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2006.02.01

東京砂漠

患者さんに推理小説の好きな人がいて、読み終えた文庫本を持ってきてくれる。もう数十冊いただいた。内田康夫、西村京太郎、森村誠一、島田一男などだ。京子は本を読むのが速く、1日に1冊ぐらいわけなくこなしてしまう。わたしは遅い。ただ、きょうは休みだし、一日じゅう雨が降っていたので、森村誠一の『棟居刑事の砂漠の暗礁』を読み始めた。これがけっこう面白く、またたくまに読み終えてしまった。登場人物が多くて事件解決までのストーリー展開が錯綜としていたが、なかなかよくできた推理小説だ。

砂漠の暗礁』の砂漠とは、愛のない形ばかりの夫婦、家族、という意味らしい。そういう夫婦がなぜ離婚しないかといえば、離婚するには大きなエネルギーがいるので、そんな面倒なことはしたくないからだという。砂漠といって、すぐ思い出すのは前川清の『東京砂漠』という歌だ。冷えた夫婦や家族も多いだろうが、都会の人間関係もまた希薄になっている。この歌は、東京を砂漠だという。わたしは、この歌が嫌いではない。

空が哭いてる 煤すすけ汚されて
ひとはやさしさを どこに棄ててきたの
だけどわたしは 好きよこの都会
まち
肩を寄せあえる あなた……あなたがいる
あなたの傍で ああ 暮らせるならば
つらくはないわ この東京砂漠
あなたがいれば ああ うつむかないで
歩いて行ける この東京砂漠

ビルの谷間の 川は流れない
ひとの波だけが 黒く流れて行く
あなた……あなたに めぐり逢うまでは
そうよこの都会を 逃げていきたかった
あなたの愛に ああ つかまりながら
しあわせなのよ この東京砂漠
あなたがいれば ああ あなたがいれば
陽はまた昇る この東京砂漠

→『東京砂漠』が聴けます。(MIDI)


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