AKの個人レッスン
アレクサンダー・テクニークの個人レッスンを受けた。患者さんの一人が、狛江市に先生がいるというので行ってみた。サラ・バーカーさんの『姿勢術』を読んだり、そのセミナーに参加しているので、予備知識はあったが、レッスンを受けるのは初めてだ。想像とはかなり違っていた。理論的な説明はほとんどなく、どういうことを心がけるべきかということもなく、先生の感覚でわたしのからだの「もっとも自然なありかた」を探っていくのである。先生は、ひたすらわたしのからだに尋ねながら、もっとも自然な位置を探しているようだった。
トレガー・アプローチという手技療法があるが、どちらかというと、それに近いようだ。からだに働きかけて、からだを解放して、自由で緊張のない、もっとも自然な姿勢を見つてゆくというのが似ている。とくに、からだは外からの支え(outer support)と内からの支え(innner support)によって維持されている、という話がよかった。からだは主に骨と筋肉が支えている。また、足の底から、足首、膝、股関節、骨盤、腰椎、胸椎そして頸椎が頭蓋を支えている。それだけでなく、からだは床に、大地に、周囲の空気にも支えられている。それを感じとりながら、いちばん自然な「ありかた」を探してゆく。そうすれば、心身ともに最善の状態でいられるというのだ。
わたしは朝晩、ヴィパッサナー瞑想を続けているが、その姿勢がいまいち決まらないような感じがして、自分なりにアレクサンダー・テクニークを取り入れてみた。お尻の下に角枕を置いて、軽く胡坐をかいて座る。腰から背中を伸ばし、最期に頭を肩から浮かす。それから、からだを前後左右に動かして中心線を探す。中心線が見つかったら、少し緊張をゆるめて、自然に座る。瞑想をしていると、だんだんからだが降りてしまうので、何度か頭を浮かすようにして姿勢を整える。こうすることによって、瞑想中の集中力は格段によくなった。
頭を肩から浮かすとき、あまり強くやると背中が緊張してしまう。かといって緊張をゆるめ過ぎると、からだがひしゃげてしまう。その中間にある自然な姿勢、中心線を保ちながら、ゆったりと座る方法を模索してきた。そのことを話すと先生は、「どんな姿勢でもいいのです。どんな姿勢のなかでももっとも自然な位置があるのです」と、分かったような分からないようなことを言う。「中心線にこだわったりしないで、からだの感覚を感じ、もっともしっくりくる姿勢、もっとも自然な姿勢を見つければいい。本当は、もうなんにも考えなくてもそうなるのが理想なのです」。
どんな姿勢の中にももっとも自然な位置があるのです、という言葉は貴重だった。それで、あまり中心線にこだわらずに楽な位置を探して座ってみた。なるほど案外、どの位置でもそれなりに自然な姿勢がとれるのが分かった。外からのサポートで、空気にも支えられているというが、そのこと意識すると皮膚の感覚がよく観察できる。また、からだ全体の自然な位置を探すことで、からだ全体をよく意識できるようになった。アレクサンダー・テクニークの個人レッスンを受けたおかげで、瞑想がずっとやりやすくなった。アレクサンダー・テクニークもヴィパッサナー瞑想も、理屈でなく感覚の世界なのだ。
からだは
大地に支えられ
宇宙に抱かれている
力を抜いて
任せきってみよう
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栗平の西食亭


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