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2005.11.10

ぎっくり腰撃退術

ゆうべの「ためしてガッテン」はぎっくり腰がテーマだった。ぎっくり腰というのは病名ではなく、とつぜん襲いかかる腰痛の俗称だ。通常は腰椎ねんざ、急性腰痛症などと呼ぶ。青森のほうでは「きくらへんき」というそうだが、あれは「きっくら疝気」が訛ったのではないだろうか。

ぎっくり腰になるのは次ような場面で、長いこと曲げていた腰を急に伸ばしたときや、不意に腰を伸ばしたときに起こる。くしゃみをした時も、瞬間的に腰を曲げてから伸ばしている。からだがそれをとっさに危険と察知し、反射的に腰を反らさないようにする。それが持続して腰を伸ばせなくなってしまうのである。

 ・本を書架に戻した時
 ・急に振り返った時
 ・床に落ちた物を拾った時
 ・長時間運転をした後背伸びをした時
 ・くしゃみをした時
 ・サウナで体重計から降りようとした時(私の場合)等々。

ぎっくり腰をやると腰の筋肉がカチカチに緊張する。これは椎間板に過度の負担がかかって痛み物質が放出されて激痛を起こし、その連鎖反応で腰の筋肉が硬くなるのだという。以前は往診をしていたので、腰が痛くて身動きができず、あぶら汗を流している人を何人も見たものだ。こんなとき鍼はじつによく効く。腰の痛みに鍼の痛みを乗せて元の痛みに干渉し、結果的に腰の痛みを軽減させるのだ。

choyokinレントゲンで見ると、正常な腰椎は反りぎみになっているが、ぎっくり腰のときは腰椎がまっすぐになっているのが分かる。番組では腰の筋肉が緊張しているとしか言わなかったが、それだけではない。腰椎の前側にある腸腰筋が過緊張を起こしているのである。だから、へっぴり腰になってしまうのだ。

腸腰筋というのは、大腰筋、小腰筋、腸骨筋から成る長大な深部筋である。とくに大腰筋はT12~L4の腰椎の側面と椎間板から起こり、お腹の奥を通って鼠径部から大腿骨の内側に付いているので、腰を曲げる主動筋になっている。

ぎっくり腰の場合、これらの筋肉が異常収縮を起こしているのである。それが証拠に、腰をまるめれば痛みがやわらぎ、腰を伸ばそうとすると激痛が走る。

ぎっくり腰をやったら、いちばん楽な姿勢をとり、じっと横になっているにかぎる。ほとんどの場合、膝を抱えるぐらい腰をまるくすると楽になる。2、30分ぐらいそのまま休み、それからゆっくりゆっくり元に戻してゆけばいい。これで痛みは半減するだろう。

ぎっくり腰の予防は、疲労をためないこと、冷やさないこと、そして筋肉を驚かさないことだ。不意の動作、速い動作がいちばん危ない。長時間おなじ姿勢が続いた後などは、ゆっくり動くようにすればいい。

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コメント

はじめまして、大変わかりやすい記事ですね。

特に絵があるのでわかりやすいです。

投稿: こぼり | 2005.11.14 11:28

こぼりさん、はじめまして、

このあいだの放送で驚いたことがあります。
「正常な腰椎は反っているけれど、ぎっくり腰のときは腰椎がまっすぐになっている」といっておきながら、「ぎっくり腰のときは腰の筋肉が硬く緊張している」というのです。腰の筋肉が緊張したら、どう考えても腰は反るでしょうに。アナウンサーの小野さんもなんか戸惑っていたみたい。

発痛物質で腰筋が緊張するのはわかるけど、腰がまっすぐになるのは前方の腸腰筋が緊張して前屈させようとするからです。そこをカウンターストレインでゆるめればいい。もちろん、自分でもあるていど治療できます。

自然界の動物は本能的にどうすればいいかを知っていて、いちばん楽な姿勢をとってじっとしています。人間は頭であれこれ考えていじる。治療家もからだの声に耳を傾けることが必要だと思います。

投稿: ripple | 2005.11.14 12:53

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» ためしてガッテン ギックリ腰 [40肩 腰痛情報 横浜 無痛整体・はり治療室より]
本日のNHK総合 ためしてガッテンは、不意打ち!ギックリ腰 徹底撃退法△あなたも予備軍△つい間板衝撃の実験映像 でした。 [続きを読む]

受信: 2005.11.14 11:27

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