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2006.06.25

国家の品格

藤原正彦著『国家の品格』(新潮新書)を読んだ。以前にも、藤原さんの『祖国とは国語』を読んだが、あいかわらず主張が明快でおもしろい。

自由は身勝手、平等がウソなのは子供でも分かる。民主主義は理想だが「国民が成熟した判断をすることができる」ことが大前提で、それは不可能。

第一次世界大戦もオーストリアの皇太子がセルビア人に殺されたことに世論が怒り、オーストリアがセルビアに宣戦布告し、それにロシアが怒り、それに対してドイツが怒り、同盟関係にあるフランス、イギリスが参戦した。国民が大騒ぎをして外交では収まらなくなった結果、850万人が犠牲になった。

第一次大戦後のドイツもワイマール憲法のもと、しっかりした民主国家だった。その民主的な選挙でヒトラーのナチ党が第一党になり、その後の選挙でもドイツ国民は圧倒的にヒトラーを支持し続けた。日本の場合も、満州事変から大東亜戦争にかけて、国民もマスコミも軍部を支持し続けた。イラク戦争も開戦時はアメリカの国民の76パーセントが支持した。世論が国を危険な方向に歩ませることがある。

では、どうしたらいいか。藤原さんは「真のエリートが必要」だという。真のエリートの条件は二つ。一つは、文学、哲学、歴史、芸術、科学といった、何の役にも立たないような教養をたっぷりと身につけていること。そうした教養を背景として、庶民とは比較にもならないような圧倒的な大局観や総合判断力を持っていること。二つめの条件は、いざとなれば国家、国民のために喜んで命を捨てる気概があること。むかしはそういう政治家がいたは今はいなくなってしまったと藤原さんは嘆いている。


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コメント

藤原さんは、世間に迎合せずに
ご自分の主張されるので好きです。
大概が、手に負えないへそまがりなので、
ベストセラーの類は
なかなか手に取らないんですが
そろそろ読んでみましょうか(^^)

投稿: take1962 | 2006.06.25 23:09

子供の個性を尊重するなんてかっこいいこと
いってもだめ。テレビゲームが好きな個性を
持った子供はテレビゲーム漬けになっちゃう。
わがままを尊重するのは間違っている。
道徳や国語は押し付けても詰め込め。
悪いことは悪いと徹底して教え込め、
卑怯ということをしっかり叩き込め。
おもしろくて一気に読んでしまいました。

投稿: ripple | 2006.06.26 08:55

国家の品格 何となく難しそう・・と思っていましたが
rippleさんのコメントを読んで、これは買って
娘に読ませたいと思いました。
ゲームばかりやっている孫を見ていると
何とかせねばと思ってしまいます。

投稿: sakura | 2006.06.27 11:44

タイトルはいかついけれど、文章は読みやすいですよ。
ユーモアもあって、すらすら読めます。もうひとつの
「祖国とは国語」もいい本です。私は単行本を買い
ましたけど、いまでは文庫本も出ています。

投稿: ripple | 2006.06.27 12:16

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