいたいのですが、転載しても可能でしょうか?

投稿: Kazuyan | 2006.09.29 23:54

sakuraさん、
三つ子の魂百までというように、人の性格はなかなか
変わるものではありませんが、本人が自覚したとき、
大病にかかったあとなど、心から感謝の気持ちを持て
るようになるのではないでしょうか。
sakuraさん、いつも書き込みありがとうございます。

Kazuyanさん、
意を尽くしてない感じもしますが、もちろん転載しても
かまいませんよ。感謝、感謝。

投稿: ripple | 2006.09.30 09:03

私、もともと文句タレで神経質で緊張症なので
人生の前半は失敗の連続でした。

ピッチャーも肩に力が入るとフォアボール連発→自滅です。
これからはわたしも力まず、自然体で。。

投稿: ハチミツ二郎 | 2006.09.30 09:32

人生の前半は角の多い石ころみたいなもので、
いろいろ苦労したり、痛い目にあったりして、
人生の後半には丸みが出てくる人が多い。
わたしなんかもそんなふうに思います。
逆に、ますます頑固になったりする人もまれ
にいますけれど。(^-^)

投稿: ripple | 2006.09.30 10:49

本当に、同感です。
私も若い頃は、緊張の連続のような生活で、
瞑想に安らぎを求めたこともありました。
人の幸、不幸は心次第。
今は少し年もとり(笑)感謝も覚え(笑)
安らかに生きられるようになりました。

投稿: なっちのママ | 2006.09.30 22:49

年をとると、耳が遠くなったり、トイレが近くなったり、
年をとらなければ分からなかったことが分かるようにな
ります。病気をすれば、病人のつらさもわかる。
心がだんだん丸くなっていく感じがします。それでも
好奇心を持てば若くいれます。感謝、感謝。(^-^)

投稿: ripple | 2006.10.01 08:54

先生,ありがとうございます。

投稿: kazuyan | 2006.10.04 01:15

Don't mention it! ーどういたしまして。

投稿: ripple | 2006.10.04 17:20

私も、不平不満を心に持つよりは、感謝の心で生活したいと思います。ありがとうございます。

投稿: 西田 | 2008.03.05 19:19

西田さん、はじめまして、
ブログを読んでいただき、ありがとうございました。
また遊びに来てくださいね。

投稿: ripple | 2008.03.05 21:41

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