つくつく法師
窓の外でつくつく法師が数匹鳴いている。代わる代わる、それぞれの声を追いかけるように、競い合うように鳴いている。あの4、5センチのからだで、それこそありったけの声を出して自己主張している。
はじめは「オーシーンツクツクツク」と、オとシをぐ~んと引っ張り、ツクツクツクと「ツク」を3回添える。それから「オーシンツクツクツク」となり、だんだん速度を上げていく。20回ぐらいこれを繰り返し、じゅうぶん加速したところで、「モイヨー」と転調し、これを3、4回ほど唸ってからプツンと鳴きやむ。なかなか味わいがある。
百科事典には「オーシーツクツク」と鳴くとあるが、わたしの耳には「オーシーンツクツク」と聞こえる。子供の頃から、そう聞いてきたので「オーシーツクツク」はないだろう、なんて思ってしまう。耳を澄まして聴くと、やはり「オーシーンツクツク」だ。だいたい、子供のときはツクツクボウシなんて呼んだことがない。「あ、オーシンツクが鳴いている」、などと言っていた。
オーシンツクの輪唱はなかなか聴き応えがある。なんてったって生演奏は迫力がある。ま、いずれにしても、この蝉の声が多くなったからには、夏も終わりだ。
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